概要
紀元前3世紀頃。秦の始皇帝の元に斉国出身の方士・徐福が訪れた。方士とは、瞑想、占い、服薬、健康術などを用いて不老長寿を目指す修行者である。徐福は皇帝に東海(太平洋)には蓬莱・方丈・瀛州の「三神山」があり、そこには不老不死の霊薬があると進言。中華統一を成した皇帝は永遠の命も望んでおり、徐福に霊薬を手に入れるよう命じ、始皇帝からの出資を得た徐福は、船に五穀の種や童子童女や技術者など3000人を連れて海へ乗り出して蓬莱へ出発したが、二度と帰っては来なかったと司馬遷の『史記』巻百十八「淮南衡山列伝」に載っている。同書では徐福は行く先で「平原広沢(広い平野と湿地)」を得て王となった、とある。
一方、同じく『史記』巻六「秦始皇本紀」でも徐福について書かれているが、ここでは始皇帝が地方巡行をしていた際に出港地を訪れたが、実際には徐福はまだ出港していなかった。そのため、改めて出立を命じたものの、その直後に始皇帝は病で死去した、とあり、ここでは徐福が最終的に出航したのかどうかは不明である。出航していない場合、徐福は最初から絶対的権力者たる始皇帝の果てない欲に付けこんで出資金をせしめるつもりだった詐欺師、ということになる。
徐福が目指したという蓬莱山や瀛州は日本列島を意味したと現在では言われ、すなわち徐福は古代日本に来訪した、「平原広沢」とは日本の何処かであった、という伝説が広まっている。その到達地候補は全国各地にあり、北は青森から南は鹿児島まで。有名どころでは和歌山と三重県の熊野、九州の佐賀、静岡県と山梨県の富士山周辺など。徐福が来訪したことで日本は縄文時代から弥生時代に変わったとも言われ、日本では徐福をテーマにした様々な作品が作られている。
仮に徐福が実在しなかった、あるいは実在しても国外には行かなかったのだとしても、この時代の前後に、激動の戦乱のもとにあった大陸を離れ、日本列島やその周辺に移住する人々(渡来人)が多くいたこと。彼等によって多くの大陸由来の文化や技術がもたらされ、後々も日本を形作る基礎が出来ていったことは疑いようがない事実である。徐福と彼にまつわる逸話、伝説は、そのような大きな歴史の流れの象徴と言うべきだろう。
キャラクター
Fate/GrandOrder
イベントシナリオ「サーヴァント・サマーキャンプ!」で初登場。
詳細は徐福(Fate)を参照。
ゾンビランドサガ
CV:大塚芳忠
現在巽幸太郎の持つゾンビィ技術の祖となった人物。特にゾンビランドサガリベンジの佐賀事変でも彼が登場するのだが……。
詳細は徐福(ゾンビランドサガ)を参照