この形式には2種類存在し、国鉄キハ25形および、JR東海キハ25形の二種類が存在する。
国鉄キハ25形
この車両は1957年から1962年にかけて国鉄が製造した、キハ20系の暖地向け片運転台車、キハ20の片方の運転台を撤去し、座席にしたものと思えばよい。
しかし片運転台がネックとなり柔軟な運用には向かず(車両の単行ができない、転車台が必要となる)、老朽化していたこともありJRや中小私鉄には継承されず1987年までに全廃となった。
JR東海キハ25形
JR東海の一般型気動車。2010年度に登場した。
313系とほぼ同一の車体を用いており、313系の気動車バージョンともいえる標準タイプのローカル用車両である。313系にはある貫通扉上の前照灯がない点を除けば、見た目や内装も313系と変わらない。
基本項目
ワンマン運転を前提に設計されており、整理券発券機や運賃箱、運賃表示器、ドアの半自動開閉ボタン、後ろの車両のドア締切機能などが備わっている。
トイレのある車両とない車両で2両編成を組んで運用される。
エンジンはJR東海の気動車の標準型と言える米国カミンズ製のC-DMF14HZBである。
高速性能で鳴らした先輩格のキハ75やキハ85とほぼ同じエンジンだが、キハ75などは出力を350馬力に抑える代わりに、1両あたり2基エンジンを搭載していた。
キハ25では、エンジンを1基に減らした代わりに、1基あたりの出力を定格450馬力(最大520馬力)に増強し、編成出力で劣る部分はより段数の多い変速機を採用することで、従来の高速気動車とさほど変わらない動力性能を確保した。
(キハ75:C-DW14A (変速1段・直結2段))→(キハ25:C-DW23 (変速1段・直結4段))
1次車
1次車は快速みえの運用増に伴うキハ75の転属のため、武豊線向けとして製造されたグループ。0番台を名乗り、5編成10両が名古屋車両区配置された。2015年に武豊線が電化したため同線の運行からは撤退して美濃太田車両区に転じ、高山本線で運用されている。
0番台は扉間クロスシートで、出入り口のステップは製造時は都市近郊路線用だったため準備工事とされ、美濃太田に転じた時に正式に取り付けられた。
1次車は、全車両高山本線で運用されている。その為、P編成しか存在しない。
2次車
JR東海管内に残っていたキハ40系列およびキハ11鋼製車の老朽取り換えを目的としたグループで、2014年に登場した。このグループでは前面の行き先表示と種別表示が一体化され、車内はロングシートとなっている。ローカル用のため製造時からステップが付いている。
車体の溶接工法が変更されレーザー溶接になっているため、溶接歪が出にくいことから歪を隠すためのビード仕上げは省略されたが、むしろ安っぽい印象を受けることもある。また、従来車体窓部のみに施されていたダルフィニッシュ加工は、車体下部まで全体になされている。
2014年は美濃太田車両区に1000番台の8編成16両が美濃太田車両区に投入され、これらは高山本線と太多線で運用。2015年投入分は紀勢本線・参宮線・名松線向けとして名古屋車両区に18編成36両が投入(すでに伊勢車両区が廃止・名古屋車両区へ統合されたため)。1000番台の他、暖地向けとしてスノープラウを省略した1500番台も製造されている。
また、鹿対策として衝撃吸収に優れた構造のスカートが装備されている。
しかし、ラッシュ時に合わせたオールロングシートのため、高山本線や紀勢本線といったローカル線長距離運用での評判は良くない。
まるでかつてのキハ35系の失敗を繰り返したかのようである。
(国鉄時代ではキハ35系を紀勢本線の長距離運用に投入する際は、キハ58系等クロスシート車との併結が必須とされていた)
M編成(紀勢本線、参宮線運用車両)は2次車のみ存在する。