三沢広之
みさわひろゆき
演:竹内義人
概要
地球解放機構TLTの一員であり、人々の記憶からスペースビーストに関する情報を消去する部署・メモリー・ポリス(M・P)に所属する男性。
M・Pの最高責任者である首藤沙耶チーフに仕え、彼女の右腕として行動することが多い。
初登場回のEpisode.11では、斎田リコの検査結果が異様な数値を示した(彼女の肉体が既に死亡していた、あるいは彼女がデュナミスト適性を持っていた)事を首藤に報告したほか、首藤が孤門を気遣ってリコの住所を教えた際には、彼女の立場を案じた言葉を発している。
また、Episode.13やEpisode.16では溝呂木眞也の策略で戦意を失った主人公・孤門一輝を監視し、彼がTLTからの離脱を図った際には記憶消去を試みた。しかし、溝呂木の闇の力や、根来甚蔵の奇策に翻弄されてしまい、二度も孤門を取り逃がしている。
プライベートな部分は全く描かれておらず、劇中の印象は良く言えば「寡黙で職務に忠実な典型的TLT隊員」といったところ。ただし、(職務上致し方ない事だが)孤門に対しては高圧的かつ嫌味な態度を取ることが多く、まるで悪役のように描かれることもある。
M・Pのリーダーながら要所で優しさや葛藤を垣間見せる首藤、千樹憐編におけるヒロインとして登場した野々宮瑞生に比べて個性的な人物とは言い難く、悪く言えばM・Pの横暴さ、胡散臭さを強調するためのモブキャラとしか言いようがない人物だったのだが……
「三沢です。機関室にて逃亡中のターゲットを確認、これより追跡します」
「お前は!? うわああああああ!!!」
「溝呂木眞也……そいつの役目は終わった。これからは、俺が奴に代わって、この世界を闇に塗りこめる!」
実は彼もデュナミストの素質をもっていたようで、Episode.32冒頭にて牢獄から脱走した溝呂木を追跡しようとしたところ、やや唐突にアンノウンハンドの襲撃を受け、強大な闇の力で洗脳を施されてしまう。
アンノウンハンドの傀儡と化した三沢は、用済みになった溝呂木を背後から狙撃。自身が溝呂木に代わって世界を闇に染める事を宣言すると、ダークエボルバーの力で第三の闇の巨人ダークメフィスト・ツヴァイへと変身し、その場にいた孤門、瑞生、西条凪を襲撃した。
駆け付けた千樹憐がウルトラマンネクサスに変身して応戦したものの、ツヴァイはメフィストクローを駆使した圧倒的な戦闘能力を披露。撃墜したジュネッスブルーから光の力を吸収し、より強大な力を得ようと目論む。
しかし、溝呂木が光の力でダークメフィストに変身するという奇跡を起こしたことで戦況は一変。闇の力を得る以前から戦闘経験豊富だった溝呂木に対し、民間人相手の任務が多かった三沢は戦闘経験が乏しかったせいか、格闘戦で圧倒されてしまう。
窮地に陥ったツヴァイは、卑劣にも溝呂木が変身前に負傷していた部位を攻撃して致命傷を与えたが、メフィストは自らの身体に突き刺されたクローを利用してツヴァイを拘束。再起したジュネッスブルーに対し、自分諸共ツヴァイを倒すよう説得する。憐は思わぬ申し出に戸惑ったが、溝呂木の決意を信じてアローレイ・シュトロームを発射。羽交い絞めにされたツヴァイは光弓に身体を射抜かれ、大爆発を遂げた。
戦闘後、溝呂木は変身を解除され、愛する凪に看取られて息絶えた。その一方、三沢は人間態に戻る事も出来ずに消滅。(放送短縮の影響で尺が無かったせいか)首藤や瑞生からその死を悼まれることもないまま物語から退場した。
溝呂木の遺言によると、三沢もまたアンノウンハンドに操られた犠牲者であり、洗脳後の卑劣な言動も心の闇を利用された結果だったらしい。そう考えると、誰からも悼まれなかった彼の最期は、ある意味ダークファウスト=斎田リコよりも悲劇的だったと言えるかもしれない。
余談
番組開始当初のシナリオにダークメフィスト・ツヴァイの登場予定はなく、路線変更の末に登場が決定し、同時に急遽三沢が変身者として抜擢されたという噂がある。悪役とはいえ、考えようによってはモブキャラからの大出世とも考えられなくはない。