福井県立恐竜博物館
ふくいけんりつきょうりゅうはくぶつかん
概要
1984年4月の開館当初は、当館の前身である「福井県立博物館」という名称であった。
カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館、中国の自貢恐竜博物館と並び、世界三大恐竜博物館と称される等、日本における恐竜博物館の代表格的存在となっている。
博物館に程近い勝山市北谷町の手取層群北谷層(下部白亜系)からは、恐竜の他、ワニ、カメ、魚類、淡水生貝類、陸生植物などの化石が産出している。この化石発掘現場は、2014年7月から野外恐竜博物館の一部として、見学したり、化石の発掘体験をしたりすることができる。2009年10月に、勝山市全域が恐竜渓谷ふくい勝山ジオパークとして日本ジオパークに認定された。2017年2月には、勝山で発見された5種の新種の恐竜の化石標本とその発掘現場が「学術上重要な標本とその産地として貴重である」と認められ、「勝山恐竜化石群及び産地」として国の天然記念物(地質・鉱物)に指定された。
館内
館内の展示部門は、大きく3つのゾーンに分かれている。長径84メートル、短径55メートル、広さ4500平方メートル、天井の高さ約37メートルのドーム型の巨大な無柱空間である常設展示室(恐竜ホール)には、「恐竜の世界」ゾーンと題して、ティラノサウルス・レックス等の40体以上の恐竜の全身骨格が展示されている。この中には、福井県で発掘されたフクイサウルスとフクイラプトルの2体の恐竜復元骨格もある。このほか、「地球の科学」ゾーンでは、地球科学の歴史や、陸域と海の堆積物とそれらに埋積された化石、地球を構成する岩石と鉱物等を展示している。「生命の歴史」ゾーンには、46億年の長い地球の歴史の中で、生命が海に現れ、その後魚類等の脊椎動物が誕生し、陸上に進出した両生類や爬虫類や哺乳類、そして鳥類と言った脊椎動物と植物が関わりを持った歴史などが、ジオラマを通して、時間の流れに沿って展示されている。毎年のように化石の発掘作業とクリーニング作業が継続して行われており、その様子は野外恐竜博物館や化石クリーニング室等で、見学することができる。また、地域の学校において、恐竜出前授業などの学校教育活動も実施しており、教育に対しても非常に熱心な博物館と言える。
特別展
恐竜博物館では毎年夏頃に、恐竜を中心にした特別展を行っている。特別展では他の博物館や研究機関等から特別に資料や標本をお借りし、テーマにそって展示している。また、過去にエディアカラやクジラ類、そして翼竜と言った恐竜以外のテーマを行っているが、恐竜博物館では当博物館のイメージを崩さないよう、特別展のタイトルには必ず「恐竜」という単語が付いている(但し、一部例外あり)。
主な歴代特別展
- 「ロイヤル・ティレル古生物学博物館の恐竜たち」(2001年7月7日㈯~10月31日㈬)
- 「眠りからさめた福井の恐竜たち」(2002年7月20日㈯~9月1日㈰)
- 「オーロラをみた恐竜たち」(2003年7月19日㈯~9月15日㈪㈷)
- 「中国大陸の6億年」(2004年7月10日㈯~9月26日㈰)
- 「大空に羽ばたいた恐竜たち展」(2005年7月15日㈮~11月3日㈰㈷)
- 「恐竜以前-エディアカラの不思議な生き物たち」 (2006年7月14日㈮~10月9日㈪㈷)
- 「クジラが陸を歩いていた頃-恐竜絶滅後の王者」(2007年7月13日㈮~10月8日㈪㈷)
- 「K/T-絶滅期の恐竜と新時代の生き物たち-」(2008年7月11日㈮~10月13日㈪㈷)
- 「恐竜のくらした森―恐竜は花を見たか?」(2009年7月10日㈮~10月12日㈪㈷)
- 「アジア恐竜時代の幕開け ―巨大恐竜の進化―」(2010年7月9日㈮〜11月7日㈰)
- 「新説・恐竜の成長」(2011年7月8日㈮~10月10日㈪㈷)
- 「翼竜の謎-恐竜が見あげた『竜』」(2012年7月6日㈮~10月8日㈪㈷)
- 「発掘!発見!1億年の時を越えて」(2013年7月12日㈮~10月14日㈪㈷)
- 「スペイン奇跡の恐竜たち」([2014年]]7月11日㈮~10月13日㈪㈷)
- 「南アジアの恐竜時代」(2015年7月10日㈮~10月12日㈪㈷)
- 「恐竜の大移動〜ティラノサウルス類と角竜の起源と進化〜」(2016年7月8日㈮~10月10日㈪㈷)
- 「恐竜の卵〜恐竜誕生に秘められた謎〜」(2017年7月14日㈮~10月15日㈪㈷)
- 「獣脚類:鳥に進化した肉食恐竜たち」(2018年7月13日㈮~10月14日㈰)