概要
2010年04月16日にニコニコ動画へ投稿された、小雨大豆と酔狂倶楽部制作【酔狂文庫:【ショートショート・番外】死に神の手】内のショート動画「死神の手」のネタバレ。
真っ黒な世界から覚めた彼女のネタバレ注意。
死神の手(ネタバレ)
死神さんと「わたし」の間に契約が結ばれた。
もちろんターゲットは…
この「わたし」だった。
「わたし」の病気はとっても希な心臓の病気で、この難しい病気を治せる先生がドコにもいないという。
だからこの病室が「わたし」を生かしてくれる唯一の世界。
お母さんが「わたし」を叱るのは、
「わたし」が生まれてこなければ良かったのにね。
と、自分の娘が言うと
そんな事を言うんじゃありません。
と、涙を流して彼女は「わたし」を叱ってくれた。
お父さんはお金の話しをするのは、
この前宝くじで一等を当てたんだ。だからおまえはお金の事など気にぜずにゆっくり養生なさい。
と、いつも自分の娘に言う。だけど、彼のつく嘘は下手だから「わたし」はすぐに分かっていた。
「わたし」のお父さんも、お母さんも。先生も看護師さんも、皆がみんな「わたし」に優しい嘘をついてくれる。
「わたし」のために、
「わたし」を思って…
だから「わたし」はこの世界がキライだった。
こんなにも優しい人達に溢れた世界を「わたし」一人が台無しにしているから。
「わたし」の話を全て聞いた死神さんは、
それならば仕方ない。
と、冷たく言った。
どういう風に死にたいんだい。
と「わたし」に訪ねると、
出来る限り痛くないのがいい。
と答えた。すると死神さんは
良いだろう。
そう短く言うと、死神さんは黒いカバンから注射器を取り出し、「わたし」の体に注射した。
ゆっくりと、ゆっくりと「わたし」の意識が闇に飲まれていく。ぼやけていく視界の中、最後に死神さんは笑みを浮かべてこう言った。
ならお前さんの死に方は…
老衰に決定だ。
「わたし」が目を覚ますと、そこはいつもの病室だった。
「わたし」は死神さんに殺されたハズなのに
と、きょとんとした表情で少女は不思議に思った
傍らには「わたし」のお父さんとお母さんがいて、泣きながら教えてくれた。
「わたし」の病気は死神さんが手術で治してくれたという。
先生が『まさか本当にあの手術を出来る人がいるなんて』と驚いていた。
「わたし」はその話を聞いて、先生は可笑しな事を言うもんだと笑った。。
「わたし」にとってあの人は『人』ではなかった。
あの人は「わたし」が呼んだ…
神様だ。
こうして「わたし」がインターネットで呼んだ死神の【キリコさん】の代わりにやって来た【名前の知らない死神さん】の手によって、難病を患っていた少女は新しい人生を歩める事となった。
真っ白な世界から一歩を踏み出した「わたし」は…
もう一度あの死神さんに会えないかな。
と願った。
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こんな話を知ってるかな?
面白いおじさんが演じた本当にあったお話で、今でも彼や色んな人が病気の人に笑いを届けてるんだって。
このお兄ちゃんは話し方とか普通の人と違うけど、頭が良くて、優しくて、子ども達の病気を治すのが夢なんだって。すごいね。
若い頃でも死神さんはスゴイ事や辛い事をいっぱい経験してきたんだね。