概要
2010年04月16日にニコニコ動画へ投稿された、小雨大豆と酔狂倶楽部制作【酔狂文庫:【ショートショート・番外】死に神の手】内のショート動画「死神の手」
真っ白な世界で暮らす彼女のネタバレ注意。
※メイン画・記事内の画像はイメージです。
死神の手
窓の外は真っ白な雪に覆われていた。
まるで「わたし」が住む部屋のよう。
何もかもが冷たくて、何も感じない真っ白な世界。
ここが「わたし」の住む世界…。
「わたし」のお母さんは、
『どうしてそんな事を言うのだ。』と、大きな声で「わたし」を叱る。
それが「わたし」の居る世界。
だから「わたし」は此処が嫌いだと思っていた。
全部が真っ白で…
偽りで作られたこの世界が…
「わたし」は大嫌いだった。
ある時「わたし」はあるーつの手段を知った。
それは死神を呼ぶ方法。
画面に映し出されたその術(すべ)は、クリック一つで死神を呼ぶ事が出来るという。
「わたし」はほんの少し考えて、すぐに死神を呼ぶ事にした。
きっと嘘だろう。
きっと出来るはずなどないだろう。
と、「わたし」は思っていた。
だけど、もしほんとうに「わたし」の元に死神が来て欲しいとも思っていた。
関連項目
死神さんの色は黒だった。
「わたし」の枕元に現れたら死神さんは…
" おまえさんが私を呼んだのかい。 "
と、低い声で「わたし」に訊ねた。
" ええ、そうよ "
と、「わたし」が答えると死神さんは鋭い目で「わたし」を睨んだ。
その瞳は闇のように真っ黒でその痛々しそうなその顔は正しく悪魔。
" あなたが死神さん? "
と、「わたし」が訊ねると…
" まぁそんなとこだ。 "
と、不思議な事を言った。
" 本当に殺しても良いのかい。 "
と、聞いたから
" ええ、お願い。 "
と、素直に「わたし」は答えた。
こうして死神さんと「わたし」の間に契約が結ばれた。
もちろんターゲットは…