概要
コンピュータは直訳で「計算機」のことを意味し、広義では歯車式計算機や計算尺、果てはそろばんなども含むが、現代において「コンピュータ」と言った場合、電子回路を多数組み合わせて、計算を自動的に大量かつ迅速に行う電子式のデジタルコンピュータのことを指す。
他にも「電子計算機」、中国語では「電脳」と呼ばれている。かつては電子式のアナログコンピュータも存在したが、(デジタル)コンピュータの高速高精度化でその役割を終えた。
初期のコンピュータは、一部屋を埋め尽くすほど巨大なもので、主にシミュレーションや商業会計に使われた。現在は、その用途は計算にとどまらず、文書作成・描画・音楽・機械制御・コミュニケーションなどあらゆる情報を扱う分野に広がっている。現在コンピュータといえばパソコンを思い浮かべることが多いだろうが、その形態はビルのワンフロアを埋め尽くす巨大サーバーから、砂粒ほどに小さいスマートタグまできわめて幅広い。
コンピュータは、自動的に計算を行うとはいっても、人間が挙動をプログラムで定義する必要がある。現在、製品化されているコンピュータにはOSが添付され、それでも足りなければあらゆるプログラムがネット上で配布されているとは言っても「コンピュータ、ソフトなければただの箱」と言うレトロPC時代の格言は、基本的に今も通じる。しかし、現今のコンピュータは、機械学習で様々な動作を自ら定義できるようになりつつある。
なお、現在の世界のコンピュータのほとんどは、目に見える形で存在してはおらず、自動車や家電からペースメーカーに至るまで、さまざまな機器に組み込まれてその制御を司っている。現代人は、それとは気付かぬまま毎日何百、何千個ものコンピュータにお世話になっているわけである。