スペック
機体名 | アイアンコング |
---|---|
番号 | EPZ-002(旧)EZ-015(新) |
所属 | ゼネバス帝国(旧)・ガイロス帝国(新) |
分類 | ゴリラ型 |
全長 | 11.5m |
全高 | 17.7m |
全幅 | 13.1m |
重量 | 187.0t |
最高速度 | 150km/h |
乗員人数 | 2名 |
武装 |
|
概要
旧ゼネバス帝国が開発したゴリラ型ゾイド。元々は格闘戦用に開発されていたが、各領域や砲撃戦にも対応した万能型ゾイドとして完成する。当時共和国軍最強ゾイドであったゴジュラスとは戦力比で1:1と肉薄しており、格闘能力では一歩譲るものの、砲撃戦能力で凌駕する。その無敵時代を終わらせるとともに後のMk=Ⅱ開発競争の契機となった機体でもある。操縦性も良好で、ゾイドの最高傑作としてこのアイアンコングを推す兵士も多いという。
キットについて
旧トミー(現:タカラトミー)より発売されたポップアップキットは、モーター駆動で背中のミサイルを回転させながらゴリラのナックルウォーキングのように歩行し、一定の間隔で目を発光させて鳴き声(モーターの軋み音?)を発する。
因みに新シリーズ展開時に発売されたアイアンコングは、腹部のデザインや右肩のミサイルランチャーの弾の形状が旧版と異なっているが、これは『ZOIDS2』として海外で発売されていた際に使用する電池や安全基準の都合で変更された事に伴う仕様の名残である。
コトブキヤより発売されているHMM(Highend Master Model)シリーズは、動力を廃した代わりにプラモデルとしての完成度を高めており、ドラミングなど本物のゴリラのような動きを取らせる事が出来る。また、従来のキットでは不明瞭だった口(バイトファング)や目が新たに設けられ、指も1本1本が独立して可動するようになり、ポージングの表現に幅が広がるようになった。ちなみにこの口は第3のマニュピレーターとしても用いられ、「噛み潰す」事に特化しているとの事。
バリエーション
アイアンコングMK-Ⅱ
右肩に大型のビームランチャー、背部にブースターなどを追加した強化型。機体カラーリングも真紅に改められ、共和国軍からは「赤い悪魔」と恐れられた。
旧ゾイドシリーズ展開時に小学館より発売された『ゾイドバトルストーリー』1巻でウルトラザウルス強奪作戦に関与したゼネバス帝国のスパイコマンド・エコーが搭乗。大氷原でウルトラザウルスをあと一歩という所まで追い詰めるも、救援に駆けつけたゴジュラスMK-Ⅱのキャノン砲の直撃を喰らい、敗れ去った。
高コスト故に配備数は少ないが、「アルダンヌの会戦」などでもその姿を確認できる。後に装備を簡略化する事で製造コストの低減を図ったMK-Ⅱ量産型も配備された。(MK-Ⅱ量産型と区別する為、それ以前のMK-Ⅱは「限定型」と呼称される)この流れはライバル機であるゴジュラスMK-Ⅱと同じで、後のキットの復刻発売も一緒である。
アイアンコングPK(プロイツェンナイツ)
ガイロス帝国摂政ギュンター・プロイツェン直属の親衛隊「プロイツェンナイツ師団(PK師団)」の専用機。赤系統のカラーリング(キットはピンクに近い赤)から「ブラッディコング」とも呼ばれる。
武装はかつてのアイアンコングMK-Ⅱと同じで、機体そのものの強化と強化装甲を採用しており、どこかの仮面の人専用機の如く戦闘力は通常のアイアンコングの3倍以上とされている。
PK師団の正体は、ゼネバス皇帝の息子ギュンター・プロイツェン・ムーロアの理想である「ゼネバス帝国の再興」を実現させる為に結成されたゼネバス帝国残党軍であり、その構成員の大半は老兵ともいえる、旧大戦を生き残った兵士達であった。
もう一つのゼネバス帝国残党軍である「鉄竜騎兵団」(アイゼンドラグーン)の中央大陸侵攻を支援するための囮として、アイアンコングPK及びハンマーロックで構成されたPK師団は、ガイロス帝国首都ヴァルハラでガイロス帝国軍・ヘリック共和国軍の大軍勢と交戦し、同軍を道連れにしたギュンターのブラッディデスザウラーの自爆と共に玉砕した。
アニメ『ゾイド』ならびに『ゾイド新世紀/ゼロ』にも同種のカラーリングと武装が施されたアイアンコングが登場し、後者では劇中でジェミーが「PK型」と呼んでいるが、「プロイツェンナイツ」という名の部隊はバトルストーリーでのみ存在が確認されている部隊である為、アニメにおけるこの「PK」が何を意味しているのか疑問が残る。
トミーより発売されたポップアップキットは旧シリーズのMk-Ⅱとほぼ同じランナー構成だが、通常のアイアンコングの肩部ミサイルランチャーのランナーが削除されている点が異なる。
ブラックコング
その名の通り、漆黒のカラーリングが特徴の改造機。後のギル・ベイダーのメインウェポンとなるビーム・スマッシャー(試作型)を搭載している。こちらは両腕から発生させた力場で形成した光輪を撃ち出すというものであり、試作型故に威力はギル・ベイダーのものよりも劣っている。
旧ゾイドシリーズの『ゾイドバトルストーリー』4巻ではシールドライガーを一撃で真っ二つにしてみせたが、ガンブラスターに対しては電磁バリアの破壊だけに留まっており、直後にガンブラスターの一斉射撃で蜂の巣にされてしまった。その後、本機のデータがギル・ベイダーの完成へと繋がり、共和国軍を大いに苦しめる事となった。
アイアンコングSS
アニメ『ゾイド』に登場するガイロス帝国将校カール・リヒテン・シュバルツ専用機。装甲を強化型に変更し、描写によって様々な武装に変更される。国防軍の正規機体ではアイアンコングPKと互角に戦える唯一の機体。
因みにSSはシュバルツ・スペシャル(Schwarz Special)の略。
装備
背部のTVM地対地2連装戦術ミサイルを外してレッドホーンのリニアキャノンに換装、右肩にはビームガトリングを備える。他にも種々の火器を増設したタイプが一般的に知られる。また、『ガーディアンフォース編』ではカラーリングをそのままにアイアンコングPK(アイアンコングMk=Ⅱ)の武装で登場した機体も存在し、これはアイアンコング シュバルツ仕様Mk=Ⅱと呼ばれる。他にもガトリング装備型の僅かな仕様違いや、ノーマルと同様の装備構成の機体も見られた。
アイアンコングイエティ
旧トミーの公式サイトにて公開されていたWEBコミック『ゾイド妄想戦記2』の第2話「幻惑の雪山」に登場した寒冷地仕様のアイアンコング。装備はMk-Ⅱ量産型をベースとしており、限定販売されたキットもそれと同じ内容となっているが、コミックに登場した機体はデザインの一部に差異が見られる。
ゾイドコンセプトアート版アイアンコング
2010年にホビージャパンより出版された書籍『ゾイドコンセプトアート』に登場したアイアンコング。オリジナルに比べてより丸みを帯びたフォルムとなり、HMM版のキットのような口も確認できる。コックピットは直列複座型。
背中や肩の大型ミサイルランチャーは無くなり、肩部に砲塔を備え、背部には2基のブースターを搭載。腕部には3基の丸ノコを装備している。この丸ノコは金属樹海を切り開き、友軍の進攻を進める為の装備でもある。
その他
- 企画の段階では、某動物型金属生命体のように、腹部に小型機を格納するアイディアもあった。
- 「アイアンコングエヴォルツォーネ」というラジコン操作タイプの新型のアイアンコングが企画され、2003年に29800円の価格での発売が予定されていたが、残念ながら今日に至るまで製品化はされていない。
外部リンク
関連タグ
ゴジュラス・・・ライバル機
ハンマーロック・・・同じゴリラ型ゾイド。サイズは本機より小さいが、小型ゾイドとしては性能は高い。
デッドリーコング・・・アイアンコングの仕様変更品で、『機獣創世記ゾイドジェネシス』に登場。
ナックルコング・・・『ゾイドワイルド』に登場するゴリラ型ゾイド。本能解放(ワイルドブラスト)するとベアファイターのように2本脚での直立姿勢となる。
セイスモサウルス(ゾイド)・・・奇しくもゴジュラスの名を冠するゾイドに対抗するために開発された機体同士であり、対抗手段もアウトレンジからの砲撃という点で似通っている。