概要
CV:(Ⅰ~Ⅳ)塩沢兼人/(リメイク版Ⅰ&Ⅱ)井上和彦/(モバイル)森川智之
魔族を総べる魔王的な存在で、混沌の王カオスを復活させる為に人間同士の戦争を裏で操ったりして暗躍している。目的の為なら手段も選ばず、人の弱みを付け込んで利用したりして、光輝の末裔(特にアルテミュラーやジークハルト)の子孫を苦しめる。
一方、自らの役に立つと見なせば忌み嫌う人間(光輝の末裔)であろうと配下に加え、功績に応じた地位を与えるだけの度量も持ち合わせている。
生い立ち
ボーゼル(ラングリッサーⅢ)
声:伊藤栄次
そもそも「ボーゼル」とは、魔剣「アルハザード」に認められた者の称号を意味し、個人の名前ではない。
加えてIより遥か昔の時代を描いたIIIでは、壮年風の面持ちの別人がボーゼルとして君臨していた。今作以前にも存在しているが、ファンの間ではこのボーゼルを「先々代」と呼んでいる人もいる。
魔族の国家「ヴェルゼリア」を統治し、ラグ・グロブ、フェラキア達「三魔将」を従え、人間界の征服を目論む。
遊びで数多の国を滅ぼし、卑劣な手段を多数用いるものの、部下を心から信頼し、与えた任務が失敗してもかなり寛容な対応をしている辺り後のボーゼルと違う一面をもつ。
人間同士を争わせて、疲弊させた後に侵略を開始するものの、ディハルトたちとの戦闘にて滅ぼされてしまう。
リグリア帝国第一皇子・パウル
元はリグリア帝国の第一皇子・パウルという人間だった。
誰からも支持されなかったが故に性格が歪んでおり、自分が皇帝になるためには卑劣な手を使う。そのためならたとえ実父だろうが気に入らない者がいれば暗殺したり、その死すらも喜ぶ陰険狭小な人柄である。
そんなある日、アルテミュラーが次期皇帝の座に付く事が有力視されると、彼を良しとしないガイエルと結託してアルテミュラーを失脚させようとたくらむ。
しかし結果は、闇の帝王ボーゼルが倒れた後、ファーナがアルテミュラーを庇ってガイエルの放つ矢を受け命を落としたため、怒りのあまり魔剣アルハザードを握ってボーゼル(PS2版では“アルテ・ボーゼル”)となったアルテミュラーによってガイエルは一瞬で殺され、自身もアルテミュラーのブラストを受けて高いところから転落。死亡したと思われたが…。
新ボーゼル誕生
パウルはそれでも自業自得であることを嫌い、自分の非を絶対に認めようとしなかった。
自らの死期を悟り、アルテミュラーを怨みながら生死を彷徨っていたところ、何処からか声がした。
混沌の王カオス…停滞を破壊し、混沌の世に戻そうとする神である。彼からアルテミュラーに対する復讐の話を持ちかけられたパウルは、その誘いを受けると同時に人間であることを捨てて、闇の皇子ボーゼルとなった。
そして同じく自分の非を認めないまま死んだ為、カオスの手で人間を捨てた魔族となったガイエルを部下に迎え、カオス復活の儀式として一人の女性を生贄に捧げることにした。
それを知って、ディハルト達と共闘したアルテミュラーは自分が招いた結果だと自覚してか「恨みがあるなら私だけに晴らせ!」と説得するが、ボーゼルとなったパウルは、カオス復活の暁にアルテミュラーには惨たらしい死を与えると言い返す。
その言葉を受け、アルテミュラーの部下・エマーリンクは「何処まで曲がった男だ…!」と怒りを露にしていた。
結果的にはディハルト・アルテミュラーの軍勢に敗れてカオス復活に失敗したボーゼルは、聖剣ラングリッサーを必ず奪うと宣言して倒れた。
その後
混沌の王カオスや魔剣アルハザードが存在している限り、ボーゼルは例え何度も倒されようがいくらでも復活できる。
『ラングリッサーⅢ』の後の時代である『ラングリッサーⅠ』では、自身を崇拝する狂信者であるニコリスとナーギャがダルシス帝国の皇帝ディゴスを洗脳し、ラングリッサーを奪わせることで復活するが、レディン達バルディア軍によって敗れる。
その後の『ラングリッサーⅡ』ではアルハザードの真の力を復活させる為にラーナを洗脳してダークプリンセスにし、ラーナの双子の妹リアナを捕え邪魔な光輝の末裔を排除する為にベルンハルト率いるレイガルド帝国と手を結んだ。
さらに『デア・ラングリッサー』では、人間と魔族の間に生まれたソニアに目を付け、人間を捨てた魔族にしようと憎悪を植え付けては光輝の末裔を苦しめる。
光輝ルートでは展開によってはアルハザードの封印を解く前に光の末裔に倒され、アルハザードの封印を解いた場合でもベルンハルトにアルハザードを奪われ倒された。
帝国ルートでは帝国と光の末裔の戦いに乗じて封印を解いたアルハザードを手にヴェルゼリアに帰還するが、追ってきた帝国軍に倒された。
『ラングリッサーⅣ』では自らを“魔術師フェアラート”と名乗り、ギザロフが持つ賢者の水晶(ラングリッサーとアルハザードが融合した結晶体)を狙って暗躍。
Aルートではギザロフと対立するカコンシス王国を利用してギザロフと戦わせ、敗れたギザロフが逃げる際に置き忘れた賢者の水晶を手に入れ本拠地に帰還。アルハザードの封印を解きカオスを復活させた。
しかし、カコンシス王国に身を寄せていたランディウスに倒された。
Cルートではギザロフ軍を解雇された自称・天才魔軍師アイヴァーをそそのかし、ギザロフがジェシカと戦っている隙に賢者の水晶を奪わせた。
しかし、落ちこぼれ魔族リスティルとナールを味方に付けたランディウスに敗れ、召還したカオスも封印された。
ちなみに、ⅡとⅣでは主人公とその仲間をヴェルゼリア軍に勧誘して配下に加え、自らの野望を成就させるルートがある。
もう一人のボーゼル
同社の過去作「エルスリードシリーズ」(『エルスリード』『ガイアの紋章』『ガイフレーム』)にもエルスリード王国の隣国ヴェルセリア王国の国王で闇の王として登場している。
当然ライバルはエルスリード王国国王にして光の王のジークハルト。
なおSRPGと言う言葉さえ存在さえしなかった時代の作品なのでそれ以上の設定は存在しない。
ついでにボーゼルもジークハルトもユニットとしては登場せず、全面クリアしたところで「ボーゼル(ジークハルト)が討たれた」と言う描写も無い。そもそもイベントシーン自体が存在しない。
唯一ストーリー性のある『ガイフレーム』は『ガイア』より4000年も未来の話でロボットに乗って戦う世界なのだが、科学と魔法が共存する世界と言う事で、最後に復活してラスボスをやっている。
古いファンから関連性を指摘されていたが、『ラングリッサーIII』で上記の設定が明かされたことで別人(良くてパラレルワールド)と言う事が確定した(ついでに『ガイフレーム』に付属した4000年年表にはラングリッサーを思わせる事件は載っていない。まぁラングリッサーを作る事さえ考えていなかった時代なので仕方が無いが)。
余談
- シリーズを通してボーゼルの声を担当した塩沢兼人氏が2000年に逝去後、リメイク版等でそれぞれボーゼルの後任を務めた井上和彦氏と森川智之氏は、以前にもそれぞれ塩沢氏が声を当てたキャラクターの声の後任を務めた事がある。