M-1とは、2001年から開催されている、漫才日本一を決める企画「M-1グランプリ」のことである。2010年に一旦終了したが、2015年から再び開催されている。
概要
島田紳助が「漫才への恩返し」を目標に企画・プロデュースを担当し、自らも大会実行委員長兼審査委員長として、番組に積極的に参加していた。
主催は吉本興業と朝日放送テレビ(ABCテレビ)の共催(第10回までは吉本興業の単独主催)。テレビ中継はABC(2018年からはABCテレビ)の制作で年末のゴールデンタイムに全国ネットで放送される。2005年開催の第5回からはテレビ朝日が制作協力に加わり、テレビ朝日第1スタジオから決勝戦の模様が生中継されている。
また大会スポンサーとしてオートバックス(第10回まで)、Cygames(第11回〜)、サントリー(第12回〜)、日清食品(第11回〜)、ファミリーマート(第11回〜)、ユニクロ(第11回のみ)が特別協賛している。
2001年にスタート。コンセプトは「単純におもろい奴を決めるコンテスト」であるが、もう一つのコンセプトは「漫才師を辞める切っ掛けを与える」である。島田の持論として「才能がないのにいつまでも芸能界にいる者が一番不幸」「10年たって決勝に上がれない奴は辞めなあかん」というものがあり、大会当初から、唯一の出場条件に「結成10年以内」(第11回からは結成15年以内)と付けたのもこの為である。
審査員もなかなか受けてもらえる相手がなく難航していたが、上沼恵美子には島田自らが頭を下げて依頼している。
余談であるがテレビ朝日が制作に加わる以前は東京ビッグサイトの目と鼻の先にあるパナソニックセンター有明スタジオから生放送されていた。また放送当日の昼にスタジオ外の特設会場で敗者復活戦が行われていたため冬コミ帰りの見物客もちらほら見受けられ、自身もアニメオタクである司会のはりけ〜んず・前田がそのことをイジっていたと言う。
終了と復活
2010年の第10回大会の準決勝終了後、「漫才が隅々まで広まった」ということから、10回目という区切りをもって発展的解消の形として終了することが決定。2011年以降は全国区の漫才賞レースとしては舞台をフジテレビに移し「THE MANZAI」が開催されていた。
ところが2014年、朝日放送はM-1を2015年冬に復活させることを発表(当初は「THE MANZAI」と並行する形で2015年夏に開催される予定だった)。大会が無い4年の間にラストイヤーを迎えてしまったコンビへの救済措置も兼ねて、出場資格が「結成10年以内」から「結成15年以内」に拡大される形となった。
歴代M-1チャンピオン
開催年 | 優勝コンビ | 所属(優勝当時) | 結成年 | 出場組数 |
---|---|---|---|---|
2001年(第1回) | 中川家 | 吉本興業大阪 | 1992年 | 1,603組 |
2002年(第2回) | ますだおかだ | 松竹芸能 | 1993年 | 1,756組 |
2003年(第3回) | フットボールアワー | 吉本興業大阪 | 1999年 | 1,906組 |
2004年(第4回) | アンタッチャブル | プロダクション人力舎 | 1994年 | 2,617組 |
2005年(第5回) | ブラックマヨネーズ | 吉本興業大阪 | 1998年 | 3,378組 |
2006年(第6回) | チュートリアル | 吉本興業大阪 | 1998年 | 3,922組 |
2007年(第7回) | サンドウィッチマン | フラットファイヴ | 1998年 | 4,239組 |
2008年(第8回) | NON STYLE | よしもとC.A.大阪 | 2000年 | 4,489組 |
2009年(第9回) | パンクブーブー | よしもとC.A.東京 | 2001年 | 4,629組 |
2010年(第10回) | 笑い飯 | よしもとC.A.大阪 | 2000年 | 4,835組 |
2011年〜2014年 | (開催されず) | |||
2015年(第11回) | トレンディエンジェル | よしもとC.A.東京 | 2004年 | 3,472組 |
2016年(第12回) | 銀シャリ | よしもとC.A.大阪 | 2005年 | 3,503組 |
2017年(第13回) | とろサーモン | よしもとC.A.東京 | 2002年 | 4,094組 |
2018年(第14回) | 霜降り明星 | よしもとC.A.大阪 | 2013年 | 4,640組 |
2019年(第15回) | 5,040組 |
※吉本興業は2008年~2018年までタレント所属事務所が「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」に移行しており、便宜上「よしもとC.A.」と記載する。
ルール
上記にあげたように、結成から出場資格の許す限りならプロ・アマ関係なし!
年齢・国籍・男女・人数・経歴等なんでもOKな大会である。
それこそベテラン芸人が即興で組んだコンビだろうが条件を満たすので出場可能なのだ。
予選
8月上旬(初期は9月上旬)から11月中旬(第10回までは12月上旬)にかけて全国各地で行われる。
1回戦
全国の主要都市で開催される。ネタ時間は2分。
1回戦に限り複数回受けることが可能である。
なお前年度準決勝以上進出者には翌年度のシード権があり免除される。
しかし歴代の王者には出場資格の許す限り免除される。
2回戦
ここから東京と大阪に絞られ、負けたら終わりのサバイバルが開始する。ネタ時間は3分。
第8回からネタ順等の理由で敗退したコンビから協議で数組復活の追加合格制度が存在する。
3回戦
ネタ時間は3分。2回戦とほぼ同じだが、追加合格制度は3回戦が第5回と早かったりする。
準々決勝
第10回から導入された東京と大阪による2日の激戦である。ネタ時間は4分。
第10回のみこの激戦に敗れた者は敗者復活戦に戦いの場を移す。
準決勝
決勝の2週間前(第4回まで4週間前)に行う数少ない切符を奪い合う激戦である。ネタ時間は4分。
なおこの切符は、第1回は10枚・第2回〜12回は8枚・第13回以降は9枚である。
第2回からこの激戦に敗れた者は敗者復活戦に戦いの場を移す。
敗者復活戦
第2回から導入の100人の一般と5人のプロによる審査で行われる地獄の戦い。この戦いを制した者は毎回決勝で台風の目になった。そして敗者復活から優勝した者やブレイクした者もいた。
ネタ時間は第10回までは4分、第11回以降は3分。なお、第11回以降は視聴者投票が新たに導入されている。
開催年 | 復活コンビ | 所属(当時) | 結成年 | 出場組数 |
---|---|---|---|---|
2002年(第2回) | スピードワゴン | M2カンパニー | 1998年 | 45組 |
2003年(第3回) | アンタッチャブル | プロダクション人力舎 | 1994年 | 59組 |
2004年(第4回) | 麒麟 | 吉本興業大阪 | 1998年 | 53組 |
2005年(第5回) | 千鳥 | 吉本興業大阪 | 2000年 | 57組 |
2006年(第6回) | ライセンス | 吉本興業東京 | 1996年 | 55組 |
2007年(第7回) | サンドウィッチマン | フラットファイヴ | 1998年 | 57組 |
2008年(第8回) | オードリー | ケイダッシュステージ | 2000年 | 58組 |
2009年(第9回) | NON STYLE | よしもとC.A.東京 | 2000年 | 59組 |
2010年(第10回) | パンクブーブー | よしもとC.A.東京 | 2001年 | 67組 |
2011年〜2014年 | (開催されず) | |||
2015年(第11回) | トレンディエンジェル | よしもとC.A.東京 | 2004年 | 20組 |
2016年(第12回) | 和牛 | よしもとC.A.大阪 | 2006年 | 18組 |
2017年(第13回) | スーパーマラドーナ | よしもとC.A.大阪 | 2003年 | 20組 |
2018年(第14回) | ミキ | よしもとC.A.大阪 | 2012年 | 16組 |
決勝
上記の予選を勝ち抜いたコンビに敗者復活組を加えた戦いが...
7人のプロによる厳しい審査で行われる。
ファーストラウンド
持ち時間4分の間で漫才を行う(フリップやギター等の小道具の持込は可能)。
審査員が100点満点で審査し、上位3組が最終決戦に進出となる(第1回のみ上位2組)。
最終決戦
ファーストラウンドとは違う新たな漫才ネタを披露する。
全ネタ披露後、審査員全員の記名式投票で優勝者を決定する。
なお同点票が出た場合はファーストラウンドの上位のコンビが勝者となる。
余談
なお、第1回のみ一般審査員の審査もあったが、以降は廃止されている。
また第13回からは「笑御籤(えみくじ)」が導入された。
- 理由は「9番=敗者復活有利説」のためである。
- くじはネタ開始前にやるため、いつ呼ばれるかわからない!まさに運試し!
賞品
優勝商品はトロフィーに賞金1000万円。
並びに副賞として、第10回まではオートバックスセブンのカー用品100万円分と向こう1年間のCM出演権、第11回以降はファミリーマートのプレミアムチキン1,000本などが贈られる。
だがそれ以上に、「翌年の大ブレイク」が約束されるという事が最大の優勝賞品であろう。たとえ優勝できずとも、決勝進出で注目を浴び、翌年以降仕事が急増する芸人も多い。それらの事は「M-1バブル」「M-1効果」と言われている。
Pixivでは
基本的に決勝に進出した芸人のイラストにこのタグが付くことが多い。
2009年には物凄く印象に残ったネタのイラストにもこのタグが付くようになった。
なお、別の意味として、「魔法少女のグランプリ」にこのタグをつけているイラストも見受けられる(漫才の大会としてのM-1とは無関係と思われる)。
リンク
関連タグ
THE_MANZAI…M-1休止期間中、漫才日本一を決めるコンテストとして復活していた。