CV:石川英郎
人物像
特異災害対策機動部二課の司令官(後にタスクフォースS.O.N.Gの司令に就任)。
人類守護のため日夜戦い続けている屈強な司令官にしてシンフォギア装者風鳴翼の叔父。
元は公安警察官だったが、前責任者である翼の祖父・風鳴訃堂が10年前のイチイバル紛失の責任を取って辞任した後、二代目司令として抜擢された経緯がある。
指揮官としては、理論や理屈よりも自身の勘を優先させた戦術指揮を得意とする。
後述した通り、自身も稀代の豪傑ではあるのだが、一度敗北してしまった際に、指揮系統が完全に麻痺したことを受けてか、以降は自重し後方に控えている。一方で、堅苦しい雰囲気を嫌い普段はネクタイを胸ポケットに入れており、公的な場でのみネクタイを正す。
映画鑑賞を趣味としており、勤務時間の最中に外出してレンタルビデオショップにビデオを借りに行き、アクション映画をシンフォギア装者の戦術マニュアルとするなど、映画に対する思い入れは筋金入り。
それと同時に正体不明の武術の使い手でもあり、その気になればシンフォギアを纏った翼の剣戟すら拳一つで止める、六人の装者による波状攻撃を完全に捌き切る、ネフシュタンの鎧を纏ったフィーネすら素手でぶっ飛ばせる程の身体能力を発揮する(AXZ8話では、暁切歌も「相手が人間かどうかは疑わしいのデス!」と発言している)。
しかし、特異災害対策機動部二課が相手取るノイズに対しては、触れた対象を炭素と砕くノイズの特性から真価を発揮することは出来ない(一方で、震脚で地面を隆起させることでノイズの攻撃を阻むなどの防御は可能)。
彼の振るう武術はアクション映画の模倣の結果会得した物であり、響に懇願された際に彼女の武術の師匠となるが、その修練の中には前述のアクション映画の模倣も入っていた。
本人曰く「男の鍛錬は食事と映画鑑賞と睡眠だけで十分」との事だが、その趣味によって培われた身体能力は、「もはや趣味と呼べる域を大きく越え、刑法(銃刀法?)どころか憲法(戦力の不保持?)に抵触しかねないレベル」とすら称されている。
その為、彼の力を表現する際には「常軌を逸した戦闘能力」、「生きとし生けるものの中で最強の男」など、何かと物騒な言葉が付きまとう。
そんな弦十郎も実父には完全なまでには及ばず、『XV』で父の暴走を止める際に実力行使に出た際は、ある程度優勢だったものの、齢100歳を越える男を相手に完封とはいかず、最終的には敗北を喫した。父への情から手刀を拳に切り替えるというほんの少しの手心を加えた隙を突かれたとはいえ、その点は僅かな隙を作ったのは「甘さ」として父本人に指摘されている。
劇中曲
英雄故事
作詞:黄霑/作曲:黎小田/編曲:岩橋星実/歌:石川英郎、悠木碧
兼ねてよりキャラクターソングを希望していた石川氏の念願が叶い、「G」9話にて遂に劇中歌の歌唱が実現。
この曲もジャッキー・チェンが手掛けた実在の洋画「ポリス・ストーリー/香港国際警察」の主題歌であり、弦十郎の映画への愛着が伺える。
また、この曲の歌われた「G」9話の予告文は、前半がまるまるこの曲の1番の歌詞になっている。
「AXZ」でも曲名が表記されたテープのみが映されたが、流す場面が描かれなかったことについては、直後のCMから許諾を得ていなかったからではないか?という疑惑が持たれている。
ちなみに「ポリス・ストーリー/レジェンド」の公開に際し、日本で上映を行うTOHOシネマズのお偉方が、「G」のBDをジャッキー本人にプレゼントするという珍事が発生。
もし実際に視聴されれば、英雄故事のシーンがご本人の目に留まることになる。
シンフォギアXD
装者達が異なる世界を渡り歩く戦いを描く戦姫絶唱シンフォギアXDでも、引き続き司令として活躍している。なお、この作品では並行世界の弦十郎達が観測されているが、アクション以外のジャンルに嵌った彼の姿を見ることが出来る。
ある者はミステリー映画にのめり込んだため肉体の修練に至らず、ある者はSF映画に感銘を受けて発明三昧の日々を送っているなど、何かにのめり込む性格以外は変化が見られる。誰が呼んだか、付いたあだ名はイーブイ。
結局、思い込みとやる気さえあれば、何でもできる人ということだったのだろうか?一方で、一部の世界では殉職したと示唆される世界もある。
そしてとうとう別世界の存在とはいえRN式回天特機装束を得て、さらにヤバイ存在になってしまった…。
まあそもそもゲームのOP映像でも、連打を繰り出すシーンが描かれていたので、暴れる気満々だったわけだが。
ちなみに本編世界の弦十郎も相変わらずぶっ飛んでおり、ギアの実験のために自分の趣味を交えた訓練を行ったことも…………。
ギャラルホルン編最終章では、装者不在の中本部を襲撃してきたウロボロスの軍団に対したった一人で応戦し、圧倒的な力で次々と撃破するという相変わらずのトンデモぶりを見せつけた(敵は触れても炭素転換されないとはいえ全員カルマノイズの力を宿した凄まじい戦闘力の持ち主であった)。その強さは敵のNo2である幹部をして『規格外』と言わしめ、味方のミーナからも唖然とされていた。
余談
シンフォギア本編の脚本を担当する金子彰史氏がかつて手がけたゲームには彼のような超人的なキャラクターが幾度か登場しており、彼らが総じて「大人」としての矜持を掲げている事から、それに因んでファンの間では彼らのようなキャラクターをOTONAと呼んでいる。
ちなみに石川氏は以前、そのシリーズのドラマCDにてダメ成人(おとな)として愛されている(?)キャラクターを演じていた。
また、弦十郎を演じる石川英郎氏、緒川慎次を演じる保志総一朗氏、藤尭朔也を演じる赤羽根健治氏はそれぞれOVA版ゲッターロボの流竜馬、機動戦士ガンダムSEEDのキラ・ヤマト、真マジンガーの兜甲児を演じており、特異災害対策機動部二課の男性陣はスーパーロボット大戦シリーズにおける「御三家」の主人公で構成されている事になる。
「XV」での発言から風鳴八紘以外にも兄弟がいる模様。名前から察するに十人兄弟なのかもしれない。血の濃い子孫を残すことに執着する節のあった訃堂の性格を見れば、そう不思議ではないが。