概要
南海8000系(2代目)の発展型・増備車として2015年に登場した車両。
機能面は8000系をベースに改良が加えられており、南海で初めて案内表示器に液晶ディスプレイを採用したほか、製造当初から自動放送装置を搭載している。
製造メーカーは南海としては久々の近畿車輛への発注となった。外観は8000系の標準仕様ガイドラインに基づいた標準規格ではなく、近畿車輛のレーザー溶接適用によるステンレス構体を採用し、JR西日本の321系のような張り上げ屋根となった。
走行機器は南海標準の日立製制御装置と、本系列では東洋電機製造製モーターの組み合わせとなった。特筆事項として、主電動機は狭軌用の全閉内扇形誘導電動機を、国内で東武60000系に次いで採用している。
ブルーとオレンジのラインは、8000系の場合は塗装となっていたが、当形式では塩ビ粘着フィルム貼り付け仕上げになっており、扉の部分のラインを省略している。
4両編成と2両編成が在籍。
- 4両編成はクモハ8300+サハ8600+サハ8650+クモハ8400。
- 2両編成はクハ8700+クモハ8350。
となっている。
8000系と同様に12000系と併結でのサザン運用が可能とされているが、現時点での運用実績はない。
投入路線と運用
| 1次車(荷物スペースなし) | 荷物スペースあり・2次車以降 | 荷物スペースなし・2次車以降 | |
| 4両固定編成 | 8301 8302 8303 8304 8305 | 8306 8307 8308 8309 8310 8311 | 8312 8313 8314 8315 |
| 2両固定編成 | 8701 8702 8703 8704 8705 8706 8707 8708 8709 8710 8711 8712 | 8713 |
- 1次車・4両編成5本は2015年製造。このグループは南海本線系統で運用される。戸袋部分に灰色の大型フィルムが貼りつけてあったが、このフィルムは2次車以降省略された。
- 2次車以降の「荷物スペースあり」の編成は7100系の老朽化に伴う代替車両で、南海本線系統向けに新造。関西国際空港のインバウンド需要に対応すべく、一部の戸袋部分に荷物スペースを設けた。
- 2次車以降の「荷物スペースなし」の編成は6000系のメンテナンス問題に伴う代替車両で、南海高野線向けに新造。高野線・橋本駅以北の平坦区間と泉北高速鉄道線で運用される。
編成表
4両編成
← 難波関西空港・和歌山市・橋本・和泉中央 →
| 形式 | モハ8300 | サハ8600 | サハ8650 | モハ8400 | 所属路線 | 製造年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| MT構成 | Mc1 | T1 | T2 | Mc2 | ||
| 第1編成 | 8301 | 8601 | 8651 | 8401 | 南海本線 | 2015年 |
| 第2編成 | 8302 | 8602 | 8652 | 8402 | 南海本線 | 2015年 |
| 第3編成 | 8303 | 8603 | 8653 | 8403 | 南海本線 | 2015年 |
| 第4編成 | 8304 | 8604 | 8654 | 8404 | 南海本線 | 2015年 |
| 第5編成 | 8305 | 8605 | 8655 | 8405 | 南海本線 | 2015年 |
| 第6編成 | 8306 | 8606 | 8656 | 8406 | 南海本線 | 2017年 |
| 第7編成 | 8307 | 8607 | 8657 | 8407 | 南海本線 | 2017年 |
| 第8編成 | 8308 | 8608 | 8658 | 8408 | 南海本線 | 2018年 |
| 第9編成 | 8309 | 8609 | 8659 | 8409 | 南海本線 | 2018年 |
| 第10編成 | 8310 | 8610 | 8660 | 8410 | 南海本線 | 2019年 |
| 第11編成 | 8311 | 8611 | 8661 | 8411 | 南海本線 | 2019年 |
| 第12編成 | 8312 | 8612 | 8662 | 8412 | 高野線 | 2019年 |
| 第13編成 | 8313 | 8613 | 8663 | 8413 | 高野線 | 2019年 |
| 第14編成 | 8314 | 8614 | 8664 | 8414 | 高野線 | 2019年 |
| 第15編成 | 8315 | 8615 | 8665 | 8415 | 高野線 | 2019年 |
| 備考 | 弱冷車 | 8両編成4号車の場合、女性専用車。 |
2両編成
← 難波関西空港・和歌山市・橋本・和泉中央 →
| 形式 | クハ8700 | モハ8350 | 所属路線 | 製造年 |
|---|---|---|---|---|
| MT構成 | Tc1 | Mc1 | ||
| 第1編成 | 8701 | 8351 | 南海本線 | 2016年 |
| 第2編成 | 8702 | 8352 | 南海本線 | 2016年 |
| 第3編成 | 8703 | 8353 | 南海本線 | 2016年 |
| 第4編成 | 8704 | 8354 | 南海本線 | 2016年 |
| 第5編成 | 8705 | 8355 | 南海本線 | 2016年 |
| 第6編成 | 8706 | 8356 | 南海本線 | 2016年 |
| 第7編成 | 8707 | 8357 | 南海本線 | 2017年 |
| 第8編成 | 8708 | 8358 | 南海本線 | 2017年 |
| 第9編成 | 8709 | 8359 | 南海本線 | 2018年 |
| 第10編成 | 8710 | 8360 | 南海本線 | 2018年 |
| 第11編成 | 8711 | 8361 | 南海本線 | 2019年 |
| 第12編成 | 8712 | 8362 | 南海本線 | 2019年 |
| 第13編成 | 8713 | 8363 | 高野線 | 2019年 |
