概要
敵連合に所属するヴィラン。
一切の感情を見せず、不気味な雰囲気を漂わせている。また、自発的に行動する事が出来ず、死柄木弔などに命令されて初めて動き出す一方通行のコミュニケーションしか取れない模様。
しかし、平和の象徴であるオールマイトと渡り合い、ヒーローに囲まれた状況で彼等を圧倒するなど、極めて高い戦闘能力を持つ。
劇中では複数の個体が登場し、いずれも甚大な被害をもたらした。見た目上の共通項として「脳らしき器官がむき出しになっている」「上半身裸で裸足」などがある。
正体
その正体は、敵連合のブレインである「先生」ことオール・フォー・ワン(AFO)の「個性を奪い、与える」個性とDNAの混成や薬物などによる改造で無理矢理複数の個性を与え、人工的に作り出した「改造人間」。
同じく彼の直属の部下である「ドクター」は「先生とワシの共作」と表現しており、個性を与える以外の工程はドクターが手がけており、AFOが逮捕された事で粗製乱造は出来なくなったが、それでもドクターの保有する「個性複製」の技術によって少数だが量産は続けられていた。
本来、馴染み浸透する個性でもない限り一人の人間が複数の個性を宿すことは不可能に近いが、AFOの個性と人体改造によってそれを無理矢理可能としている。しかし、生きた人間ではその負荷に耐えられず物言わぬ人形のようになってしまう為、一定の行動(誰かの命令に従う、尋問された際は気絶するなど)をプログラミングした人間の遺体を使うという悍ましい方法でこれを解決した。
更にドクターは病院の理事長という表向きの顔を持っているため、運び込まれた遺体をすり替え、脳無として蘇生することも出来た。
人間の尊厳を徹底的に踏みにじる実態にグラントリノからは「悪意の塊」とまで言われている。
一定の種別が存在し、主に個性所有数と改造強度によって「下位」「中位」「上位」に分けられ、そのレベルが最も高い個体として「ハイエンド(最高位)」が存在する。
今迄に登場した個体
CV:最上嗣生(USJ襲撃の個体、保須市襲撃の個体、福岡襲撃のハイエンド共通)
- 最初の脳無(USJに現れた個体)
作中最初に現れた脳無。
筋骨隆々の肉体と黒い体表が特徴の個体(メイン画像)。黒い肌と大きい口が特徴。敵連合がUSJを襲った際に死柄木弔や黒霧と共に現れた。
個性はオールマイトの100%のパワーすら防ぎきる『ショック吸収』と、破壊された側から肉体を再生させる『超再生(アニメでは超回復)』。また、オールマイトと渡り合う程のパワーを持ち、イレイザーヘッドは個性を消せなかった事から個性による増強ではなく元々のパワーが凄まじいのではと推測している(「改造」の成果によるものか、異形型のような消せないタイプの個性を与えられているのかは不明)。
その高い戦闘力でイレイザーヘッドを圧倒し、重傷を負わせた。
最終的にはオールマイトの連続パンチを食らって外まで吹き飛ばされたものの、しぶとく生存しており、警察に身柄を拘束された。警察による身体検査や調査によれば、元は恐喝などの前科を持つタラコ唇が特徴のチンピラにすぎない人物であった。
後に上位の個体であることが判明し、このレベルの個体は最低でも常人の10倍以上のパワーを有している。
- 顔の無い脳無(保須に現れた黒い個体)
保須市で暴れた三体のうちの一体。頭部に上顎や目が無い以外は上記の一体目と似た姿をしている。
個性は不明だが、片腕でヒーローを押さえ込み、もう片方の腕で別のヒーローを投げ飛ばしている描写がある事から、パワーに関連した個性の可能性がある。アニメでは『超再生』の個性も持っていた。
本誌では描写されていなかったが、アニメオリジナルのシーンでエンデヴァーと交戦し、頭部を高温の青い炎で焼かれ、細胞が壊死したことで再生が出来ず倒される。
原作でもエンデヴァーの後の回想により【最初の脳無】と同じような「再生能力」が備わっていた事も判明した。
- 四ツ目の脳無(保須に現れた四ツ目の個体)
保須市で暴れた三体のうちの一体。肌色は薄緑色。長身痩躯かつ手足が異様に長く、動きが素早い。グラントリノ、エンデヴァーと交戦し倒された。その後は、上記の個体と共に警察に身柄を引き渡されたものと思われる。
個性は吸収と放出(火限定?)、全身を肥大化させて筋力をあげる、口から枝分かれに増殖する触手(舌?)を出す。
後に下位の個体であることが判明した。
- 翼の脳無(保須に現れた翼の有る個体)
保須市で暴れた三体のうちの一体。肌色は黄土色。背中から生えた羽で飛行する個性を持つほか、物を掴むのに適した鳥のような形状の足も特徴の一つ。
上顎が無い個体と共に駅前で暴れ、ヒーローを掴みながら飛び回っていた。逃げ去ろうとするがエンデヴァーの火炎槍をくらい左目を負傷(アニメオリジナルのシーンより)、ステインとの戦闘で疲労した緑谷を上空から攫ったが、血が流れ落ちたことでステインの凝血で動きを封じられ、頭部を斬られて殺害された。
ちなみに登場した7巻で、作者の堀越先生はこの個体とその行動についてそれとないヒントを提示している。
- 工具腕の脳無(林間合宿に現れたヘッドギアを付けた個体)
林間合宿襲撃の際に死柄木が荼毘に貸し与えた個体(荼毘曰く「俺仕様」)。肌色は青緑色でバイザーと一体化したヘッドギアとビットギャグを装着している。
個性は背中からチェーンソーやネイルハンマー、ドリルといった工具がくっついた6本の腕を生やす。
これまでの個体より僅かに知性が有り、「ネホヒャン!(猫ちゃん?)」と叫んでいた。
ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツのメンバー・ラグドールを襲い、直後遭遇した八百万と泡瀬に襲いかかるも、荼毘から撤退命令が出されたことで立ち去るが、その隙に八百万が生み出した発信機を泡瀬の溶接によって体に埋め込まれ、敵連合のアジトを突き止めるきっかけとなった。
その後工場で休眠状態になっていたところをベストジーニストらヒーローたちによって捕縛され、自身は巨大化したMt.レディに捕まるが、AFOの攻撃に巻き込まれて消滅した。
後に中位の個体であることが判明した。
- 量産型
工場に保管されていた個体たち。いずれも肌色・姿はバラバラ。
工具腕の個体同様ヒーローたちに捕縛されるも、AFOの『転送』で敵連合のアジト周辺に送られて動き出し、現場を混乱させるが、エッジショットやエンデヴァーによってすべて倒される。
「神野の悪夢」後においてもハイエンドの「格納」から複数の個体が出現した。
- フード(福岡に現れた最高位の個体)
「神野の悪夢」からしばらく経って現れた黒い肌の個体。ハイエンドと呼ばれる最高位の脳無で、フードを被ったような異様に長く見える首、側面の皮膚がボロボロに破れ、筋繊維が剥き出しになっている。
首の奥から顔を覗かせており、素顔は脳の上に歪な形状の目が付いており、その下に細長い歯が生えている。
片言であるが喋れる知性、自らの状況を即座に理解する思考能力を持っている。
『筋肉増強』、『超再生』、『肩部のジェット機構』、『変容する腕』、『格納』といった多くの個性を持つ。
福岡の市街地にてNo.1ヒーローとなったエンデヴァー、No.2ヒーローのホークスと交戦。複数の個性を用いた圧倒的な力でエンデヴァーを追い込むが、最後まで全力を出した彼の「PLUS ULTRA プロミネンスバーン」によって撃破される。
エンデヴァーはこの個体と交戦したことで【黒い個体はいずれも再生能力を持つ特別性】と推測し警戒している。
後に身体検査や調査によれば、元は地下格闘場のファイターだったことが判明している。
更に(フード襲撃の時系列前にあたる)ドクターの研究室にはフードの他に姿が異なる11体のハイエンドがカプセルの中に眠っており、ドクター曰く「マスターピース(最高傑作)」に近づいていると明かしている。
プロヒーローによるドクターの病院の強制捜査では複数の個体が目覚め、ミルコ、クラストと交戦。
- ジョンちゃん
ドクターの研究室で登場した個体。小柄かつ上半身だけで、下がケーブルで繋がれている。腕が足代わりとなっている。
頭部の周りにプラスチックのヘルメットを装着し、脳の各所にコードが刺し込まれ、先端のダイヤルを捻ることで個性が発動する。
AFOが使っていた『転送』を持っており、臭気を伴う黒い液体をゲートとして、対象の人物を転送する。
プロヒーローによるドクターの病院の強制捜査で、ミルコが吹き飛ばした研究室のドアに潰された。
- モカ
ドクターの研究室で登場した個体。ジョン同様小柄だが頭の部分に足が付けられ、人の鼻が耳で、脊髄が尻尾になっている。
トゥワイスの『二倍』を持っており、耳からドクターのコピーを作ろうとしたがミルコに蹴り飛ばされた。
関連イラスト
ピクシブ上ではUSJ襲撃の個体が描かれることが多い。
関連タグ
ネタバレ注意:ある人物の遺体を元に改造された脳無の一体であることが判明している。
センチネル:同じく量産戦闘兵器のヴィラン