概要
「死にゆく星の心臓」ことウルと言う特殊金属によって作られており、長さは60cm。オーディンの魔力によって生成されている。
稀に見るとんでもない超兵器でもあり、ソーの強さの根源と言っても過言ではない(これなしでも元が戦神なので十分強いが)。そのあまりの高性能と破壊力から、「キューブ」同様「オメガ級兵器」としてみなされている。落としただけで地球が滅ぶと言われることもあるらしい(情報拝借)。なお、完全なワンオフ武器ではなく、量産とは言わずもある程度製造されている。アニメ版など一部で形状に差があり、トゲやトンカチ状のハンマーの片側に斧が付いているケースも。
極めて高い強度と質量および威力に反比例した取り回しの良さを誇り、ソーと同等以上の高潔な心の持ち主でなければ持ち上げることが出来ないという高度なセキュリティがかかっている。
今まで鎚に認められた使用者は決して多くはない。アベンジャーズ内ではスティーブ・ロジャースと、ソーが死亡した世界線ではブラックウィドウのみが運用経験があり、キャップレベルの高潔さを持ち合わせなければ無用の長物と化す。ハルクは除くが。
- 今まで持ち上げた事があるのは、クロスオーバーも含めて、ベータ・レイ・ビル、ジェーン・フォスター、キャプテン・アメリカ、ブラックウィドウ、ストーム、ビジョン、コナン・ザ・バーバリアン、オウサム・アンディー、デッドプール (ただし偽物のハンマー)、ハルク、スーパーマン、ワンダーウーマン。
- ちなみに、「ソーが持っている状態なら、ソーごとであれば持ち上げられる」「宇宙空間ではそもそも持ち上げる必要が無いので普通に振り回せる」という点がハルク誌で判明しており、レッドハルクにこの方法で奪い取られたムジョルニアでソーが叩きのめされてしまった事もある。
普段は足に障害のあるドナルド・ブレイクの杖の姿になっており、これを地面に叩きつける事でムジョルニアになる。ソーへ変身するための鍵としての役割を持つ。なお、昔はアスガード以外の場所で手を離すと、60秒で元の姿に戻るという欠点があった。
攻撃面では文句のつけようがなく、天候を操り強力な自然災害を武器として使える。最も有名な雷撃に加え、隕石、地震、津波、最強クラスの竜巻などの気象操作のほか、聖なる力を使った破壊光線、神力を込めた一撃必殺の破壊光線「ゴッド・ブラスト」、非常に強大な敵や惑星サイズの物体ですら易々と瞬殺・吹き飛ばしてしまう「アンチ・フォース」、あまりの熱エネルギーの量に周囲の銀河が振動し銀河系を丸ごと焼き尽くしてしまう「サーモ・ブラスト」を発射可能とするなど、莫大な攻撃力を所持者に与える。
また、変身能力、亜空間の出入口を作り出してのテレポートや対象の透明化(超能力を持つ敵の探知も無効にする)、殺めた対象を生き返らせる事さえ可能にする。エネルギーの吸収と方向自在の受け流し(敵エネルギーの再利用)、磁力の吸収、分子レベルでの「事象」の操作、敵の武器を分解・無力化するアルファ波の放射、神力の操作、エネルギーや幻術の探知、無限のコズミック・パワーや宇宙の暗黒面のパワーへのチャンネリング、吸血鬼など不死の存在の浄化、生命力の吸収と強奪、対象の魂の強制操作、ありとあらゆるエネルギーや魔力への耐性など、非常に広範囲の能力と高性能を誇る。記憶の復活(カレンダー)、テレパシー(電話)などへの転用も可能。
実写映画版にて
実写映画版では、惑星ニダベリアのドワーフたちによって製作されたことが明かされている。
初代「マイティ・ソー」では、冒頭でオーディンにより高潔な者にしか持てないというセキュリティ魔術をかけられるシーンが登場。
ソーが地球に落とされた時は一緒に落ちてきてクレーターを作って騒ぎを起こした。
人間界に落とされたばかりで増長が治っていなかったソー(ドナルド・ブレイクとしての姿は描写されない)を拒絶していたが、映画中盤のデストロイヤー襲撃に際し、人々を守るために奮起したソーの下へと舞い戻る。
デストロイヤー撃破後はロキとの決戦に挑むソーの相棒(杖には変身しないので終始ハンマーだが)としてロキを叩きのめし、ロキが勝手に逃げ出さないよう、上に乗っけられて押さえつける重りにされる。(当然ながら高潔な精神を持たないロキは持ち上げられず、胸の上にハンマーを乗っけられた状態で唸っていた)
「ムジョルニア」というのは発音しにくい名前のようで、ソーがムジョルニアを探すシーンではダーシーに「ムニョムニョ」呼ばわりもされたりした。
次に登場するのは初代アベンジャーズ。ヘリキャリア内で暴走したハルクがソーをぶっ飛ばした後、持ち上げようとして引っ張り続けるもできない…というシーンが描写された。
キャップとソーが投げたそれぞれの得物を同時に掴み直すシーンはかっこいいので必見。
その次は「マイティ・ソー ダークワールド」に登場。ソーがダークエルフの長マレキスとの戦闘中にジェーンの開発した特異点を発見する為の装置によってマレキス共々地球内外をテレポートしながら戦う。
ムジョルニアを手に取ろうと呼び出すソーだったが、地球に出たり他所の星に現れたり次々居場所を変えるせいでムジョルニアはすっとびながらソーを求めて右往左往した。
さらにさらにその次はエイジ・オブ・ウルトロンに登場。アベンジャーズタワーでのアベンジャーズメンバーによる祝宴の最中、クリント・バートンがムジョルニアを持ち上げようとしたことでアベンジャーズメンバー男衆による(ナターシャ・ロマノフは遠慮した)ムジョルニア持ち上げ大会が開かれるという一幕があった。
クリントは失敗、プレイボーイのトニー・スタークはスーツの腕部分を持ち出してもお友達のローディと一緒に掴んでもダメ。ブルース・バナーは延々やっても持ち上がらなかったのでハルクのモノマネを急にやって誤魔化した(そしてスベった)
最後に挑戦したスティーブ・ロジャースが手に取ると、ムジョルニアは少しだけ動いた(ように見えた)。が、キャップは一瞬ソーの顔を見て、そして「やっぱりダメみたいだ」と手を離した。(ムジョルニアが一瞬動いた時にソーがこの世の終わりでも見るような顔をしていたためにソーを慮ってやめたという説がある)
誕生したばかりのヴィジョンがソーに手渡すべくムジョルニアを持ち上げたことで、結果的にウルトロンによって誕生した彼の潔白を証明したシーンもある。
ソーはシビルウォーに参戦しなかったので、次の出番は期間が大きく空いて「マイティ・ソー/バトルロイヤル」。
序盤にてスルト相手に大立ち回りを演じたが、封印が解かれて降臨したソーの姉ヘラに向けて投擲されたものの、ヘラはなんとムジョルニアを片手で受け止め、 そのままスパークを散らしながらあっさり粉砕してしまった。
補足しておくと、ヘラはオーディンの封印から復活したばかりであり、アスガルドで戦うとパワーアップする性質を持つ。 ムジョルニアが破壊された戦いは地球で行われたものであり、この時のヘラは本調子ではない可能性が高い。
それでもムジョルニアを受け止めてあまつさえ粉々にしたそのスーパーパワー、推して知るべしである。
こうして「メインウェポンであるムジョルニアを失ったソーは、その後の戦いにおいて大変苦労させられる羽目になってしまう。
こうしてバトルロイヤルでその役目を終えたムジョルニアであったが…
以下ネタバレ注意!!
インフィニティ・ウォーではサノスに対抗するためにソーがムジョルニアを鋳造したドワーフ族の星ニダベリアを訪れ、馴染みのドワーフであるエイトリに依頼して強化版であるストームブレイカーを作ってもらった。(ちなみに、ストームブレイカーの柄の部分にはとあるキャラクターの体の一部が使われている)
詳細はストームブレイカーの記事を参照。
なお「ストームブレイカー」は、原作コミックにおいてオーディンが、ムジョルニアを持ち上げるだけの高潔な精神を持つ宇宙人の戦士ベータ・レイ・ビルに与えた「もう1つのムジョルニア」の名前で、斧とハンマーを合せたような形をしている。こちらは大きさはムジョルニアに近い。
また、アベンジャーズに現代風アレンジを加えたリメイク版コミック「アルティメッツ」におけるムジョルニアは、(MCUのストームブレイカーと細部が異なるものの)細部は違うが、やはり斧とハンマーを組合せた武器で、大きさもMCU版ストームブレイカーに近い。
エンドゲームではストームブレイカーが引き続き登場する…が、なんとムジョルニアもソーの手に戻る。
『タイム泥棒作戦』において(五年間の自堕落生活でおデブになった)ソーが、自分に高潔なる精神が復活したかを確認するかのように2013年のムジョルニアを呼び出し、飛んできたこれをキャッチすることに成功。再会した母と別れを告げつつ、ムジョルニアとストームブレイカーの二つの神器を持って現代に帰還した。(当初の目的であったリアリティストーンはロケットラクーンがジェーンに針ぶっ刺して無事回収しました)
サノスとビッグ3の戦いでは、最初ソーがストームブレイカーとの同時運用でサノスに立ち向かうが、絶体絶命のピンチに陥る。
しかし…ソーにトドメを刺そうとしたサノスの背後にムジョルニアが叩き込まれる。
それを操っていたのは…キャプテンアメリカだった。
ソーは笑顔で呟く。「持てると思った!」
飛んできたムジョルニアを取ろうとして逆にムジョルニアに引きずられるなどの描写から、とても重い様に思われがちだが、実際に持っているソーやヴィジョンは軽いと述べており、キャップも軽々と持ち上げ操っていた。
エイジ・オブ・ウルトロンで机の上に置いていたり、同作の後日談で「エレベーターにハンマーを乗せたら持ち上がる」という会話があるため、持ち上がらないのはあくまでオーディンの呪術による効果で、実際は通常のハンマーと同じ重さなのかもしれない。
余談
MCUでは、ムジョルニアは登場するたびにプロップが作り直されており、基本的に過去作のものは転用しない。
MCUでマイティソーを演じたクリス・ヘムズワース氏は、毎作のムジョルニアを出演記念に持ち帰っており、自宅に何本もムジョルニアのプロップがあるので置き場に困って奥さんに怒られたことがあるそうである。