概要
オーディンが、ムジョルニアを持ち上げるだけの高潔な精神を持つ、宇宙人『コルビナイト』の戦士にして守護者ベータ・レイ・ビルに与えた「もう1つのムジョルニア」の名前で、斧とハンマーを合せたような形をしている。
こちらは大きさはムジョルニアに近い。
原作コミック
「Thor #337 (1983年)」、「バラード・オブ・ベータ・レイ・ビル」に登場。
自身の同胞たちを襲うデーモン族と戦うため、ベータ・レイ・ビルはムジョルニアを欲し、ソーとの(互いにハンマー無しでの)決闘に勝利。その権利を得る。
が、フェアな戦いではないと、不服に思い権利を自ら放棄。オーディンに相談し、新たなハンマーを作り、それが与えられる事になった。
ドワーフのエイトリにより、ムジョルニア同様に魔法の金属ウルを型に流し込み、オーディンがパワーを込めた後、熔鉱炉内へとビルが手を入れハンマーを引き出す事で完成。
ムジョルニア同様にビルを『ベータ・レイ・ソー』に変身させる。
オーディンによりハンマーはストームブレイカーと命名。ビルはソーとともに自身の同胞であるコルビナイト人の宇宙船団へ戻り、襲い来るデーモンたちと交戦。コルビナイト星の恒星を改造したポータルからデーモンが無限に発生している事を発見する。ソーとビルは互いのハンマーを合わせ、その衝撃でポータルを閉じ、デーモン発生を止める事に成功する。
その後、アスガードに帰還。戦勝祝いの席で、オーディンはムジョルニアから「ソーをドナルド・ブレイクに変身させ、ハンマーを杖に変える」魔法をストームブレイカーに移す。そこから、野獣の外観を持つビルをコルビナイト人の姿に変身させ、ストームブレイカーも杖に変形。ビルを、非戦闘時には通常の生活が送れるようにした(このため、ソーはこれ以降ドナルド・ブレイクに変身できなくなった)。
MCU
17作目『バトルロイヤル』でムジョルニアを失ったソーがサノスに対抗する為に、19作目『インフィニティ・ウォー』で途中出会ったガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーのロケット・ラクーン、グルートと共に、惑星ニダべリアで旧友のドワーフエイトリの協力で開発した。
尚、柄の部分はグルートの(腕部を変形させた)枝で出来ている。
その威力は圧倒的で、ワカンダでの戦いで優位に立ち、ストーンを全て揃えたインフィニティ・ガントレットの光線を弾き、サノスをあと一歩まで追い詰めた。
22作目『エンドゲーム』では、とある事情から再び手に入れたムジョルニアを駆使した二刀流を披露する。
『ソー:ラブ&サンダー』では、引き続きソーの相棒として登場。
ジェーン・フォスターと出会ったことで、破片状態のムジョルニアが復活しており、それを目にしたソーが、ムジョルニアに対して「会いたかった」みたいなことを言うので、無言でソーの後ろに浮かび上がったり、そっぽを向いたりと、まるで元カノに未練たらたらな彼氏にイライラする今カノ状態の行動を見せた(それに対してソーは「今はお前が相棒だ」などと言い訳している。あと、ソーからジェーン&ムジョルニアを見ると「元カノ2人がくっついた」と云う複雑な状況でもある)。
このことから、ストームブレイカー自身に意志があることがわかる。
しかしながら手にした者が使用できるという点は変わらないらしく、ソーと敵対していたゴアに奪い取られ使用された際にはソーがやめろといっても『永久』の扉へ力を注いでいた。
性能
小型のハンマーだったムジョルニアと比べて、大きめに作られた戦斧である。そのため、従来の打撃に加えて斬撃も繰り出すことが出来る。
両手でも持てるという利点が出来て、ムジョルニアと同様に投げて攻撃し、手元に引き戻す事も可能と、豪快なソーにはピッタリな武器となっている。
また、ビフレストを展開する機能も持ち、星間レベルの距離でも一瞬で移動することができる。
ただし「高潔な心の持ち主」以外にはたとえどんなに力があっても持ち上げる事が出来ないムジョルニアと異なり、ストームブレイカー自体は誰でも持ち上げる事が出来るという欠点を持つ。
『エンドゲーム』ではこれが仇となり、サノスに追い詰められたソーがストームブレイカーを引き戻した際、それに気付いたサノスがソーが掴む寸前で奪い取り、危うく胸に刃を立てられそうになった。
また、名前は上記の「コミック版の正史世界(アース616)の『もう1つのムジョルニア』」と同じだが、大きさに関してはコミック版の別世界におけるムジョルニアに近い。