ここでは『ドラえもん』のひみつ道具について解説する。『ハリー・ポッター』シリーズに登場する透明マントについては死の秘宝を参照。
概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。別名「隠れマント」。初登場回はTC1巻収録「ご先祖さまがんばれ」。
外観は白い布であるが、頭から被るとマントごと姿が消えて周りから見えなくなる。その為、誰でも簡単に透明人間として行動出来るようになる。
『ドラえもんのひみつ道具使い方事典3』の解説にて、マントは「細胞内光線通過糸」から構成された「シースルー繊維」で作られており、それらが光を完全に通過させることによって、マントを被った人物は誰からも姿が見えなくなるという仕組みであることが明かされている。
ちなみに、頭部や上半身に被せるだけで自動的に全身を透明化してくれる(2005年版「ああ、好き、好き、好き!」では、ドラえもんが頭に透明マントを被せた際、明らかに首から下(胴体や手足)が丸見えにも関わらずマントが全身を透明化しており、2011年版「そうなる貝セット」でも、ドラえもんとのび太が透明マントを被った際、明らかに下半身や足がマントからはみ出ていたにも関わらずマントが全身を透明化している)。加えて同じマントを被っている人同士はお互いの姿が見えるというかなりの便利仕様である(水田わさび版アニメオリジナルエピソード「決戦!ネコ型ロボットVSイヌ型ロボット」では、透明マントで透明になったドラえもんやパワえもん達が、お互いの姿を見ながらジェスチャーで会話している)。
おまけに赤外線アイ(暗闇でも周りが見える装置)を搭載しているドラえもんでさえマントを被っている人を見破れていない為、赤外線センサー等のセキュリティシステムに対しても効果を発揮すると考えることが出来る。
透明人間になれる道具となれば多くの読者が不埒なことを考えるだろうが、意外なことにドラえもんやのび太は主に敵や周りの人々から気づかれないように活動する等といった真面目な目的で使用していることが多い。
ただしこの道具はあくまでも姿を見えなくするだけなので、音はもちろん気配や臭い等は消し去ることが出来ない。
実際に、原作「のび太の結婚前夜」ではドラえもんとのび太が透明マントを使ってしずか達の様子を伺っていたが、ドラえもん達がうっかり大声を出してしまい、しずか達が「何か部屋の中が騒がしい」と言いながら周囲を見回す様子が描かれている。
他にも上記の「決戦!ネコ型ロボットVSイヌ型ロボット」では、ドラえもんやパワえもん達が透明マントで姿を消し、仲間が捕えられている敵の本拠地へ侵入したのだが、その際「タケコプター」で空から仲間を探そうとしたところ、タケコプターの作動音で監視ロボットや防犯装置に気づかれてしまった(ただし姿までは把握されていなかった為、ドラえもんを含む22世紀の技術で作られたロボットや、侵入者を判別する防犯装置に対しても効果を発揮すると考えることが出来る)。
ちなみに『STAND BY ME ドラえもん』では、上記の音が聞こえるという欠点を改善した透明マントが登場している。こちらは原作やアニメ版のように頭から被るタイプでは無く、肩から背中に羽織って使用するタイプである。スイッチで透明化のオン・オフの切り替えが出来るようになっており、例によってマントからはみ出ている部分があったとしても自動的に全身を透明化している。
関連道具
- かたづけラッカー
このスプレーを吹き付けると、どんな物でも見えなくすることが出来る。自分に吹き付ければ透明人間として行動出来るようになる。ただし上記の「透明マント」とは違い、こちらは4時間で効き目が切れてしまう。
ちなみに、かたづけラッカーの効果を瞬時に取り消す為の道具「ラッカーおとし」(大山のぶ代版アニメでの名称は「あらわしラッカー」)や、ラッカーの効果で見えなくなっている物を確認する為の道具「専用虫眼鏡」(正式名称不明)も存在する。
また、映画版『緑の巨人伝』では「かたづけラッカーDX」が登場しており、物体に吹き付けると、落とし主(ゴミなら捨てた人間)の元へ瞬間移動させることが出来る効果になっていた(漫画版では原作に登場するひみつ道具「落としものカムバックスプレー」を使用しており、こちらも吹き付けた物を落とし主の元へ移動させることが可能)。
- とう明ペンキ
このペンキを塗った物は何でも透明になる。自分に塗れば透明人間として行動出来るようになる。
上記の「かたづけラッカー」とは違い、こちらの透明化は効き目が切れてしまう描写は無い。しかし水性なので水で簡単に流れ落ちてしまう。
- とう明人間目ぐすり
この目薬をさすと、全身の細胞を水晶体のようにしてしまい、光の屈折率を1にすることで透明人間になれる。ちなみにドラえもんではなくドラミが取り出したひみつ道具。
こちらも上記の「とう明ペンキ」同様、透明化の効き目が切れてしまう描写は無い。しかしあくまでも透明化するのは肉体だけなので、透明人間として行動する為には全裸になる必要がある。
- かくれん棒
この棒を持った人間は周りから見えなくなる。
しかし電池式なので、一定時間が経過すると電池が切れて透明化が解除されてしまう(推定数十分程度)。
それに加えてかくれん棒自体は周りから丸見えなので、自分自身の姿は消えたとしても周囲の人々からは「変な棒が宙に浮いている」と認識されてしまう。
- ドロン巻き物
この巻物から噴き出る煙を浴びると、姿が消えて周りから見えなくなる。
基本的には上記の「かたづけラッカー」と同じタイプの道具だが、効果持続時間が極端に短い(推定数分~数十分程度)。
- ニンニンまきまき
別名「お手軽巻物」。「ニンニン修行セット」の付属品。
この道具を口にくわえて印を結べば、10分間だけ姿を消すことが出来る。それだけで無く、頭で思い浮かべた姿に変身することも可能。こちらの有効時間も10分間。
ちなみに、この道具の名称はどちらも水田版アニメで設定されたもので、原作での名称は不明。
- モーテン星
このバッジを付けると、自分の姿が他者の盲点に入ってしまい誰からも見えなくなる。効き目は1時間。
映画版『新魔界大冒険』では、改良版として「モーテン星 効き目長持ち安心バージョン」が登場した。
この帽子を被ると何をしても周りから全く気にされなくなる。姿を消す訳ではなく存在を完全に消し去ってしまう。その為、声や気配はもちろん臭いや触覚等といった、使用者の「存在」を示すもの全てが周りから無視されるのだ。
上記の透明人間系ひみつ道具の完全上位互換であり、尚且つ最強の性能を誇ると言える。詳しくは項目を参照。