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僕は貴方の刃でありますが、同時に貴方を量る天秤でもあります

概要

Fate/Grand Order」に登場するアサシンサーヴァント。レアリティは☆2。

メインシナリオでは、第1部一章「邪竜百年戦争オルレアン」にて敵側のサーヴァントとして立ちふさがる。

第1.5部禁忌降臨庭園セイレム」ではカルデア側のサーヴァントとしてストーリーで大きな役割を果たす。

真名

代々、パリにおいて死刑執行を務めたサンソン家四代目の当主。

フランス革命という激動の時代において、あらゆる階層の人間を処刑した処刑人

しかし死刑執行人という血生臭い職業に就いていながら、彼自身は人権派とでも言うべき考えの持ち主だった。暮らし向きは極めて豊かだったが、その職業故に蔑まれることも多々あり、若き彼は苦悩していたという。

若い頃、剣を使った斬首刑に携わっていたが、この方法では執行が上手く行かないことも珍しくなく、罪人が想像を絶する苦痛を感じながら死んでいく危険性を常に孕んでいた。

貴族並みに優雅な生活を営んでいたサンソン家は、国王と王妃を敬愛し、彼らが治める国民をこよなく慈しんでいた。処刑することによって培った最先端の医療技術を、貧しい人々に無償で提供することも行ったという。

こうした経験からサンソンは議会に対して「より人道的な処刑方法」を上表し、それをきっかけとして発明されたのが、かの『ギロチン』であるという。

ギロチンは瞬時に首を刎ねることができるため、罪人が苦痛を受けることなく(実際のところは確かめようもないが…)絶命でき、当時としてはまさに人道を最大限突き詰めた処刑方法であった。

だが、時代は彼の平穏を許さなかった

その結果死刑の単純化・効率化が飛躍的に進んだとも言え、その後のサンソンがさらに多くの人々を処刑するハメになったのは皮肉としか言いようがない。

フランス革命が起きてもなお、処刑者としての仕事を押し付けられた彼は、やがて最愛のフランス国王ルイ十六世と、その妃マリー・アントワネットの処刑に立ち会うこととなる。

最終的に彼が携わった死刑執行の回数は、公式に記録されているものとしては世界史上2番目というとてつもないものであった(ちなみに、世界一の記録は、WWⅡ前後のドイツにおける死刑執行人ヨハン・ライヒハートによる)。

彼自身次第に精神が持たなくなり、とある知己の女性(元恋人)の処刑を担当した際は、ついに耐え切れずに途中で息子に仕事を押し付け、逃げ出してしまったほど。

彼女が泣き叫び命乞いをしたのを見て

実は、サンソンは議会や王に対して死刑制度そのものの廃止を何度か訴えていたのだが、ギロチン導入時とは異なり、この要望がついに受け容れられることはなかった。

フランスで死刑制度が廃止されたのは1981年。サンソンが没してから175年後のことであった。

以上の悲惨な人生から、彼の幸運は“低すぎるという意味でEX”と言っても過言ではないレベルの不憫な人物のはずなのだが、実際の幸運はAと意外にも高い。

処刑人の偏見や宿命から終生逃れることこそできなかったが、あらゆる立場の人間が粛清されたフランス革命期、権力の中枢近くにいながら彼自身は生き延びたということ等が影響しているのかもしれない。

ちなみに、ルイ十六世を処刑したサンソンはその日の夜に密かに匿われていた神父の元へ赴き、鎮魂のミサを挙げた。

発覚すれば死刑は免れない行為だったが、当時は幸運にも明るみに出ることなく、ミサはその後も毎年行われたという。

人物

「人間」をこよなく愛する、温和かつ冷静沈着な青年。秩序を尊び、公正であることを良しとする。「悪」を憎むが「悪人」は憎まない。

神を信じているが、同時に神が「何も為さない」ことも理解している。それ故、己が「悪を以て悪を断つ」という悲しい使命感を抱く。

処刑人として誇りを持っていた訳ではなく、ただ愛情故に、罪人が死ぬ間際まで苦痛で足掻かぬようにと腐心した。「罪人が心置きなく死出の旅に出られるよう、一瞬の苦痛も与えず天へと送る」ことを信条としている。

とかく真面目、ややもとすると潔癖で神経質なところも見え隠れする。

真面目すぎる性格のため、ナンパな性格のサーヴァントとは時に衝突することも。

しかし「只々、頭が固い」というわけでもなく、深慮遠謀かつ自罰思考の入り混じった実直な精神の持ち主。

自分の守らんとするもののためになら、時に自らを犠牲にしてでも行動を起こす情熱的な一面を持つ。

「後悔しながら剣を振るう処刑人など、駄馬にも劣る代物」だという思考ゆえに、自らの人生に後悔はないと述べる。

しかし、「処刑と殺人は違わなければならない」という考えとは裏腹に、革命の時代には無実の人間を大量に処刑することとなり、処刑と殺人の違いとは何か、死して尚悩み続ける業を背負う。

アサシンでありながら、「人間を殺せない」サーヴァントである。

サーヴァントと戦うことは承諾するがマスター殺しなどの人殺しは良しとしない。もしマスターが魂食いなどの邪悪な行為を強制しようとした場合は、自害を含めた敵対行為に出る。

常に秩序に基づいた行動を心がけ、マスターに対しても「自分はマスターのであるが、同時にマスターを量る天秤でもある」「マスターが正しい道を歩む限りは常に従う」と中立的に接する。

その言葉のとおり、彼は主人の言動が秩序と正義にのっとったものであるかを常に問い続けるだろう。しかし、召喚された理由はその殺しの腕を買われてということもあり、心中はやや複雑である。

好きな物は「平和」「幸福」「慈愛」、嫌いな物は「冤罪」。

聖杯に対する願いはあるが、とても声高に言うほどのものではないと言う。

『邪竜百年戦争 オルレアン』ではかなり偏執的にマリーに迫っていたが、これはバーサーク・アサシンとして召喚され、文字どおり狂わされていたためである。素の状態だとややテンパり気味+天然ボケと化す程度。

彼女のことは生前から深く敬愛している。

なお、お月見イベントでは、マリーの胸の話題に食いついたり、一人だけアマデウス仮面の正体に気がつかなかったりと、かなりの天然ぶりを披露した。

アマデウスとは人間に対する価値観が相反する(性善説的なシャルル、性悪説的なアマデウス)上に、お互いにマリーに一廉のこだわりを持つため、シナリオ上では終始にらみ合うことになる。

ただ生真面目なシャルルを皮肉屋のアマデウスが煽ってイラつかせるパターンが多いせいか、後述のネタキャラ化を助長させてしまったところもある。

能力

正確には暗殺者ではなく処刑人であるためか、アサシンのクラス別スキル「気配遮断」のランクは低い。しかし斬撃を相手に気づかせないほどの卓越した剣士であり、固有スキル「処刑人」によってその刃は「悪」属性の敵に対してより効果を発揮する。

独自に編み出されたサンソン家の医術を会得しており、医者としての顔も持っていた彼の医療技術は平均的な水準を上回っていたとされ、スキルにもその名残が見られる。

なお、彼は自身が担当した罪人が生き延びた際には熱心に治療を施していたとされ当時医師に見放された難病患者を多く救ったとされる。

ステータス

マスター筋力耐久敏捷魔力幸運宝具
藤丸立香DDCDAB

保有スキル

気配遮断(D)自身の気配を消す能力。アサシンではあるが、サンソンに暗殺行為は不可能に近い。あくまでアサシンクラスであるが故のオマケ程度。それでもEランクではなくDランクをもらえたのは、上述した鎮魂のミサが明るみに出なかったという逸話によるものだろうか?
処刑人(A++)悪を以て悪を絶つ、究極の裁断行為。属性「悪」に対するダメージが向上する。また、そのサーヴァントの行為が悪と見なされた場合でも対象となる。
医術(A+)迷信が蔓延っていた当時の医療技術より数段優れた近代的医術。なお、このスキルは現代を基準で比較するものではなく、サーヴァントの生きた時代の基準で判断するものとする。
人体研究(B)処刑技術、そして医術の「裏側」に位置する概念。人体のどこを傷つければ死なずに済むのか、後遺症が残らないか、などの研究を怠らなかった。翻って言えば、戦う際にはどこを傷つければいいのか理解できるということ。

死は明日への希望なり(ラモール・エスポワール)

  • ランク:A
  • 種別:対人宝具
  • レンジ:1~10
  • 最大補足:1人

真の処刑道具、ギロチンの具現化。詳細は同項目を参照。

ゲームでの性能

☆2アサシン三騎のうち、HPに傾倒した耐久型。

その分攻撃が振るわないが、スキルと絡めることで意外な瞬発力を発揮する。

所有カードは《Quick:3/Arts:1/Buster:1》と、アサシン特有のQuick傾倒タイプ。

「処刑人<A++>」による“悪”特攻、「人体研究<B>」による“人間”特攻という、特異な特攻付加スキルを二つも所持しており、それぞれを状況に応じて使い分けることで、足りない攻撃性を補うことが出来る。

クラスと属性に絡んで、何気に海賊キラーなのは面白い。

対人間特攻は、サーヴァントではなく人間タイプのザコ敵に効果を発揮する。

第一霊基再臨で習得する「医術<A>」はLv.1時点で1000ものHPを回復でき、MAXのLv.10まで上げれば3000まで回復可能になり、しかもMAXボーナスでチャージが2ターン短縮されるので、5ターンという回転率でパーティーを回復させることも出来る。ただしLv.10までに、激レア素材の「ホムンクルスベビー」と「禁断の頁」を複数請求されるのがツライ。

弱点はアサシンらしからぬスター発生率の低さ

Quick三枚にもかかわらず、一度に稼げるクリティカルスターの数はアサシンでも底辺に類する。

また特攻付与も、該当する敵がいないと意味を為さず、そうすると元から低いATK値も相まって、高い回復スキルぐらいしか長所が無くなってしまう。

運用に当たっては、概念礼装でHPを上げるか、攻撃性を補強するかの二択が必須となる。

2016年3月23日実装の「サーヴァント強化クエスト第一段」の、ピックアップ対象に抜擢された。

強化内容はスキル「医術」のスキルランクを「A→A+」・弱体解除機能の付加となった。

回復量こそ上がらないものの、弱体解除によってサポートの幅が大きく広がった。

関連人物

生前

ムッシュ・ド・パリ

特定人物を指すのではなく、フランスの死刑執行人の頭領を表す称号。

サンソン家が世襲でこれを継いでいる。近代ではデイブレル家へ継がれ、1981年に廃止。

ジョゼフ・ギヨタン博士、アントワーヌ・ルイ

民衆の不満への"ガス抜き"として行われてきた残酷な処刑方法を改め、単なる機械装置の作用で人道的な処刑を行うべく提案・設計した当時のメンバー。

一方で処刑の事務化・効率化が進み、受刑者が貴族らしく堂々としていた事もあり恐怖政治の実態に民衆が気づかず革命期の粛清を助長してしまったと言われる。

ルイ16世

敬愛するフランス国王。だが皮肉にもサンソンは彼とマリーを処刑することになる。

上記の通り、彼が死んだ後隠れて鎮魂のミサをしていた事からその敬愛ぶりが窺える。

マクシミリアン・ロベスピエール

フランス革命の立役者。国王夫妻処刑の元凶、急進勢力ジャコバン派の中心人物。

彼がフランスに君臨していた間、サンソンは国王夫妻を始めとして様々な人間を処刑した。

が、ロベスピエール自身、クーデターによって失脚した後に死刑判決を受け、サンソンの手によって首を絶たれた。

エドマンド・バーグ

当時のイギリスの哲学者、「概して革新の精神とは利己的な性情と狭い視野の産物である」等フランス革命への反論思想を掲げた。

彼の思想は後にバーグ哲学と呼ばれ、その論理プロセスは日本で言うところの「守破離」に通じ現代の政治・科学に大きな影響を与えた。

アンリ=クレマン・サンソン

(恐らく戒めとして)大切に保管していたルイ16世の首をはねたギロチンの刃を、借金返済のために売り飛ばしてしまったサンソン家最後の死刑執行人。後に買戻し、罷免通知を受けた。

ニコラ=シャルル・ガブリエル・サンソン

叔父。百年以上前に執行された車裂きの刑を共に執行。これがサンソンの初の処刑であった。執行があまりに古く、必要な器具や人員を用意するだけで大変。また執行も上手くいかず、受刑者は途中で死亡。

また刑のあまりの悲惨さから精神的に限界に達し甥であるサンソンへ途中で押し付けて引退した。(皮肉にもサンソンの引退とシチュエーションが似通っている)

後にルイ16世への訴えからこの刑罰は廃止されるが……逆に残っていたほうがフランス革命の惨劇はもう少し小規模だったかもしれない。

シャルロット・コルデー

処刑に立ち会った者の一人。美しかったが、その美しさではなく最後の最後まで毅然としたままなのが信じられなかった。

サーヴァントとしての彼女はスパっと切ってくれてありがとうと言っているが、さすがに気まずく思っている。

ナポレオン

晩年、サンソンは皇帝となったナポレオンに謁見する機会があった。

ナポレオンの「自分に対して反乱が起きたらどうする」という質問に対して、淡々と「私はルイ十六世も処刑した男です」つまり仕事ならば皇帝でも処刑するとまで言い切っている。ナポレオンはこれを気味悪く思い、早々にサンソンを退出させたらしい。

また、サンソンが最後まで「陛下」と呼んでくれなかったとマイルームボイスでぼやいている。

Fate/Grand Order

マリー・アントワネット

敬愛するフランス王妃。普段は常識人なサンソンだが、彼女が絡むとバグる

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト

毛嫌いする変態音楽家。

ただし彼の変装(?)である「アマデウス仮面」の正体には気付いておらず、純粋に慕っている。

シュヴァリエ・デオン

フランス王家を敬愛していたという意味で共通点があるが、結果的にとは言え多くの王族を処刑したサンソンに対しては複雑な感情があるようだ。

しかし、一方で彼のことを「紳士」と表現するなど、人格面は認めている。

キングハサン

暗殺者の頂点グランドアサシン。直接の接点は無いが、彼もまた天の命に従い断罪を執行する処刑人である。

エリザベート・バートリー/カーミラ幕末のバーサーカー不夜城のアサシン

サンソンとは逆に、人の尊厳を奪う拷問を得意とするサーヴァント。土方以外は好き好んで行っていた面もある。

ロビンフッド

1.5部亜種特異点で共闘したサーヴァント。

秩序的なサンソンに対してアウトロー気質のロビンなので、基本的には反りが合わないものの、アマデウスほど倦厭しておらず、特異点修正後は交流が多くなった模様。

ラヴィニア・ウェイトリー

1.5部亜種特異点のセイレムで出会ったアルビノの少女。

邂逅当初から彼女に着眼し、彼女が凶行に奔ったときには自ら濡れ衣を被って彼女を保護した。

???

亜種特異点で“サーヴァントとしての死”の淵から自分を救った存在。

ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ

ホーリー・サンバ・ナイト」でタッグを組んでトーナメントに出場した。当初リリィはマリーを誘おうとしており彼女も乗り気だったのだが、サンソンが慌てて代わりに名乗り出た。

試合には負けて不機嫌になったリリィをうまくなだめるなど、子どもの扱いも上手いという一面が見られた。

余談

彼は処刑によって培かわれた最先端の医療技術を貧しい人々に無償で提供した人格者である。また当時の流行であったオカルト的な医療は一切行わず統計と解剖に基づいた当時としては珍しい現実的なタイプの医者である。

また処刑人の一族は通常の学校へ通うことは出来ず、彼が修めているのはサンソン家独自の医療技術のみであった。

ただしマリー・アントワネットを所持しているとマイルームでこの時だけは狂化が付されていないのにも関わらずテンションがおかしくなる。

しかも創造神奈須きのこ氏が、竹箒日記にてフランストリオのネタを掲載

さらに担当イラストレーターのしまどりる氏も、上記のネタを元に自身のTwitterにてイラストを掲載している

―――どうしてこうなった

TYPE-MOONキャラクターは、そのほとんどが公式でキャラ崩壊しギャグキャラと化すのがお約束だが、サンソンはFGO配信から一ヶ月を待たずしてその先陣を切ってしまった。合掌。

人体研究(B)は「どこを傷つければ死ぬのか分かるスキル」だが、そもそもサーヴァントは大動脈を切られて死ぬことはまずなく、サーヴァント同士の戦いは''急所しか決定打になりえない''。はっきり言って相手の手首を狙う余裕があるなら相手の首を刈り取る方が早い。恐らくFGOで「人型特攻」ではなく「人間特攻」なのはこのため。ナイチンゲールの人体理解は「相手の''急所''をきわめて正確に狙うことが可能」という効果であるためサーヴァント相手にも特攻になる。

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