概要
開催:2020年5月25日(月)~6月8日(月)
条件:第1部特異点F(炎上汚染都市冬木)のクリア
特異点名:星屑盤上冥路アステロ・アキハバラ
『Fate/GrandOrder』の期間限定イベントの1つであり、5月度恒例のコラボレーションイベント。今までと同様、公式生放送でイベント詳細が発表された直後より開幕している。
コラボ先の『Fate/Requiem』より、配布サーヴァントとして星4ランサーの宇津見エリセ、期間限定ピックアップで星5フォーリナーのボイジャーと星4バーサーカーの鬼女紅葉が実装されている。
シナリオ担当は木村航/茗荷谷甚六氏。
原作・プロットが星空めてお氏、奈須きのこ氏やシナリオチーム監修のもと作成と明かされている。
発表時点で原作刊行数はわずか1巻のみと、一作品として地固めが殆ど出来ていない状況でのコラボ実施であった為、多くのファン達からは驚きの声が上がった。
加えて先行する予定だった2巻の刊行も延びた事により、キャラや設定の掘り下げが、原作より先に本イベントの方で行われるという、創作界全体から見ても前代未聞のコラボレーションとなっている。
一巻終盤で明かされた少年の真名も生放送でバッチリ公表されており、イベントでも始まってすぐに縁深い大統王によって看破されている。
ストーリー
前触れ無く始まったカルデア内でのボードゲーム大流行。しかし皆のハマり具合はどこか尋常ではなかった。
同時に現れた謎の少年サーヴァントへの対応もあって、その場を離れた主人公達だったが、翌朝ゲームに参加していた者達がことごとく姿を消す事件が勃発する。
後に残されたのは一連の原因と思われる謎のボードゲームセット。皆がその中の異空間へ引き込まれてしまった事を知った一行は連れ戻すべく、会いたい人がいると語る少年の力を借りて共にダイブする事となった。
そして内部世界のルールに従い、様々なゲームに挑みながら原因の究明に臨む事になったが、すぐにその前提も狂い始め、事態は不穏な方向に進んでゆく。
イベントの仕様
イベントの舞台は「遊戯界」と呼ばれる世界で、Requiemの世界に似た秋葉原が中心に存在する。
また、都市の住民は一様にゲームの駒の姿となり、カルデアから引き込まれたサーヴァントのマスターになっている。
シナリオは「ゲーム」という形で進行していき、本作では珍しくストーリー要素がかなり薄い。
コラボイベントではお馴染みのミッション形式だが、リタイアしたサーヴァントが変化した「トークン」の獲得数がシナリオ進行の条件となっている。
また、特定の「トークン」を入手する事で開放される「ボーナスクエスト」も存在する。
ゲームマップは電車で行き来するのが基本だが、いわゆる「抜け道」が存在している。
- 第1のゲーム「モザイク都市の独占」
モノポリーをモチーフとしたゲーム「ガッポリー」。
クエスト報酬やアイテム交換で入手できるダイスを振って、出た目の数だけコマを進める。止まったマスに応じたクエストをクリアすると報酬獲得と共に再度ダイスを振る権利を得る。
トークンを4個手に入れると次のメインシナリオに進めるが、クエストが残っている限り何度でも続けることができる。
ダイスにも種類があり、目が1~6の『ノーマルダイス』、1~3の『123ダイス』、4~6の『456ダイス』、1のみの『1ゾロダイス』、2のみの『2ゾロダイス』、3のみの『3ゾロダイス』の全六種。
- 第2のゲーム「幽霊屋敷の人狼たち」
基本的にはセイレム似の寂村を舞台とした、俗に言う人狼ゲーム。
しかし、元々絶妙なバランスの上で纏っていたカルデアサーヴァント達と、人間不信を招く本ゲームの相性は宜しくなく、次第に揉め事と混乱が広がってゆく。
ゲームが進行するごとにルール変更が多用される描写から、カードゲーム『緑の幽霊屋敷』の要素が混じっているのではないかとの考察もある。
- 第3のゲーム「破滅の播種者」
カタンの開拓者たちをモチーフにした資源の争奪ゲーム。
しかしある事情により、作中で挑む事は出来ない。
- 第4のゲーム「激突の軍団」
モチーフはバトルライン。互いが所持するトークンから顕現させたサーヴァントによる某有名タイトルじみた対戦ゲーム。
全9ラウンド中先に3連勝するか累計5勝することが勝利条件となる。その都合上、編成制限や特殊ギミックが存在しており、令呪や魔術礼装の使いどころが問われる。
メインシナリオクリア後は何度でも挑戦可能になる。
- 第5のゲーム「戸隠捜竜伝」
モチーフはすごろく。ダイスを2つ振って出た目の合計分、先のマスへと転送される。
1マス=100mに設定されており、山の上の社を目指す。各マスには番人としてサーヴァントが配置されており、これを倒しながら進むことになる。ただし、敗北・撤退してもやり直しはできず、そのまま進行する。
第1のゲームと異なりシナリオ内でダイスを振るため、出目は固定されている。
- 最後のゲーム「バトル・オブ・《新宿》」
モチーフはスコットランドヤード。逃亡したゲームの黒幕を追跡・撃破する。
登場キャラクター
いつの間にかカルデアにあった"謎のボードゲーム"の中から現れたサーヴァント。
ボイジャーが捜し求めている槍を携えた魔術使い。本人の意思はそのままに、疑似サーヴァント化している模様。
自前の価値観により、カルデア及び主人公の在り方(=FGOのコンセプト)に真っ向からケンカを売った。
事件発生時にカルデアに残っていた一同。主人公と共にゲームの世界に飛び込み探索を行う。
第2のゲーム参加者で、今回初の立ち絵となる英霊祭装の赤ずきん風衣装で登場。
ゲームクリア後より主人公に同行するが、彼女にしてはどこか冷たく…?
第5ゲームのゴールにて合流。黒幕の手により、あるサーヴァントと一緒に監禁されていた。
余談
開始当初に公開されていたシナリオでは一部キャラクター(エミヤ・オルタなど)の言動に違和感があるという指摘が散見されていたのだが、29日よりきのこ氏とめてお氏の監修が入っていないテキスト・演出があったとして、プロローグと第1ゲームを中心に多数のセリフが急遽差し替えられた。
制作途中のテキストが公開されていたという異例の不具合で、修正前と修正後のテキストを比較するとがっつり監修及び修正が入っていることが確認できる。コロナウイルスや原作が始まったばかりという問題もあってか、本イベントは当初の予定より色々と未完成になってしまった事が窺える。
図らずもFGOのシナリオがどうやって作られているかの一端が公開される形になり、菌糸類の仕事量の多さを実感するマスターも現れた。
しかし、マリー周りなど魅力的な部分もある一方で粗が多い上に初期のFGOを彷彿とさせるぶつ切りかつ無駄な戦闘が多く、薄いシナリオ、ガッポリーの面倒な仕様もあってイベントとしての評価はかなり低いものになっている(特に第4のゲームまでが解放された5月27日時点では炎上に近い状態になっていた。その後、テキスト入れ替えや第5のゲームからエピローグまでのシナリオが解放され、落ち着きを見せた。)。
配布サーヴァントであるエリセも仮加入がイベントシナリオ終了間際とかなり遅かったことやRequiemのメディア展開の無さから、彼女の人となりが周知されていなかったこともあって、一部のマスターから無駄なヘイトを溜めることになってしまった。
カルデア所属以外のサーヴァントも遊戯世界に来ていたらしく、エリセはRequiem以前の作品未登場のハンニバル及びアガメムノンのトークンを持っていたようである。