概要
『ハリー・ポッター』シリーズに登場する主人公、ハリー・ポッターの名付け親であるシリウス・ブラック三世及び及び弟のレギュラス・ブラック二世の母。
『ハリー・ポッター』シリーズ本編では既に死亡しておりブラック家の肖像画として登場する。
血統
ホグワーツ魔法魔術学校の校長を務めたフィニアス・ナイジェラス・ブラックの傍系の孫、ポルックス・ブラックの長女として生を受ける。
母親は間違いなく純血の聖28一族出身の魔女、イルマ・クラッブ。
弟に後に家系図から消されるアルファード・ブラック、シリーズ本編にて活躍する三姉妹の父親であるシグナス・ブラック三世の二人がいる。
本家筋のルクレティア・ブラック、オリオン・ブラックとは再従姉弟同士の関係。
ルクレティアとは同い年の再従姉妹同士であり、ホグワーツ魔法魔術学校でも同級生だった可能性が高い。
本家と分家の違いはあるものの弟を持つ長女同士と似た境遇を持ち、オリオンとの結婚により義理の姉妹となった。
オリオンと再従姉弟婚をしたため、彼との間に儲けたシリウス・ブラック三世及びレギュラス・ブラック二世は誰よりも濃くブラック家の血をひくことになる。
しかし、次男のレギュラスは若くして死亡、長男のシリウスも結婚せず、子も残さずに死亡してしまったため彼女の血筋は途絶えてしまう。
シグナス三世が設けた三人の娘たち、ベラトリックス、アンドロメダ、ナルシッサらブラック家三姉妹の父方の伯母に相当する。
経歴
1925年生まれ。
純血名家のブラック家の分家出身であり、ホグワーツ魔法魔術学校の在学中はスリザリンに所属していた。
トム・リドルや、のちの夫で歳下のブラック家本家オリオン・ブラックら共に学生時代を過ごす。
卒業後オリオンと結婚、1959年にシリウスと1961年にレギュラスを産んだ。
夫同様に狂信的な純血主義思想の持ち主で、家訓に忠実な次男のレギュラスを可愛がり、彼がヴォルデモート率いる死喰い人に加わったことを誇りに思っていた。
一方、ブラック家の家訓を嫌っていた長男のシリウスとは歳を追うごとに関係が冷え切り、悪化していった。
また、弟のアルファード・ブラックが甥のシリウスに遺産を残したため、ブラック家の系図から抹消されている。
その後、シリウスは1975年頃に出奔し、レギュラスも79年に「謎の失踪」。
また、オリオンとも同年に死別。
近親者の殆どを失うという不遇の中で、1985年に死去、享年60。
しかし、ブラック家には彼女の肖像画が遺されており、ブラック家の本家邸宅であるグリモールド・プレイスから離れないように永久接着呪文を肖像画に施している。
完全に発狂しており、家出息子のシリウスの手引きによってグリモールド・プレイスが不死鳥の騎士団の本部となった後は様々な罵倒語を狂ったように叫び続けている。
名前の由来
ヴァルブルガの名前の由来は4月30日か5月1日に中欧や北欧で広く行われる行事、ヴァルプルギスの夜に因むと考えられる。
5月1日の前夜に魔女の集会が開催されると信じられていて、4月30日の日没から5月1日未明までをヴァルプルギスの夜と呼ぶ。
ヴァルプルギスの夜には死者の魂が人間の周りを彷徨うとされ、それを追い払うためにヨーロッパ各地でかがり火が焚かれる。
ヴァルプルギスの由来になったのは、キリスト教の聖人である聖ワルプルガで、イギリスからドイツにやって来た宣教師で、ドイツに尼僧院を建てキリスト教の布教につとめた。
彼女の功績が認められ死後に聖人となるが、その聖人になった日もしくは、聖遺物がローマ帝国の教区であったアイヒシュテットに運ばれた日が5月1日だったと言われており、聖ワルプルガとヴァルプルギスの夜が繋がるようになるが、なぜ魔女の集会の名称に聖ワルプルガの名前が使われているのか不明。
また、第二次世界大戦中にアウシュヴィッツで勤務し、収容所の囚人を用いて人体実験を繰り返し行ったヨーゼフ・メンゲレの母親の名前がワルブルガである。
また星に因んだ名前を付けるブラック家の伝統から、小惑星ヴァルプルガの可能性もある。
1886年4月3日にオーストリアの天文学者、ヨハン・パリサがウィーンで発見し、聖ワルプルガにちなんで命名した。