概要
Four Wheel Driveの略称。
前輪と後輪の計4つのタイヤを駆動させる方式であり、日本では、一般的に「四駆(4駆)」(よんく)や「フォーダブルディー(ヨンダブルデー)」と呼ばれる。
4WDは早くも19世紀には登場しており、日本で量産されたのは日本陸軍が軍用車として運用した九五式小型乗用車(くろがね四起)が最初である。
現在の隆盛はアメリカ陸軍が運用したジープに端を発したものであり、第二次世界大戦後に各国で同様の機構を用いて、不整地走行に重点を置いた車種(ランドローバー、ランドクルーザー、パジェロ等)が各国で開発されて民間にも受け入れられるようになった。
その後1972年に富士重工業がレオーネエステートバン4WDを発売。前輪駆動の乗用車を4WD化することでオフロードとオンロードの走行性能を一定水準で両立させることに成功した。
そして1980年代以降4WDの乗用車が一般化することとなった。
4WDを採用している自動車には、大きく分けると4種類がある。
1.
主にオフロードでの走行に威力を発揮するクロスカントリー志向の本格SUV車、軍用車両や建設機械、トラクター、一部のトラックなど。
2.
通常時は燃費またはモータースポーツでの旋回性の重視で2WDで走行し、オフロードや凍結路の走破、レース中での挙動修正などの際に自動または手動で4WDに切り替える「パートタイム4WD」車。
3.
2.の派生で、直進時以外は電子制御で常に4WDの状態となるタイプ。
4.
舗装道路において、強大なエンジンのトルクを路面に余す事なく伝えるために四輪駆動を採用したハイパワー・ハイスピード志向の車種(インプレッサ、ランサーエボリューション、スカイラインGT-Rなど一部のスポーツカー)。
トラクションに優れた4WDは基本的にいかなる路面状況も苦にしない駆動形式であり、オフロードエリアに繰り出すための作業車やハイパワーのスポーツカーとしても仕立てやすい。
その一方で2駆に比べて機構を追加する必要があるため車両重量が重く、さらに駆動損失も増えるため燃費が悪い傾向にある。機構や車種によっては舗装道での路面追従性や乗り心地にも悪影響を与えることもある。