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概要

日本初の国産実用四輪駆動車として日本内燃機(のちの東急くろがね工業、現日産工機の前身)が開発した軍用自動車。日中戦争第二次世界大戦における大日本帝国陸軍の主力乗用車として使用され、一部は海軍にも供与された。

「くろがね四起」の通称は、日本内燃機のオート三輪ブランドとして当時著名だった「くろがね」と「四輪起動」にちなむ。排気量は初期型のみ1300cc、1939年以降の生産型では1400cc。

ドイツ陸軍のキューベルワーゲン、アメリカ陸軍のジープに先駆けた軍用不整地走行車両として開発・配備された点では特筆に値するが、本車は純粋な乗用車両として設計され、小型トラックとしても運用されたジープなどと異なり貨物の積載能力はほとんど持たない。またフォードの絶大な大量生産能力を活かして年間10万台以上の規模で製造されたジープに対し、くろがね四起は手作りに近い生産体制だったため、大戦末期に四式小型貨物車トヨタが設計した、ジープの簡略化コピー)にバトンタッチするまでの生産台数は5000台弱にすぎず、個体により細部の仕様にかなりの差異がある。

現存している個体について

明確に判明しているのは以下の4台である。

・日本自動車博物館に存在する個体

後期型トラックタイプ。状態は新品と言っても過言ではない程に良好。なお同博物館には九四式六輪自動貨車も保管されている。

(※但し戦後に民間仕様に改造されており、四輪仕様となっている。更に言えば、唯一の現存個体である)

ロシアモスクワに存在する個体

Retro Auto Museumに比較的良好な状態で保管されている。タイプ不明。

(※この他にもロシア国内には多数の個体が存在している)

アメリカペンシルベニア州に存在する個体

Redball Military Transport Clubに保管されている。

状態・タイプは不明。

京都市某所の自動車修理工場に存在する個体

初期型のロードスタータイプ。2013年静岡県のNPO法人によってほぼ原型をとどめた状態で「再発見」され、2016年に自走可能な状態までレストアされている。なお、タミヤ社がこの個体をモデルにプラモデルを製作販売している。

(※なお、タミヤ社からの情報提供により上記の個体は「再発見」された)

旧陸軍が展開していた地域には上記4台の他にも未発見の個体が存在していると思われ、発見報告は更に増える可能性がある。

関連タグ

ジープ

硫黄島からの手紙 - レプリカ車が登場。劇中ではジープと呼称される。

ガールズ&パンツァー - ピックアップトラック型が第10話に登場。

ストライクウィッチーズ - 第1期第1話に登場。

端ノ向フ - 終盤の1カットに登場。

ジュークX-TRAIL - 現在日産が発売しているSUV車両。

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