ウミボウズ(カクレンジャー)
げんだいのうみぼうず
「やるな。もう手加減はせんボウズ!」
CV:河合義雄
概要
緑色の坊主頭に鎧付きの白い衣を纏った姿を持ち、両肩にはテトラポットが付いている。
口癖は「~ボウズ」。
原典の「海坊主」とは「海に棲み、昔から途轍もない力の持ち主」とされる海の妖怪だが、このウミボウズもその例に漏れずかなりの怪力で、実際本編でも無敵将軍の火炎将軍剣を片手で受け止めるだけのパワーを見せ付けている。パワーだけかと思いきやその身体も強靭で、カクレンジャー5人の攻撃を悉く無効化する程タフ。
更に鎖付きの錨で武装している他、テトラポッド型爆弾や口から吐く火炎放射と言った攻撃技まで持っている為に遠、中、近と苦手な距離が無く、中々に強豪の妖怪である。
劇中描写を見る限りでも、ツバサマルの助太刀が無かったらカクレンジャーはやられていた可能性が高い為にそれは疑いの余地も無く、加えて貴公子ジュニアの大魔王復活の為の作戦へ従事していた点からも、彼の腹心の配下だった可能性も十分考えられる。
何より、ウミボウズの登場回となった第23話では貴公子ジュニアがガシャドクロとしての正体を現した点からも、物語が序盤から中盤へと佳境に差し迫っている事が読者に強く印象付けられた事だろう。
活躍
鶴姫の誕生パーティの最中、突如近くの海中から出現。彼女のお祝いに来ていた少年の良太を始め、15人の子供を次々と攫っては高層ビルの屋上に放置して石化させる。
円状になる様に石化した15人の子供達をそれぞれ配置すると、円の中心地に妖怪髑髏が建造され、貴公子ジュニアがその中で「貴公子ジュニア・オン・ステージ!」と称してライブを開催。一見歌っているだけだが、これは妖怪大魔王を復活させる為の祈祷であり、自身の歌を聞いた子供達を大魔王への供物とすべく次々に石化して行く。
一方、ジュニアに挑もうとするサスケ達に対し、ウミボウズはテトラポッド型爆弾と口から吐く火炎放射で攻撃して妨害。5人の前に出現し、貴公子ジュニアの作戦を暴露する。
良太の姉の恵子まで石化され、怒りを燃やすカクレンジャーと交戦するや、持ち前のパワーと強靭な肉体で5人の攻撃を無効化。更に鎖付きの錨やテトラポッド型爆弾などを武器に5人を苦戦させる等、中々に健闘するもレッドの火炎つむじの術を受け敗北。
負けじと上記の台詞を言い放ちながら妖怪エネルギーの落雷を浴びて巨大化すると、巨大戦では無敵将軍と交戦。
相手の火炎将軍剣を片手で受け止めた上、ジュニアの助力も有ってカクレンジャーを外へと放り出してしまう。変身解除にまで追い遣られた5人に止めを刺そうとしたするウミボウズだったが、現れたツバサマルに阻止された挙句、ツバサマルが無敵将軍と合体したスーパー無敵将軍の無敵キャノン一斉射撃を叩き込まれ、「ジュニア様ァァァッ!!」と主君の名を叫びながら爆散した。
余談
原典の海坊主は黒くのっぺりした巨人の姿で描かれる事が多く、絵画では主に巨大な頭部だけを波間から出し、ギョロリとした大きな両目が特徴的だが、講釈師の絵では人型になった波其の物の姿で描かれている。主に夜間に出没する事が多く、現れるとそのまま船を破壊されてしまうとされるが、「柄杓を欲しがる」とも言われる為に船幽霊と混同されたりもする。
Bボーイがモチーフである点に関しては『百化繚乱[上之巻]』にて、デザインを担当した篠原保氏が「ラジカセを抱えて歩くBボーイをイメージした」とコメントしている。
声を演じた河合氏は2年前の『恐竜戦隊ジュウレンジャー』にてドーラスケルトン、ドーラゴブリン、ドーララドゥーン、ドーラキマイラと、実に4体ものドーラモンスターの声を担当していた。翌年の『超力戦隊オーレンジャー』ではバラタランチュラの声を当てている。