妖怪ウミボウズ
ようかいうみぼうず
「坊主が上手に絵を描いた!」
晦正影の手によって、某所の海の磯に放置されていた「ゴムボート」に牙鬼幻月の邪気が宿る封印の手裏剣が刺さった事で変化した、古来の「海坊主」の伝承を受け継ぐ妖怪。
通常、牙鬼軍団の妖怪は封印の手裏剣が器物に突き刺さる事で誕生するが、今回のウミボウズの場合は器物がゴムボート故に突き刺すと萎んでしまうからか、正影によってゴムボートに封印の手裏剣を置かれる形で誕生した珍しいケースの妖怪である。
全身真っ青な外見をしているが首周りと胴、両肘と両膝、そして両足に黄色いゴムボートの意匠が見られ、更に腰から下には紺色の蛸の足の様な物が無数に伸びている。更に両肩は大波となっており、棘の付いた「ぎざぎざ渚」なる薙刀で武装したその姿はさながら武蔵坊弁慶の様である。
ゴムチューブから放出する大量の空気で海面の光を屈折させ、上記の掛け声と共に人間が体験した過去の恐怖を幻影として生み出す能力の持ち主で、劇中ではこうした力で人々から「恐れ」を集めようとした。
戦闘では海面に胡坐を掻きながら浮遊し、「ぎざぎざ渚」をパドルの様に操る事で海上を自由自在に泳ぎ回る他、沖合から海上専用手投げ弾で相手を攻撃する等、水上戦を得意としている。
通常、こうした海等の水場を主戦場とする怪人は水中戦を得意とするタイプのが定番だが、このウミボウズの様に水上戦を得意とする怪人は非常に珍しい。
誕生の経緯も然る事ながら、その戦闘スタイルも相まって二重の意味でレアな怪人と言える。
キンジを誘き出そうと目論む正影により天晴達に気付かれぬ(=ガマガマ銃に反応されない)様、結界を張った状態で生み出されて登場。
上記の能力で大勢の人々を過去に体験した恐怖の幻影で苦しめ、駆け付けたキンジも「自身を庇って命を絶った父親と兄」の幻影で戦意不能に陥れる。
その後、旋風から「妖怪が出た」という情報を得た天晴達5人も遅れて駆け付け、キンジを助ける為に彼の幻影に入り込む。
過去の幻影から解放されたキンジの風の術や他の5人の大火炎の術によって幻影を吹き飛ばされ、そのままニンニンジャーとの戦闘に移るが、直ぐにアカとスターのスターライト忍烈斬で受けて「この現実が幻であって欲しいものだ~!」びながら敢え無く倒される。
戦闘後、好天への弟子入りに意欲を取り戻したスターの忍タリティに応え、封印の手裏剣の1枚が新たなオトモ忍シュリケンに変化した。
その直後、九衛門の肥大蕃息の術によって再生巨大化したウミボウズは、海上から攻撃を仕掛ける。だが、新たなオトモ忍のサーファーマルに翻弄された末、シュリケンジンサーファーのシュリケンジン・サーファー波乗り斬りを喰らい爆散した。
ウミボウズが倒れた後、キンジは弟子入り期限が前日までだった事が分かった為に好天の弟子とは認められず、サーファマルに乗って戦線離脱する事になった。だがその後、天晴達5人は九衛門が好天の嘗ての弟子だったと言う衝撃の事実を知る事になる。
モチーフは海坊主とゴムボート。それ以外に武蔵坊弁慶も含まれていると思われる。
器物モチーフが「ゴムボート」なのは、「ウミボーズ(海坊主)」と語感が似てる駄洒落である。因みに当初は「坊主」繋がりでデザインも「木魚」型で僧侶寄りの姿となる予定だったが、アクション性を考慮して弁慶がモチーフとなった。
声を演じた宝亀氏は今作がスーパー戦隊シリーズ初出演となる。
同じニチアサ作品の『ONEPIECE』において、海に深い関係を持つキャラクターを演じている。