少年アシベ
しょうねんあしべ
概要
1988年~1994年にかけて、週刊ヤングジャンプ(集英社)にて連載された、ゴマフアザラシの赤ちゃん・ゴマちゃんと、その飼い主・芦屋アシベの日常を描いたギャグ漫画。
1990年代前半にアニメ化されてヒットし、ゴマフアザラシ・タテゴトアザラシの赤ちゃんブームを作ったと言っても過言ではない。
2000年~2004年には、続編にあたる「COMAGOMA」が週刊ヤングジャンプで連載された他、まんがタウン(双葉社)で、「少年アシベセレクション」刊行に合わせた『少年アシベ』より抜き再掲が、4色カラーに改稿した上で行なわれた。
単行本は本編が全270話で既刊は全8巻、セレクション版が全2巻、続編が全6巻とそれぞれ刊行中。
何と2016年に、20年ぶりの再アニメ化が決定した。
それに合わせる形で、新装版が春より双葉社から数ヶ月おきに発売されている。
2017年に「青少年アシベ」の連載を発表したが話と構図は森下、作画は森下が選んだ笑平が担当。
2020年には何と作者が直々に続編「小3アシベQQゴマちゃん」の連載を開始した。
あらすじ
芦屋アシベ(あしやあしべ)は、近所に住んでいた同級生の阿南スガオ(あなんすがお)ととても仲が良かったが、小学1年のある時、大工職人のアシベの父ちゃんが、建築中の家を火の不始末で燃やしてしまうという大事を起こしてしまう。その為、それまで住んでいた一軒家を引き払うこととなり、父ちゃんの実家付近である目黒区のアパートへと転居。同時にアシベも急遽転校することとなる。
アパートに転居して間もない頃、道路を歩いていたアシベの目の前を通りかかったトラックから白い物体が落下。大きな魚だと思ったアシベは夕飯として食べるつもりで家まで連れ帰った。
父ちゃんが台所で切りさばこうとするが、魚ではなさそうだとして動物図鑑で調べてみると、ゴマフアザラシの赤ちゃんだとのこと。父ちゃんが「食って食えないことはないが(アザラシの赤ん坊が)かわいそうじゃないか」と言った直後、アシベの「じゃあ、こいつ飼おうぜ!」という一言で、アシベが『ゴマちゃん』と名付けて芦屋家の家族の一員として飼うこととなる。
一方、アシベと離ればなれになったスガオは悲しみに暮れる毎日。その上、父の転勤に伴いネパールへ一家転住。山から下りて来たイエティや、学校に行けないスガオの為に家庭教師を依頼した元修行僧などが次々と家に居座ったり、ネパールからフランス領コラコラ島(架空)へとさらに配転になるなど問題が多発。
しかしながらも、阿南家はようやく日本に戻ってこれることになり、アシベとスガオの2人は、クリスマスの日に無事再会を果たす。
登場キャラクター(声優は新アニメ/旧TVアニメ/OVAの順)
芦屋一家
- 芦屋アシベ(CV:河村梨恵/坂本千夏《旧TV版》/高山みなみ《OVA版》)
- ゴマちゃん(CV:東山奈央/こおろぎさとみ)
- アシベの父ちゃん(CV:津田健次郎/龍田直樹(旧TV版・OVA第三巻)/CV:石丸博也《OVA版初期》)
- アシベの母ちゃん(CV:赤崎千夏/佐々木るん《TV版前期》/堀越真巳《TV版後期》/鷹森淑乃《OVA版》)
- ひらお(CV:松村沙友理・作者原案の新アニメ版オリジナルキャラクター)
アシベの父ちゃんの仕事仲間
アパートの住人
アシベの祖父母
芦屋商事とその関係者
- 早乙女(CV:飛田展男)
- ペッペッペッ・ソーランアレマ(CV:かないみか《TV版》/小林優子《OVA版》)
- 白鳥かれん(CV:深水由美)
- 越完治(CV:茶風林/石丸博也《OVA第一巻のみ》)
- 完治の母
- 平野
- 味田(CV:鈴木勝美)
- 山本アキラ / 山本マサル(CV:小野健一)
- あづみ(CV:水谷優子)
- 真理子(実在する女優がモチーフだった為アニメ版では存在すら抹消された)
- 吹田
- チュっ太
- 木村
- 上原
- 山田洋子(CV:國府田マリ子)
吉田食品
- 吉田社長
- 三好礼子
アシベの友人とその家族
- 麻原遊馬(CV:佐倉綾音/丸尾知子)
- ゆうまのママ(CV:鈴木みえ)
- 天地まお(CV:かないみか)
- 天地真子
- まおのパパ(CV:宮田浩徳)
- 天地みどり(まおのママ)(CV:水谷優子)
- 秋雄(CV:小林通孝・後期は新田三士郎に改名)
- 荒川 ユミコ(CV:古賀葵/こおろぎさとみ)
- ユミコの父
- ユミコのママ
- 荒川ルリコ
- 坂田新一(CV:江森浩子)
- 坂田の兄(CV:鈴木みえ《TV版前期》/高乃麗《TV版後期》)
- 坂田の父
- 坂田の母
- 加藤マコト
- ゴロー
小学校の人々とその関係者
- 南先生(CV:水谷優子)
- 安西先生(CV:麻見順子)
- 天堂先生(CV:飛田展男)
- 佐藤千里子先生
- 星野いづみ先生
- 大宅真也先生
- 校長先生
- 小池
- 正道
- まゆみ(CV:江森浩子)
- かしこ
- エリカ
- マサコ
- ノリコ(CV:川村万梨阿)
- 鱶田(CV:かないみか)
- 北尾ミオ
- ついてない君
- 吉本先生
- 高橋
阿南一家
- 阿南スガオ(CV:鈴木みえ《TV版前期&OVA2巻&最終巻》/高乃麗《TV版後期&OVA第1巻》)
- スガオのパパ(CV:小野健一)
- スガオのママ(CV:川村万梨阿)
- カルロス
- 家庭教師(多田勘太)(CV:西川幾雄《TV版》/茶風林OVA版最終巻のみ》)
ネパール
コラコラ島
- ボラ
- ボア
- チュリー
- ギーコ
王々軒とその関係者
アニメ
これまで3度の映像化がなされており、ポニーキャニオンより先行制作されたOVAとその発売後に発表されたTVシリーズに分けられる。
1991年4月~12月まで『少年アシベ』、1992年10月~1993年3月まで『少年アシベ2』のタイトルで、2期に渡って、TBS系で放送された。
5大在京キー局の入札の末に放送に漕ぎ着けるも、製作プロが小規模だった事と、前期放送中にTBSの経営が悪化したことが重なり、TV版後期放映時には再建計画の影響をまともに受けてしまいローカルセールス枠での放送を余儀なくされ、短命に終わってしまう。
なお余談であるが、TBS再建計画の悪影響は93年放送の『電光超人グリッドマン』と95年放送予定だったTV版『ウルトラマンネオス』のお蔵入りという形でも現れている。
OVA版とTV版ではアシベ役とアシベの父ちゃん役の声優が変更されている。(アシベ:高山みなみ、アシベの父ちゃん:OVA初期が石丸博也)
2016年1月に、20年ぶりとなるアニメ化決定が発表された。
Eテレの子供向け教育番組『Let's天才てれびくん』内のアニメ枠にて、『少年アシベGO!GO!ゴマちゃん』のタイトルで放送。同年4月5日より毎週火曜日、18時45分~54分の枠で開始。
なおこの20年の間に現実のネパールで発生した幾多のゴタゴタ(最後の国王の独裁と民衆の王政転覆による共和国化)の影響もあり、阿南家の転勤先がネパールから架空国・アスニクル共和国へと変更されている。
アニメ版の余談
- 最初のOVA版では監督が故・石黒昇で演出に板野一郎が参加しており、超時空要塞マクロスのスタッフが参加していたのにビックリで、石黒はこの時の経験を「みかん絵日記」に生かした。また、かつて発売していたマクロスのムックで石黒は「初代マクロスはじゃりン子チエみたいな日常物で作りたかった」と述べていた。
- TBS旧アニメ版は当初ちびまる子ちゃんの裏番組に編成する案もあったが、当時のスポンサーや版権元であった集英社からの反対があり、敢え無く頓挫した。(後述するが、TBS旧アニメ版とスポンサー・スタッフ・声優が共通だった事から、ちびまる子ちゃんを1年で終わらせ、その次番組としてアシベを導入した可能性もあった)
- アニメ最終となった2016年版第4期から制作会社がシンエイ動画に変更されたことと、アシベの版権元が集英社から双葉社へ移譲した事が重なったこともあり、制作と版権元が同じになった『クレヨンしんちゃん』とコラボグッズが出たこともある。
- TBS系列で放送されていた時の声優の多くが『ちびまる子ちゃん』、『ママは小学4年生』、『クレヨンしんちゃん』、『みかん絵日記』、『ムカムカパラダイス』、『サイボーグクロちゃん』、『星のカービィ』でも共演している。
- TBS旧アニメ版のアシベ役だった坂本千夏はその後、ママは小学4年生とムカムカパラダイスでレギュラーを、みかん絵日記ではゲストのジェリーをそれぞれ演じた。
- TBS系列で放送されていた時のBGMを担当したのは『クレヨンしんちゃん』や『サイボーグクロちゃん』でおなじみの荒川敏行である。また、声優のこおろぎさとみは全て出演しており、本作で共演した坂本千夏とは『サイボーグクロちゃん』でも共演している。(序でにTBS旧アニメ版のスタッフはちびまる子ちゃんのスタッフと共通だった為、ギャグのノリがちびまる子ちゃんそのままだった)
オープニングテーマ
『リトル・ダーリン』(アシベ1、#1 - #5)
作詞:松本隆/作曲:平井夏美/編曲:井上鑑/歌:田村英里子(東芝EMI(現・EMIミュージック・ジャパン)/イーストワールド)
『まかせて!チン・トン・シャン』(アシベ1、#6 - #37)
作詞:中田有博/作曲・編曲:馬飼野康二/歌:田村英里子(東芝EMI/イーストワールド)
『愛にSUNキュー』(アシベ2、#1 - #25)
作詞:大沢直行/作曲・編曲:平井光一/歌:日下ひかる(東芝EMI/TMファクトリー)
エンディングテーマ
『愛のナイチンゲール』(アシベ1、#1 - #5)
作詞:松本隆/作曲:山口美央子/編曲:井上鑑/歌:田村英里子(東芝EMI/イーストワールド)
『リトル・ダーリン』(アシベ1、#6 - #37)
作詞:松本隆/作曲:平井夏美/編曲:井上鑑/歌:田村英里子(東芝EMI/イーストワールド)
『まかせて!チン・トン・シャン'93』(アシベ2、#1 - #25)
作詞:中田有博/作曲:馬飼野康二/編曲:平井光一/歌:ACB(アシベ)ファミリーバンド(東芝EMI/TMファクトリー)