概要
1980年から2018年まで発売されたハッチバックベースの軽乗用車。
長らくハイゼットやムーヴと並ぶダイハツの看板車種であり、多くの特別仕様車や派生車が存在する。
車名の由来は、「羨望」を意味するイタリア語から取られた。
1980年に初代モデルが登場。
当初はフェローの流れを汲むクオーレの派生車種の商用車「ミラクオーレ」で、その後4ナンバーの軽ライトバンミラと5ナンバー乗用車のクオーレという分け方がされていた。
1989年の消費税導入に伴って物品税が廃止された事を受けて、5ナンバー車もミラに統一された。
2013年2月以降は、ミライースへの統合の一環として乗用車タイプは全て5速MTのみの設定となる。
2018年3月に販売を完全終了し、38年近い歴史に幕を下ろした。
これによりダイハツは軽ライトバンの製造も終了となった。
特別仕様車・派生車
ミラウォークスルーバン
ミラミチート
ウォークスルーバンはヤマト運輸でお馴染みのトヨタクイックデリバリーのようなタイプの、ミチートは日産のエスカルゴのようなタイプの有蓋商用車である。
デリバリーや移動販売業務用として、ミラベースのモデルも登場していた。
ミラパルコ
ファッションビル会社パルコとコラボした女性向けの特別仕様車。
このコラボは以降4代目の「モデルノ・パルコ」(~1998年)まで続いた。
TR-XX、TR-XXアバンツァート
スポーツ走行仕様車。
一部でラリー競技向けのモデルも存在した。
ミラクラシック
4代目のバリエーションカーとして1997年に登場したレトロ風仕様車(パイクカー)。
丸型ライトに、メッキ化したバンパーやホイールキャップ、ドアミラーなどが特徴的である。
そのデザインは一定の層に支持され、のちにミラジーノへと受け継がれていく。
ミラジーノ
AVY(ミラ アヴィ)
6代目に設定されたセミトールモデル。
e:S(ミライース)
詳しくはミライースの項目を参照。
2011年に登場した7代目ミラ(2006年~2018年)の派生車。
ただし前身はミラシリーズ外の軽自動車であるエッセとされている。
低価格・低燃費という軽自動車が本来あるべき姿を具現化したモデル。エッセ派生であるはずなのに、そこから切り離されてミラシリーズに組み込まれたのは、その軽自動車の存在意義を追求したコンセプトが次代のベーシックカーたりえた上で、ミラシリーズの原点回帰・温故知新に値するものであるとして上層部より期待されたため。
2013年に7代目ミラのグレード改廃が行われ、7代目ミラから乗用セダンモデルが廃されたため、その後を継ぐ形で実質上の8代目ミラとなり、以降、無印ミラに代わるエントリーモデルとなった。
ココア
勿論、元ネタは飲み物のココアである。専用エンブレムあり。
小悪魔(ここぁ)と絡めた痛車が出てきそうなネーミングだが、今のところその情報は確認されていない。
上述のジーノの後継とされているが、上述の通りジーノがクラシックから受け継ぎ信条としてきたレトロスタイルはココアではほぼ廃され、それとは逆を行くムーヴ(ムーヴラテ)系列のシンプライズ&コンパクトデザインへと回帰した。
そもそもモデルスタイルネームに飲み物のココアを導入した事自体が、3代目ムーヴの派生バリエーションであるムーヴラテに沿ったもの。(ムーヴラテの「ラテ」はカフェラテに由来する)
そんなわけで登場当初は「ドコがジーノの後継だ 」だの「どう見ても2代目ムーヴラテです、ありがとうございました」だの「ミラがムーヴに乗っ取られた」だのという声も上がった。
そして従来のベーシックミラサポーターの支持はガッツリとミライースへと寄る事になった。一方でジーノのサポーターは行き場を失って難民と化し、上述した15年後の後継が登場するまで中古車や別車(社)種へと流れる事態もまま起こった。(もちろん後継の公的アナウンスを信じて自発的にあるいはディーラーに説得されて、やむなくジーノからココアへと移った者もいたが)
で、その賛否両論のスタイル改廃なんですが・・・狙いはズバリ、ラパン(アルト派生)潰しですか?
なお、ミラの製造・販売終了に合わせ、こちらも製造・販売を終了した。
ミラトコット
上記ミラココアの実質的な後継車。2018年6月より販売
詳しくはミラトコットの項目を参照。
OEM、ライセンス生産
日本ではスバルの軽自動車自社生産中止に伴い、プレオとしてOEM供給された。またミライースも親会社のトヨタにピクシスエポックとしてOEM供給されているが、販売力の差から本家が食われ気味。
マレーシア・プロドゥアによる現地生産車
マレーシアではダイハツと現地資本の合弁であるPerusahaan Otomobil Kedua(通称Perodua)によりカンチル/クリサ/ビバという名称で生産されている。ちなみにこのプロドゥア・クリサはあれだけミラTR-XXアヴァンツァートを褒めちぎっていたジェレミー・クラークソンによって酷評されてしまっているのだが、そもそもTopGearだから仕方ないね。