本項ではハドソンのゲーム「ボンバーマン」について記述する。
ロックマンに登場するボスキャラについては「ボンバーマン(ロックマン)」を参照の事。
概要
ハドソンより発売された、爆弾アクションゲーム。元々はパソコン向けに発売されたゲーム『爆弾男』がシリーズの原点であり、FC版への移植の際にタイトルが現行の「ボンバーマン」に変更された。(下記『ボンバーマンにおける大事件』」参照)
元々はブローダーバンド社から販売された「バンゲリング帝国三部作」と呼ばれる3本の作品である
『バンゲリングベイ』『チョップリフター』『ロードランナー』というゲームがあり、
そのうち『ロードランナー』に登場する、ザコ敵のロボットだった。
上記の『爆弾男』をハドソンがファミリーコンピュータ版に移植する際、
この『ロードランナー』のロボットを主人公に抜擢し、
「地下迷宮で毎日労働させられているロボットの1体が、地上に出られれば人間になれるという噂を聞いて自作の爆弾片手に地上を目指す」
というバックストーリーを付けた。
このFC版ではまだデザインが細かく決まっていなかったため、ごついロボットがジャケット絵になっているが、
続くPCE版にて、ドット絵に近い(つまり今のボンバーマンに近い)キャラクターデザインが確定し、
スーパーファミコンの『スーパーボンバーマン3』で、デザイナーの水野祥司がアートワークの作風を確立し、
以後そのデザインでシリーズが続くこととなった。
PCエンジン版以降の4,5人対戦モードが特に有名で、バトルモード用に
カラフルな仲間たちが登場したのも同作から。
なお余談として、このPCエンジン版では説明書掲載のキャラクター紹介で
おふざけなのか、白:親凡 黒:悪凡 赤:平凡 青:非凡 緑:旧凡という
いまいちよくわからない名前が付けられていたが、後発の作品では忘れ去られた上にファンの間でも全く定着しなかった。
10人対戦出来るワイド画面バージョン『HI-TEN ボンバーマン』、一部キャラクターを他のハドソンキャラに差し替えた『HI-TEN キャラBOM』もあり、かつては一時期NHKの施設に設置されていた。家庭用ゲーム機ならセガサターンの『サターンボンバーマン』でも可能。
落ち物対戦パズルゲームである「ぱにっくボンバー」はACおよびPCE、SFC、バーチャルボーイ等の様々なハードで発売されている。
3D化された作品(例:爆ボンバーマンなど)を除けば基本的なルールはほぼ共通しており、格子状のマス目で組まれたステージを縦横無尽に移動して、十字型に爆発する爆弾を使って敵やブロックを破壊していく。
特に対戦モードでは全員がこれを行うため、四方八方から爆風の嵐となり、画面中があっというまにパニック状態になる。
そのうえ、設置した爆弾は特定のアイテムがなければ移動できないため、うっかり設置後に袋小路にハマると自爆してしまうこともしばしば。
作品によっては敗退したプレイヤーが「みそボン(みそっかすボンバー)」となり、場外から爆弾を放り込むことが出来るため、さらに混乱することもある。
おそらく全ジャンルのゲームでも珍しく、どんなに上達しても勝率が決して100%になり得ない稀有なシリーズではないだろうか?
ボンバーマンにおける大事件
タイトルをめぐる混乱
ドイツで「ボンバーマン」のタイトルでパソコン版が発売される際、爆弾テロ事件が発生したため「エリック&フローター」というタイトルに変更してリリースされ、その後、日本でFC移植版が発売される段階になって、皇居にミサイル弾が打ち込まれるという事件が起こったため、ストレートに「爆弾男」というタイトルではマズいということで今のタイトルになったという、なんともきな臭い逸話も残っている。(高橋名人もブログでそのことについて触れている。)
多くのプレイヤーにとって思い出深いことなど
- シリーズ全般 - 壁と爆弾に挟まれる(関連イラスト参照)
- スーパーボンバーマン - ピエロマスク/ヨロイス/ウイテルV
- スーパーボンバーマン2 - マスクチェンジ/ステージ5の隠し地雷/G・ガンズ
- スーパーボンバーマン3 - ステージ6/スタッフロール後の演出
- スーパーボンバーマン4 - エリア4「超未来」の描写/ダンシングピエロ/センチビート/デンジャラスボム
- スーパーボンバーマン5 - ラスボスの最終形態の攻撃方法が『時間停止』
- メガボンバーマン - PCエンジンで発売されていた「ボンバーマン'94」のメガドライブ移植版(日本未発売)
- 爆ボンバーマン - シリウスの本性/隠しワールドのありえない地形(というか全体的に高難易度)
- 爆ボンバーマン2 - 雑誌レビューで不評を食らうほど強い最初のボス/ボンバーマンのリアルな死亡描写/ノーマルエンド/聖邪の天使(というか全体的に鬼難易度)
設定の変遷
上で述べたように、最初期のボンバーマンは『爆弾で戦うロボット』として扱われていた。
『スーパーボンバーマン』でも力尽きたときに顔部分がブラックアウトする(モニターになっている)ような描写がある。
また、なぜかアイレムが発売元となったAC版ボンバーマンでは、ゲーム開始直後のストーリーで
明確にボンバーマンたちを『ロボット』として描写している。が、ファミコン版初代とは違い
ロボットであることには疑問や嫌悪感は抱いていない様子。
XBOX360版の『Act:Zero』もこの路線を現代の技術で再現したという感じで、
非常にシリアスな世界観とストーリーとなっている。
『スーパーボンバーマン2』では侵略を企む宇宙人によって作られたサイボーグの試作品で、凶悪ボンバー五人衆のプロトタイプという設定になった。
記憶を失っており、凶悪ボンバー五人衆は兄のような立場であるボンバーマンを回収・説得しようとして
要塞へ拉致したが、ボンバーマンはこれを拒み戦う事となる。
『スーパーボンバーマン3』以降ではこうした出自が描かれる事が曖昧になり、
ボンバーマンは日夜ボンバー星を守る為にパトロールをするレンジャーのような活動をしていたり、
ボンバー星や宇宙の危機を前に立ち上がるというプロローグである事が多い。
「スパボン3」ではパスワード画面にいるプリティボンバーが、
パスワードの入力に成功するとハニーちゃんの姿に戻るという演出があり、
カラフルな部分はヘルメットで外せる事を示唆したりもしている。
以後、作品によってボンバーマンの出自や正体に関する設定は非常に曖昧である。
このように途中から設定が曖昧になった理由としては、「遊ぶ人の想像に任せたい」
「自分の解釈で自由に楽しんで欲しい」という開発陣の思いによる所が大きいようだ。
特に変わった所としては、『ボンバーマンランド』における「友達と遊園地に遊びに来た少年(勿論爆弾は扱えるのだが)』だったり、
『カスタムバトラー ボンバーマン』における「あらゆるウィルスに対し、カスタムを行う事で対応できる万能プログラム」といったものもある。
その他
ファミコンの第一作である「ボンバーマン」は全50面で50面クリアでロードランナーとの繋がりがあるエンディングが流れて再び1面なのだが、実はパスワードによって50面以降に行けるのである。
ただし、50面以降は本来存在しないはずのステージでありバグとされているのだが遊ぶ事は可能で、通常の50ステージも含めると全部で256ステージある。(255面をクリアすると0面に進み、それをクリアすると通常の1面が始まる)
パスワードの仕様からか、全てのステージでフルパワーアップした状態で始まるという通常ではありえない事も可能で50面以降や最強装備のパスワードは裏技として扱われる事となった。
ただし、ゲームボーイの「ボンバーボーイ」に収録されているボンバーマンでは50面以降(0面含む)のパスワードは認証するもステージ表示までは行くがそこでストップしてしまう。
またシリーズで4桁パスワードがある作品は共通して「5656」「4622」のパスワードには何かしらの要素が発動するものが多い。
ファミコン版のボーナスステージで使われた曲が後にバトルモードでアレンジ曲として使われる事が多かった。
関連イラスト
関連タグ
爆ボン 白ボン 黒ボン プリティボンバー 凶悪ボンバー五人衆
ロードランナー (ファミコン版初代はロードランナーの前日譚にあたる)
アイレム (AC版の制作を務めた)
松永久秀 (戦国時代唯一『爆死』した武将。その史実は度々ゲームにも生かされる)
黄蓋 (真・三國無双における彼の武器のひとつが爆弾であることから)
BTOOOM! (そのルールから『リアルボンバーマン』の異名を持つデスゲームを描いた作品)