※本記事では、SamsungGalaxyの全体について解説する。
シリーズ一覧については子記事を参照。
概要
Galaxyとは韓国のサムスン電子が展開するAndroid搭載スマートフォンおよびタブレットPCのブランド及びシリーズの総称のこと。日本ではDocomo向けのGALAXY S SC-02Bが初。それから2年間くらいはDocomo独占だったがau向けにも機種(その内、独占シリーズも含む)を出している。またGalaxyシリーズに消極的なソフトバンクも一時期Galaxy S6 Edgeを発売していた。また、現在ではJ:COMモバイル、楽天モバイルからも一部のシリーズに限定して発売となっている。ドコモの新プランahamoからでも一部のモデルに限られるが販売されている模様。これにより、お馴染みの携帯電話会社以外からも発売されるようになった。ただし、現時点ではソフトバンクグループのY!mobile向けには発売されていない。
GALAXYシリーズ自体数多くのバリエーションがあり、日本では主にスマホでは「S」「Note」「Tab」「A」。パソコンでは「Book」(ただし、Chromebookは除く)シリーズが出回っている。
日本ではスマホ黎明期からiPhoneの支持が高いこともあってか比較的マイナーだが、海外(特にアメリカ)ではiPhoneシリーズと肩を並べる程の人気を誇っており、常にトップシェアをめぐって争っている。
ただし日本でもガジェットマニアやスペック主義のユーザーを中心に一定の需要があり、フラグシップ端末の新機種が発表された際には各種ニュースサイトにてiPhone並に大きく取り上げられることも多い。
GalaxyNoteではデジタルペイントを趣味や仕事としたり、個人で活動している画家(イラストレーター)などの愛好家向けの機種としては評価が高い事で有名になっている。
試供品であるイヤホンについてはAKG製(及びイヤホンジャック或いはType-C(イヤホンジャック非搭載モデル以降)の有線ケーブルタイプ)がセットに付いてくる。
シリーズにもよるがオリンピック開催発表された記念として「Olympic Games Edition」という特別仕様デザインのモデルが発売されたGalaxyシリーズもある。(記念はオリンピック及びパラリンピック、eスポーツを指している)
近年、サムスンによってモバイルルーターの開発がされ、新たにGalaxyブランド初のデータ通信機器シリーズとして「Galaxy Mobile Wi-Fi」が加わった。
オリジナルブランド(日本)
近年、日本販売向けのSIMフリー端末の事業として自社オリジナルブランドを立ち上げたばかりだが、現時点では現行である全シリーズの内、今では新機種が発表されるまでは品切れ状態となっているが、Galaxy Z Flipの特別デザイン(デザイン名は以下の項目を参照)の一種のみ。
端末による仕様・携帯キャリアなど標準搭載アプリの違い
※全シリーズの内、SIMフリーに該当するGalaxy端末では携帯電話キャリア向けの設定項目(例:ドコモのサービス設定、auのサービス設定)が無い。また、携帯電話キャリア向けのプリインストールされているはずのアプリ(削除不可を含む)が無い仕様となっている。昔からある携帯電話キャリア以外で発売されたSシリーズ、Noteシリーズ、Aシリーズでは楽天モバイル向け、UQモバイル向けのプリインストールアプリになっている等の多少の違いがある。しかし、それらを除けば、スペック面上では共通である。また、FeliCa等のおサイフケータイを始めとしたNFC機能は日本国内向けシリーズの共通点と言えるが、一部のモデルについてはおサイフケータイ非対応機種も存在する。また、USBに関してはMicroBとカードリーダーやHDDの接続に用いられるBタイプ、USBtypeCといったUSB規格が存在する機種がある。また、S21登場以前にはディスプレイの仕様の違いに関してはSペンに対応のディスプレイを採用している端末はGalaxyNoteシリーズのみが当たり前の時代だったようだ。Sペンの対応についてはGalaxyNote及び以下のシリーズ一覧にある対応している一部の端末に限られる。なお、GalaxyNoteのSペンの事に関してはGalaxyNoteとSペンのそれぞれの記事を参照のこと。
Game Boosterについては対応している機種のみにプリインストールされている。
日本向けに発売されているほとんどのGalaxyシリーズがハードウェアに対しては、ガラパゴス機能(日本国内限定の電子決済機能のみ該当)を搭載して日本仕様に仕上げている事が多い。
シリーズごとに搭載されるAndroidについて
全シリーズにはGoogleのAndroidOSがベースとなっている。Androidのオペレーティングシステムのバージョンについては機種にもよるが、全てAndroidOSに統一している。カスタムOSのUIの名前がOneUIで、HuaweiのEMUIやOPPOのColorOSと比べると見た目や仕様、機能が大きく異なる。その他、デバイスケアという自社製の端末最適化アプリもHuaweiのシリーズ端末と同様なアプリも存在する。また、Noteシリーズ向け(Sシリーズは21以降)のOneUI自体にはSペン機能に関した自社ソフトウェアも含まれている。(対応アプリはGalaxyNoteを参照)
コンパニオンアプリについて
Google翻訳アプリに近いシステムのBixbyと呼ばれるサムスンのアシスタントと呼ばれるコンパニオンアプリがある。
各シリーズの搭載チップについて
Galaxyシリーズは国によって搭載チップが異なる。
主に日本、米国版がQualcommのSnapdragonでその他がSamsung自社製のExynosとなっている。(一部例外あり。後述)
基本的にチップ単体の性能(特に映像処理)はSnapdragonの方が高いが、(Galaxyシリーズに限って言えば)自社製プロセッサゆえに細かいチューニングが利くExynos版の方が高いパフォーマンスを発揮する事が多い。
特にバッテリー寿命には大きな差が出ており、ものによってはSnapdragon版に比べて1時間近く長持ちするものも存在する。
また、Exynos版のオーディオDACには音質に定評のあるWolfson社(現在はWolfsonを買収したcirrus logic社)のプロセッサが採用されており、オーディオマニアの間で密かに人気を博している。
日本国内における例外
日本でもGalaxy S6のみExynosになった事がある。ただこちらは当時のSnapdragon(SD810)が爆熱で不評だった故にそれを回避した為だと思われる。
その後、日本ではミドルレンジモデルであるAシリーズが久し振りにExynos搭載Galaxyとなる。
製品一覧
※本記事では日本に出回っているGalaxyシリーズ及びモバイルデータ通信機をテーブル式リストとして本記事に記載しておく。また、シリーズによってはカラーバリエーションの呼び名、色数、モデルナンバーは日本の携帯電話キャリア契約する会社及び販売方法によって異なるので、未発売機種などのグローバル版GalaxyシリーズについてはWikipediaを参照のこと。
海外での販売方針とは異なり、グローバル版を含む海外販売向け表示上では「Samsung」と最初に読み始める様な表記だが、商品名表示上には無く商品名はGalaxyから読み始める表記になっている。基本的には化粧箱の製造者表記のみ「サムスン電子株式会社」と表記される。
企業ロゴが非表示の理由は上記リンクのWikipediaに詳しく書いてあるので参照するべし。
Galaxy S21やGalaxy Note20以降などの現役である各シリーズの最新世代からは移動体通信の5世代にあたる5Gのインターネット接続に対応した端末が発売される様になった。
表示されなくなりましたので、端末の種類が膨大に伴い移動しましたのでこちらをご覧下さい。
事件・裏事情など
SamsungとAppleとの社会的競争上の関係について
発売当初はそのデザインゆえライバル機種であるiPhoneのパクリであることが指摘されていた。(当時アップルのCEOだったスティーブ・ジョブズもそう発言していた)
「S3」以降は大型ディスプレイや丸みを帯びたデザインでiPhoneとの差別化を図ったものの、2018年6月末に示談にて和解が成立するまでのおよそ7年間アップルとの訴訟合戦を行っていた。
何度か敗訴しており、一部のモデルは販売禁止に追い込まれている。
またiPhoneに対抗して作られた端末ということもあり(かつてDocomoもその意図があり、iPhone 5の発売時に宣伝部長が「なんとか5」という発言をして一時期話題になった。)iPhoneの欠点とGalaxyの長所を対比するというある種挑戦的な比較CMを展開しており、賛否両論巻き起こっている。シェアトップのアメリカでは概ね称賛や同情のコメントが寄せられているが、iPhoneのシェアが大きい日本は勿論のこと、アメリカ程ではないものの比較的シェアが大きい韓国ユーザーからも「レベルが低過ぎる」と否定的なコメントを寄せられている。
一応言っておくと、同CMではイヤホンジャック撤廃や画面の形状が歪になるノッチ、外部ストレージの非対応など実際にiPhoneが抱えている欠点も指摘しており、完全に的外れな批判とは言い切れない面もある。近年他企業がAppleのやり方に倣うことが多い中(ノッチを付け出したりイヤホンジャックを取っ払ったり等々)あえてAppleに対して反発する姿勢を見せている事自体を評価する声もある。
…のだが、最近の比較CMはわざわざ旧型iPhone6と最新機種Galaxy S9を比較するものもあり、iPhoneの欠点を的確に指摘してきた切れ味に陰りが見えつつある。
サムスンのアップルに対する敵愾心はこれだけに留まらず、ソチオリンピックの時には各国の選手に対して「Galaxy Note3を無償提供するから開会式でiPhoneを使う場合はAppleロゴを隠せ」と要請するという国際問題になりかねないことまで行っていた。
(当然ながらIOCは「iPhoneを使う際にAppleロゴを隠す必要は無い」とコメントしている)
バッテリー不良に発生した問題・爆発事故後の対応
GalaxyNote2016年に発売された「Galaxy Note7」(日本未発売モデル)は海外で爆発事故などが相次ぎ、交換した製品さえも更に爆発が発生するという前代未聞の異常事態と化し、新規製造・交換を順次停止。遂に10月前半には製品の生産・販売そのものが僅か2か月以内で完全に終了してしまった。
リコールには凄まじい額の損失を出し、Galaxyブランドどころかサムスン本体にまで相当なマイナスイメージを与えてしまった。
サムスンはこの事態を重く受け止め、Note7以降の端末に搭載されるバッテリーのチェックをより一層強化すると公表。
その甲斐あってか2017年に発売されたGalaxy Note8はNote7のような爆発事故は起こっておらず、またNote8の少し前に発売されたGalaxy S8の高い人気も影響し、Note edge以来およそ3年ぶりとなる日本モデルが発売された。
Galaxy Note7のリチウム電池に欠陥があり、いきなり煙を吹いたり発火したりする事故が相次いだ。ほぼ同時期Galaxy S7でも同様の爆発事故が発生し、リコール時に交換した製品までもが爆発するという異常事態を招いてしまった。
世界各国の航空会社によってNote7の機内持ち込みが禁止される事態にまで至った。
7という数は一般的には縁起の良い数として知られるが、Galaxyシリーズに限ってはそうでは無かったらしい。事故発生からしばらくしてNote7は後に「Galaxy Note FE」としてハードウェアはそのままにリチウム電池は欠陥のない厳重に検査されたバッテリーが採用されたモデルが日本国外にて再販された模様。ちなみに、FEは「Fan Edition」の略。
この事故に対する調査は非常に難航し、サムスンの対応もかなり遅かったためユーザーから厳しく批判された。
ちなみに発火の原因はバッテリー内にある絶縁シートの変形及び亀裂によるショートである。
この事件を切っ掛けにバッテリーをこれまでのATL社から村田製作所に切り替える方針をとったというニュースが流れ、(主に日本で)物議をかもした。
しかし最終的に自社製で落ち着いた模様。ちなみに村田製作所はかねてよりGalaxyシリーズのWi-Fiモジュールの製造を担当しており、割りと古くから付き合いがある模様。
ちなみに発火自体は他のリチウム電池を搭載した機器でも起こりがちな現象であり、劣化したリチウム電池がパンパンに膨れ上がって爆発すると言う事故が多く発生している。
事件翌年に発売された後継機・Galaxy Note8でもバッテリー問題が発生しているが、こちらで問題視されているのは「ギリギリまで使いすぎると充電できなくなる」と言うもので、ユーザーの心掛け次第でどうにかなるレベルである。(というよりこれもリチウム電池を搭載した機器なら少なからず起こりがちな現象なのだが)
Galaxy Note8では発火事件の再発を防ぎ、4ヶ月後に発売された[[Galaxy S8]>GalaxyS8]は歴代シリーズでも最高クラスの予約数及び販売数を記録し、Galaxyシリーズに対する支持を取り戻した。
2018年にGalaxy S8の後継機種であるGalaxy S9が発売されたのだが、ベンチマークスコアでiPhoneXはおろか一部のベンチマークテストではiPhone7すら下回っており、バッテリーの持続時間(これは誤差もあるが)も他社の最新機種と比べて短いことが明らかになっている。
元々AndroidとiPhoneはOSやプロセッサをはじめとした内部仕様が全く違う為ベンチマークスコアだけで単純比較してはいけないのだが、トップクラスの性能が売りだったGalaxy Sシリーズゆえに批判の声がちらほら出ている。
一応言っておくとGalaxy S9自体の評価は決して低くなく、あくまでも「他機種と比較した際」の批判だと言うことを追記しておく。また画面の発色の良さや、充電の速さ、引き継がれたイヤホンジャック等Galaxyの方が勝っている部分も少なからず存在している。
そもそもベンチマークソフト起動時にターボモードを使って意図的に性能を上げてる端末も存在している(huawei等。かつてGalaxyもS4やNote3の時に行っていた)のでベンチマークスコア自体の信憑性も薄れてきているのが現状である。
2018年9月16日に、発売から1ヶ月足らずの初期の製造時期に生産された一部のGalaxy Note9で発火事故が発生し上記したNote7の影響で悪夢の再来かと騒がれていたが、現在のところNote7程の惨事は起きていない為、現在はそこまで話題になっていない。※発火原因は恐らく、バッテリー構造上による不良の問題ではなく端末の持ち主自身が誤った使い方や発火の恐れがある保管状態で放置をしたなどで発生したと考えられるのが理由だと思われる。
一部のGalaxy S9やGalaxy Note8で端末に保存されている画像が勝手に送信される不具合が報告されている。送信履歴には残らないため、携帯電話キャリアの通信履歴などを確認しなければ気付けない。
お持ちのGalaxyシリーズで同様の不具合が発生した場合はこちらのページを参考に設定変更を行うことが推奨される。
余談
テーマ曲
シリーズの伝統としてテーマ曲「Over the Horizon」を採用しており、Galaxy Sシリーズの変化に合わせてアレンジされていく方式をとっている。
アレンジとしては初代がギター主体のロック調、2代目がストリングス主体の穏やかもの、3代目が2代目をもっと重厚にしたような雰囲気、4代目はフルオーケストラによる生演奏、5代目はスウェーデンの技巧バンドDirty Loopsとのタイアップ、6代目は一人で多数の楽器を演奏し、それをひとつにミックスする「独りオーケストラ」で有名なJacob Collier氏の公式カバー、7代目はアイスランドの作曲家Pétur Jónsson氏のアレンジ、8代目は4代目以来のフルオーケストラで美しく雄大な海をイメージした曲調となっている。
いずれもGalaxyユーザーなら必聴の良曲である。
因みにショートバージョンが着メロとして設定できる。
日本向けのCM・宣伝について
日本向けにカスタムした携帯電話キャリア独自のCMだったが、近年はローカライズされていない国外仕様のグローバル版を見本として登場している。
折り畳みスマホ
2018年頃から有機ELディスプレイの特性を利用した折り畳み式スマホの噂情報がネットで流れだし、Samsungのモバイル部門のCEOのDJKoh氏も「近いうちに詳細を発表する」と肯定的なコメントを発表していた。
2018年11月7日(現地時間)にアメリカで開催された「Samsung Developer Conference 2018」にてその折り畳みスマホと思われるデバイスが登場。ただし当時はその折り畳みスマホと明言されておらず、閉じたときは4インチディスプレイの中型スマホ、開いたときは7.3インチディスプレイのタブレットになるという仕様のみ紹介された。
そして2019年2月11日の午前4時(日本時間)にアメリカのサンフランシスコよりライブ配信された「Galaxy Unpacked 2019」にて「Galaxy Fold」という名称で一般販売されることが発表された。
閉じたときは4.6インチのごく普通のディスプレイに映像が表示されるが、開いたときは7.3インチの大型ディスプレイに映像が表示され、アプリケーションも最大3つまで同時に起動できるようになるとのこと。
価格は1,980USドル(約22万円)とかなり高額だが12GBのRAM(LPDDR4X)と512GBのUFS3.0ストレージ、5G通信(一部のみ)、6つのカメラレンズ(背面3つ、カバー内2つ、カバー外1つ)と価格に見合ったモンスタースペックとなっている。
4月26日発売予定だったが、およそ一週間前にレビュアー用に配布された一部の端末にて大型ディスプレイの中心にある境に当たるヒンジ部分の破損が報告され、発売延期となった。
9月6日に韓国にて発売。他の国にも順次発売が予定されている。
日本では10月25日発売予定。
折り畳みスマホに該当するGalaxy Z及びFoldシリーズは日本の場合、auのみで独占リリースで展開されている。
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