概要
対して西洋のドラゴンは西洋竜と呼ばれる。
ちなみに、漢字としては竜のが龍よりも古く格式もある。龍は、中国の皇帝が自らを竜の親縁だと言う為に作らせた表記だという説がある。
東洋では「龍」は水神の使い、もしくは神格として描かれる。その姿は蛇に似ており、長い身体に鬣と髭、そして手足を持っているのが特徴。古来東洋では水の流れる様が蛇に似ていることから蛇を水神として祀り上げ、さらにそこから派生した架空の生物である龍を神格とした。
そのため、西洋では自然は人間と対立するものとみなす一神教の影響を受けて悪魔や怪獣として描かれるドラゴンとは異なり、自然そのものを体現する姿として龍は描かれていった。
ただし、西洋竜の中でもラードーン、羊毛の守護竜、ピュートーン、カドモスの大蛇、Y_Ddraig_Gochやゲルマンの白竜、スラブのズメイ、リンドブルム、等、かなりの数の竜が悪でない存在として知られており、神格であったり特にズメイには天候を操る存在も少なくない。
- 同様に、東洋竜の中にも「黒姫伝説」の黒竜や「三湖伝説」の八郎太郎の様に利己的な理由で人間に災いをなすものが存在する。
由来
東洋の竜やマカラのデザイン自体が、ギリシャ神話の化け鯨・ケートスに由来しているとされ(ドラゴンの語源もギリシャ神話である)、ラクダおかげでシルクロードを伝わって東洋に入ったとされる(東洋の竜の頭も駱駝の頭とされ、竜頭の語源は竜生九子の蒲牢でクジラを恐れる)。西洋でも東洋でも鯨と竜は呼応しており、ペルシャの十二支では辰の位置に鯨がいたり、中国やベトナムでは鯨を竜王として崇めたり、竜生九子などの様に竜に匹敵したり竜が恐れる存在として鯨がいたりする話が日本にもあったり、竜宮の使いの鯨を人間が殺したことで神の怒りを買い捕鯨者共が全滅する話が日本にあったり、タニファやリヴァイアサンやアスピドケロンやタンニーンやヨナと大魚等鯨とも竜とも捉えられる存在がいたりと、鯨と竜の関係はかなり深い。
竜の究極体である応竜が翼を持つのも、ギリシャ神話への先祖帰りとも言えるだろうか。
中国竜の最初期の姿は猪の頭を持つ竜であり、鯨と駱駝と麒麟と猪が分類学上の親戚なのも因果を感じる。ペルシャの十二支の辰が鯨や他の国では鰐なのも、ヨウスコウワニも中国の竜伝説の由来の一つとされており因果を感じる。
ちなみに、鯨類の故郷もギリシャ周辺のチテス海であり、現代のギリシャの国獣もイルカである。
なお、厳密に言えば種族としての竜だけでなく、キツネ、鯉(滝登り)、ヘビ、ウマ(竜馬や麒麟とは別)、法螺貝(出世法螺)、蛤(蜃)、人間等の進化先としての龍も存在する。
関連項目
表記ゆれ:東洋竜