概要
バンダイから発売されたスーパーファミコン用のリアルタイムストラテジー。SFCでは初のガンダムシリーズである。
正式名は『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』。映画『機動戦士ガンダムF91』の外伝作品であり、勘違いされやすいが「F90」ではない。
設定的には漫画『機動戦士ガンダムF90』(第一次オールズモビル戦役。宇宙世紀0120年)の後日譚で、映画『機動戦士ガンダムF91』(コスモ・バビロニア建国紛争。宇宙世紀0123年)の前日譚であるU.C.0122年の「第二次オールズモビル戦役」である。
序盤はガンダムF90に搭乗してA・D・Vの各種ミッションパックを使い分けながら火星のジオン軍の残党オールズモビルと戦い、後半ではガンダムF91(バイオコンピューター未搭載)を受領して(F91の修理中はF90を使う)OMを裏から操っていたクロスボーン・バンガード(コスモ・バビロニア)と戦い抜いていく。
あらすじ
宇宙世紀0120年に起きた火星でのオールズモビルこと火星独立ジオン軍と地球連邦軍の戦いから2年後、オールズモビルは組織を再編し、新型のモビルスーツを持って、地球圏を脅かし始めた。
それに対して連邦は反地球連邦組織討伐部隊を結成してオールズモビル掃討と彼らの支援者の調査を命じた。第13反地球連邦組織討伐部隊旗艦エイブラムは本隊へのF90移送を遂行中に敵を襲撃を受けるがパイロットであるベルフ・スクレット少尉がF90に乗り込んで敵部隊を撃退した。
そしてベルフは本隊と合流するまでの間、F90のパイロットを担当する事となる。
登場キャラ
地球連邦軍
- ベルフ・スクレット
エイブラム所属のパイロット。階級は少尉。19歳。
本来の乗機はジェガンであったが、同機が損傷した為に出撃できず戦闘を見る事に我慢できず、移送中だったF90に乗り込んで敵を撃退、この後、本隊と合流するまでの間、戦力不足を補うために暫定的にF90のパイロットになった。
元々は実戦経験もあまりなく平凡なパイロットだったがF90を駆っていくうちにパイロットとして頭角を現していき、本隊と合流後は正式にF90のパイロットに任命され、後にF91にも機乗。オールズモビル壊滅に貢献した。
- アンナフェル・マーモセット
エイブラム所属のジェガンパイロット。階級は准尉。19歳。
ベルフとは恋仲だが彼に対抗意識を燃やすところもある。
ヒロインのはずだが、地球降下時の大気圏突入の際に行方不明になる。
- アルベルト・エア
エイブラム所属のMSパイロット。階級は中尉。27歳。
ベルフの兄貴分のような存在で、常に最前線で戦う勇敢なパイロットである。
- エリナ・ビアック
エイブラム所属のパイロット。階級は少尉。22歳。
女性なのだが男っぽい体格と性格である。
- ワイブル・ガードナー
エイブラムの艦長で階級は中佐。57歳。
冷静沈着な性格で、この時代の連邦軍においては数少ない有能な軍人。
F91の輸送並びにオールドモビル残党の討伐後はコスモ・バビロニア建国戦争でも功を上げた。
漫画『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』に登場しており、第2艦隊司令官にとして就任し、先輩であるカムナ・タチバナと共にフロンティアサイド奪回へ向かった。
- ブラウン・ウッダー
エイブラムのチーフメカニック。階級は中尉。62歳。
- アリーナ・ベズロー
エイブラムのオペレーター。階級は軍曹。22歳。
- ワイルダー・カッツ
オールズモビル掃討部隊本隊所属のパイロット。階級は中尉。23歳。
本来はF90のパイロットになるはずだったがベルフにその座を奪われた。地上の戦いでベルフらと行動を共にする。
F90打ち上げ輸送のシャトルを守るためにジェガンで出撃し戦死。
- レイラ・ビアス
地上部隊の母艦であるガルダ級輸送艦ガーウィッシュの艦長。階級は大佐。43歳。
オールズモビル
- シャルル・ロウチェスター
オールズモビルの中核となるシャルル艦隊の指揮官。階級は少佐。25歳。
宇宙世紀0090年代後期の生まれでありながら、滅びたジオン軍人の誇りを受け継いでいる。
パイロットとしての技量も高く、乗機のRFゲルググは専用の赤カラーリングとカスタマイズが行われており、幾度となくベルフと激戦を繰り広げる。
『F90FF』で描かれたオールズモビル戦役前の112年ではまだ新兵であった時代が描かれており、この時の階級は軍曹でリゲルグに乗っていたが仲間のザクⅢ改とギラ・ズールが何者かの襲撃で破壊されたものの何とか逃げる。
システム
当時としては斬新なリアルタイムSLGであり、リアルタイプガンダムを操縦して戦っている雰囲気や臨場感を味わえるガンダムゲーはホットスクランブル以来である。
(画像はイメージ)
プレイヤー側の攻撃は、武器の有効射程距離を把握すればある程度戦えるが、防御や回避は運まかせで、ジェガンやGキャノンといった味方戦力は足止めにすらならない役立たず揃いな上に、彼らが全滅してもゲームオーバーとなるので結果孤軍奮闘を強いられるハメになり、更にヒロインのアンナフィルが序盤でいつの間にか消滅していたり等フラグが回収できていない、敵ユニットのパラメーター管理が悪く一発で容易く撃墜できてしまう武器があるなど、賛否両論分かれて人を選ぶゲームになってしまっている。
理不尽なゲームバランスとシステムに関する説明不足がその主な要因であるが、その美しいドット絵と楽曲は今なお評価が高く、リメイクを望む声も多い。
近年ではGジェネシリーズなどに登場する、オールズ・モビルのRFシリーズMSは、元は本作のために描き起こされたものである(なお本作では容量の関係なのかRFの肩書が省略されている)。
近年、SDガンダムGジェネレーションスピリッツの戦闘デモに本タイトルを意識したと思われるものが収録され、ちょっと話題になった。
機動戦士ガンダムF90FF
同作では各巻のプロローグとして描かれている。
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