バジリスク(ウィザーディング・ワールド)
ばじりすく
種としてのバジリスク
毒蛇の王(King of Serpents)としても知られている巨大な蛇の一種。
魔法省による生物の危険度を示したM.O.M.分類は最高位のXXXXX(魔法使い殺しとして知られる/訓練することも、飼いならすこともできない)。
同じ危険度XXXXXの大蜘蛛アクロマンチュラにとって天敵といえる存在で、蜘蛛が逃げ出すのはバジリスクが来る前触れである。
唯一の致命的弱点は鶏が時をつくる声で、唯一それからは逃げ出す。
外見
皮膚(鱗)は鮮やかな緑色、目は黄色、雄の場合頭に深紅の羽毛が生えている。
脱皮を繰り返して成長し、樫の木の幹ほどの太さ、体長15メートルにまで大きくなる。
能力
目視した者を即死させる強力な眼光を持ち、鏡や水面などで間接的に黙視すると石化する。
解呪作用も持つマンドレイクの解毒剤でないと石化から元に戻らない。
また万物を殺すとも言われるほど強烈な腐食性の毒牙、呪文をそらす事ができる強化された皮膚。
聴覚、臭覚に優れ、数百年から数千年の寿命を持ち、高い知能を持つこともある。
サラザール・スリザリンのバジリスク
誕生の経緯
蛇語使いの才能を持つサラザール・スリザリンはゴドリック・グリフィンドール、ヘルガ・ハッフルパフ、ロウェナ・レイブンクローらと共にホグワーツ魔法魔術学校を創設した創始者の一人である。
しかし、サラザールは次第にホグワーツの生徒たちを魔法族の血を汲む者に厳選すべきという考えを持つようになる。
マグル生まれ(マグルボーン)の魔法使い・魔女、即ち両親が魔法力を持たないマグルである者たちが生徒に相応しくないというサラザールの考えは他の三人の創始者たちと相容れなかった。
特にゴドリックからの反対が凄まじく、親友であった二人は決闘にまで発展し、決闘の末、サラザールは秘密の部屋とその部屋に怪物(バジリスク)を残してホグワーツを去った。
スリザリンの継承者たち
蛇語を鍵とした秘密の部屋に封印されたスリザリンのバジリスクはその後もサラザールの意志を継ぎ、マグル生まれたちを排除しようとするサラザールの子孫たちによって使役されていた。
バジリスクはホグワーツ城に張り巡らされているパイプを使って移動していた。
裏設定などで明らかになったが、ホグワーツ改修工事の際に配管の都合で秘密の部屋の入り口が暴露されそうになり、コルヴィヌス・ゴーントが入り口を二階の女子トイレに移したとされている。
1943年トム・リドル
1943年に当時スリザリン寮の五年生にして監督生であった半純血の魔法使い、後に不世出の闇の魔法使いヴォルデモート卿となるトム・リドルが秘密の部屋を開き、バジリスクを解き放った。
生徒が次々と襲撃されて石化してしまう中、とうとうマートル・エリザベス・ワレンが死亡してしまい、ホグワーツは閉校の危機に陥った。
トム・リドルは当時秘密裏にアクロマンチュラのアラゴグを飼育していた三年生のルビウス・ハグリッドを犯人に仕立て上げるも、副校長のアルバス・ダンブルドアの監視のためそれ以上バジリスクを操ることが叶わなかった。
1993年ジニー・ウィーズリー
マートルの死をもって作られた分霊箱、トム・マールヴォロ・リドルの日記をヴォルデモート卿から預けられていた死喰い人ルシウス・マルフォイは自身と反目するアーサー・ウィーズリーの娘、ジニー・ウィーズリーの手元に日記を忍ばせた。
事件を起こすことで彼の信用を貶め、アルバス・ダンブルドアをホグワーツから追放させ、自分にとって不利な物証を片付けるという一石三鳥を狙ったものであった。
ジニーは『記憶』であるトム・リドルに力を奪われ、操られて秘密の部屋を解放してしまう。
ただ幸いなことに、偶然にもどの被害者もバジリスクの姿を直接見たわけではなく鏡やレンズ、水の反射などを通して見たり、元から死んでいるゴーストであったため石化しただけで済み、最終的にはマンドレイクの薬で回復している。
そもそも「秘密の部屋の怪物」の正体がなんであるかは最終局面でハーマイオニーが勘付き、メモを握りしめたまま対策として持ち歩いていた手鏡でバジリスクを確認、石化するまで誰一人として察知していなかった。
こんな状況で一人の死者が出なかったのは奇跡としか言いようがなく、本来であれば夥しい死者が出る事が予想できた。
バジリスクの毒は本当に強烈であり、他の似た物品と同様にとある事情で物理的魔術的損傷に強い耐性を持っている(魔法界では一般的な羊皮紙で出来ているにも関わらず、水浸しになっても乾かすことなく書き込むことすら出来た)トム・リドルの日記を容易く破壊してのけた、また、そのことが第七巻「死の秘宝」においては重要な意味を持つことになる。