概要
田宮模型(現・タミヤ)から発売されたミニ四駆のシリーズの一つ。
第2次ブームが沈静化し、ミニ四駆の所謂「冬の時代」だった2005年に展開した新シリーズである。
背景には、前年にバンダイから発売された爆シードの登場も要因にある。
これまでのシャーシ後方(または前方)に置かれたワンシャフトモーター(短軸)が動力源だったシャーシの概念を覆すシャーシ中心部に置かれたダブルシャフトモーターを動力源にしている事で、それまで当たり前だったドライブシャフトが存在しない。
また、ブームを牽引した原作「ダッシュ!四駆郎」「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」付きのモデルも発売された事からミニ四駆第一次~二次ブームど真ん中世代もこのシリーズに触れることとなり、酷くカルチャーショックを受ける事となった。
シリーズのコアとなるシャーシは大まかに2種類存在し、センターユニットをメインとして前後のユニットが分割できるMSシャーシと、シャーシが一体化されてサイドバンパーを追加したMAシャーシがある。MSシャーシのフロントバンパーはキットにより2種類あり、それらとは別に前後のバンパーレスユニットがグレードアップパーツとして発売されていた。
マシンは名の知れたデザイナーが手掛けたオリジナルモデルのほか、上述通り原作付きマシンのボディをダブルシャフト用に改修・リデザインしたもので占められている。2018年には実車モデルがそのままラインナップに加えられてしまった(トヨタ ガズーレーシング TS050)。
同じモデルの色違いやコラボモデルが発売されることもあるが、そちらは生産数を絞ったミニ四駆特別企画品にカテゴライズされ、一般発売のもの以外はミニ四駆PROとは呼ばれない。
シリーズ開始から2013年1月発売のアストラルスターまでMSシャーシが主流だったが、同年6月のブラストアローを境にMAシャーシに交代。現在ではこのシャーシをベースにした新作モデルが開発されている。
とはいえMSシャーシも型遅れになったわけではなく、むしろ上級者ほどMAよりMSを好み結果を残すなど決してポテンシャルで劣っているわけではない。そこがミニ四駆の面白いところでもある。
また、ミニ四駆REVシリーズと違い今までなかったダブルシャフトモーターのシャーシを前提にした規格でボディがデザインされているためか、原作付きでもこのシャーシを使用したマシンは「スーパーミニ四駆」や「フルカウルミニ四駆」にカテゴライズされる事はない。
10年以上続く歴史の長いシリーズのため、初期の一部商品は絶版になっておりプレミアがついてるので注意。
全てのボディに対応ではないが、グレードアップパーツNo.356「MSシャーシ ミニ四駆ボディ用アダプター&ボディキャッチセット」を使うことで片軸モーターのボディもMS/MAシャーシに搭載できるが、現在このパーツは販売されてない模様。
ミニ四駆PROシリーズ一覧
MS
ナイトロサンダー・ブルー
ナイトロフォース・グリーン
ナイトロサンダー・イエロー
ナイトロフォース・レッド
ナイトロサンダー・ブラック
ナイトロフォース・シルバー
ナイトロサンダー
ナイトロフォース
ダッシュ1号・皇帝(MSシャーシ)
ダッシュ2号・太陽(MSシャーシ)
ダッシュ3号・流星(シューティングスター)(MSシャーシ)
ダッシュ01号・超皇帝(スーパーエンペラー)(MSシャーシ)
MA
ミニ四駆スターターパックMA パワータイプ(ブラストアロー)
トヨタ ガズーレーシング TS050
トヨタ ガズーレーシング WRT/ヤリス WRC
トヨタ GRスープラ
ロボレース デボット2.0
余談
このシリーズに採用されている両軸モーターはミニ四駆PRO専用モーターと言うわけではなく、近年ではアオシマから発売されたサンダーバードの「電動両軸モーター走行 磁力牽引車」にも採用されている。
そのほか、80年代にヨーデル模型から発売された「80ミニカーラリーシリーズ」という、コミカルミニ四駆を小さくしたモデルで両軸モーターが採用されていた。ただしこちらはコミカルミニ四駆(を含めた初期のミニ四駆)同様ウォームギアによる駆動であるのとモーターの軸長が異なるため互換性はない。