曖昧さ回避
概要
胴体(胸部)を覆う防具(装甲)。革、青銅、鉄などで作られるものが多い。
英語でブレストプレート(Breastplate)、もしくはキュイラス(Cuirass)。
ブレストプレートは多くの場合バックプレートという背当てと対になっており、これを合わせてバックアンドブレストとも呼ぶ。
「鎧」の英訳としてはアーマー(Armor)がよく知られているが、この語は厳密には「全身を覆う甲冑」を意味する(『プレートアーマー』の記事を参照)。
胸当ては甲冑を構成する部品の一つ、もしくは甲冑よりも簡素で軽量な別種の防具である。
いわゆるファンタジー作品の登場人物がこれを装備していることが多く、基本デザインが胸当て込みになっている例も見られる。
「ブレストプレート」や「キュイラス」のタグとしての使用例は少ないが、描かれる機会は多い。
東洋の胴鎧は腹部の防御に集中したものが多く、胸部に大型の部品を用いるものは少ない。
ただし唐代の「明光鎧」は胸部と背部に「護心鏡」という楕円形の板金装甲を用いている。
あくまのむねあて
名作RPG『Wizardry』で入手可能な防具の一つ。
初出はシナリオ#1『狂王の試練場』で、-2の呪いがかかった「BREAST PLATE -2」として登場。
Macintosh版への移植に伴い「Devil's B-Plate」と命名され、FC版ではこれを「あくまのむねあて」と訳している。
防具としての性能が低く、一度装備するとボルタック商店で解呪してもらわなければ外せないが、他に目立ったデメリット等はない、ありふれた呪いの装備の一つだった。
KODでも同様の扱いで登場、LOLと#4・#5では-2の呪いの装備が登場しない。
このアイテムに注目が集まったのはGB版『外伝Ⅰ』から。
鎖かたびら同様司教にも装備可能となっており、不死族に対する防御効果と冷気属性に対する耐性が付与されているが、HPが徐々に減っていく呪いがかかっているので普通は装備しない。
が、「HPが最大値まで回復する」というスペシャルパワー(SP)を持っており、おまけにSP解放時の破損率は0%。
SPだけに戦闘中は使用できない、解放時にうっかり装備してしまわないよう気を付けなければならないという問題点はあるが、B4に到達した段階でこれを入手できれば、その後の冒険の重要な命綱ともなりうるチート級のアイテムである。
一般的なJRPGでは宿屋に一泊すればHPは最大値まで回復することが多いが、『Wizardry』では一週間単位でHPの回復量と宿泊費が部屋のランクごとに設定されており、場合によっては年単位で逗留しても全快に至らないことさえある。
この辺りのバランスをとるために「HP全快のSPを気軽に使えるアイテム」という救済措置が必要とされたのはともかく、それがなぜ「あくまのむねあて」だったのかは不明。
『外伝Ⅱ』でも同様の性能で登場、『外伝Ⅲ』では防御効果と属性耐性およびHP減少の呪いがなくなり、『外伝Ⅳ』ではSP解放時の破損率が25%に、『DIMGUIL』では破損率が50%となっており、気軽には使えなくなっている。
なお『外伝Ⅳ』と『DIMGUIL』における英語表記は "Cursed Breast" 。