概要
太古の女神ティアマトを連想させる鱗の(Scaly)女帝(Empress)。
「あの娘はわらわの目となり耳となり口となる。わらわの分身として外の世界を支配するのじゃ。邪魔立ては許さぬ。そなた達はここで死ぬがよい。」
ラスボスだけに戦闘能力は最強(本作にはボーナスダンジョンや裏ボスの類はない)。
さらに六魔王(後述)の一角であるディスペラントを後続(お供)につけており、当然グレーターデーモンもご一緒します。
なお彼女を倒すと入手できる『女帝の鱗』は盾として装備も可能。ただし呪われている。
外伝Ⅱについて
『ウィザードリィ外伝II ~古代皇帝の呪い~』(Curse of the Ancient Emperor)は、1992年に発売されたゲームボーイ専用カートリッジ。発売・開発元はアスキー。
かのベニー松山がメインストーリー及びゲームバランス構成を担当。
さらに原作・ベニー松山、作画・池上明子でコミカライズ版『黄泉の覇王』全二巻がアスキーコミックスで発行された。
1994年、古川日出男によるノベライズ版『砂の王』が株式会社アスペクトからログアウト冒険文庫で発表されているが、一巻のみで未完のまま終わっている。
後年、同じ作者によって角川書店から発行された長編『アラビアの夜の種族』に、『外伝Ⅱ』と『砂の王』を意識したくだりがある。
2018年、古川日出男がベニー松山と対談した記事では「砂の王」から着想を得たことを認めている。
後にネザードメイン(Nether Domain)#3としてリメイクされている。クリア後の後日談や新モンスター・新アイテム、そして隠しイベントが追加されているとの由。
外伝Ⅱの舞台はリルガミンではなく、砂漠のオアシスに作られた交易都市・アルマール(Almarl)。登場するモンスターや迷宮の仕掛けには東洋文化を意識したものが数多く含まれている。
ウィザードリィ外伝シリーズに関しては当該記事を参照。
古代皇帝の呪い
アルマール近郊で未知の古代遺跡が発見され、領主ウディーンは退屈しのぎに発掘調査を命ずる。
だが作業中に落盤事故が発生し、多くの死者がでると共に、地下迷宮への入り口と古代文字の碑文が発見された。
『最後の皇帝にして、闇と結びし邪悪なる妖術師、ハルギスここにねむる。その眠りを妨げることなかれ。墓所の封印に触れることなかれ』
この警告は遅すぎた。永き眠りから解き放たれた古代皇帝の邪悪な魂は、いまやアルマール全土を呪いで包み、一度は埋葬された犠牲者たちの骸が起き上がり、地下迷宮へと消えていった。
さらに災いはウディーンの十五歳になる一人娘・マナヤに降りかかる。彼女は突如として視覚と聴覚、そして言葉を失い、ウディーンがあらゆる手を尽くしても呪いの解ける兆しはなかった。
皇帝の墓所からあふれ出す瘴気に侵され、活気を失ったアルマールは絶望と無気力のはびこる無法の町へと成り果てた。やむなくウディーンは決断を下す…
『わが娘マナヤにかけられた邪悪なる皇帝の呪いを見事退けし者への、アルマールにおける身分と望むままの褒賞をここに約束するものなり』
登場人物
『wizardry』シリーズの伝統に従い、プレイヤーが操作する冒険者の人格や背景に関する設定は何もない。
よって物語の「登場人物」とはNPC及び固定出現モンスターを指す。
ウディーン
アルマール領主。
褒章を渡す際にも恩着せがましい発言を繰り返すなど、逆に清清しくなるほどの『尊大な小人物』。
マナヤ
ウディーンの娘。彼女にかけられた呪いを解くことが、プレイヤーの最初の目的になる。
実際には『ハルギスよりもさらに邪悪な存在』が彼女の身体を支配しており、ハルギスの呪いはこれを封じ込めておくものだった。
B1某所に固定出現。ヒーリングバグの影響で設定値以上の難敵となっており、初心者向けサンドバッグとは言い難い部分もある。
サンドクラッド
B4某所に固定出現。砂の中を自在に泳ぎ回る悪鬼。エレベーターを使用するために必要な砂のメダルを持っている。ヒーリングバグの影響が最も強く現れており、攻略の手順を多少工夫しないと歯が立たない。
古代皇帝ハルギス
遥かな太古にこの地で権勢を揮った皇帝にして妖術師。肉体は既に朽ちており、魔物の分類としてはリッチに属する。
彼を倒し『皇帝の兜』を持ち帰れば当初の目的は達成されるが、それは真の冒険の始まりに過ぎない。
ウォーマスター
ハルギスの墓所のさらに下層には、五行の祭壇が隠されている。四方の玄室で待ち受ける四聖獣(オブシディアントータス、ルビーフェニックス、アイヴォリータイガー、サファイアドラゴン)を倒し、封印された黄泉への道を開くと、東洋の伝説的魔神・蚩尤ことウォーマスターが現れ出でる。
六魔王
黄泉のフロアは七つのエリアに分かれており、女帝・スケイリーエンプレスが待ち受ける最終エリアに到達するためには、彼女に従う六体の魔王との連戦を勝ち抜かなければならない(出現順序はランダム)。
これらの魔王はその名のごとくラスボスを務めていても不思議でないほどの実力者ぞろいであり、女帝に服従しているというよりは、それぞれに思惑を持ってこの立場にいると思われる。
『総ての者に平等なるもの・・・それは我。我こそ'死'そのものなり』(不確定名"がいこつ")
熱風が吹きぬけた。熱砂を渡る乾いた風。風の魔神の先触れだった。(不確定名"あくま")
『蹂躙せよ!この空間を我らが眷属のものとするのだ!』(不確定名"あらぶるすがた")
まるで闇が染み出すように見えた。それが翼を広げたのだ。恐怖が突き上げてくる。(不確定名"きょうふをよびおこすもの")
'None shall past, If ye wish, Ye shall die.'(不確定名"ほのお")
'Fools! Welcome to your doom!'(不確定名"きょだいなはえ")
モンスターリスト
モンスター(wizardry)も参照。
上述の通り、アラビア世界や東洋世界を意識した魔物が多数出現する。
コスト削減のため、かなりの割合で前作と同じグラフィックが使いまわされている。三種のジャイアントゾンビと四種ドラゴンゾンビは生前の姿がそのまま用いられている。
スティンクスライム クリーピングバイン ブラディーバット ローグ アントライオンラーヴァ
バンディット ワーバッファロー ジャイアントアント ヨギ マジシャン
アンデッドウォリアー トーチャラー ゾンビ モンク ゲニン
スフィンクス クレリック ソーサラー ツインホーンドビートル ホビットアーチャー
ニンジャ アッシャー ロッティングコープス ヴィーナスマントラップ エレファント
ヒュージセンティピード ソウルトラッパー ガルーダ キングコブラ ジンニヤー
サラマンダー エクスキューショナー サムライ ガキ ライフスティーラー
ソーサリス ジャイアントスコーピオン アーマードライナサラス キメラ イエティ
ゴーゴン ガーゴイル シァンヌィ ダークプリースト ケイオス
バンパイア ガンダルヴァ ヌエ ウィルオーウィスプ ハイプリースト
マンティコア ポイゾンジャイアント ジャイアントゾンビ(ポイゾン) イフリート サッキュバス
ヤシャ フェイトスピナー ファイアージャイアント ジャイアントゾンビ(ファイアー) ラセツ
レッサーデーモン マスターシーフ マッドゴーレム かまいたち スプリガン
ハイウィザード タタール フロストジャイアント ジャイアントゾンビ(フロスト) バラモン
アークウィザード ハイニンジャ ハイプリーステス グレーターデーモン オロチ
ドラゴンゾンビ(オロチ) ハイソーサリス フラック フレイムドラゴン ドラゴンゾンビ(フレイム)
コールドドラゴン ドラゴンゾンビ(コールド) ライカーガス アースドラゴン ドラゴンゾンビ(アース)
サイデル レイバーロード エアージャイアント ストーム ライトニング
ラーフィングスラスター ザ・ハイマスター デリュージャン
召喚モンスター
アイテム
本作では五行の神器と呼ばれる五種の強力な武器が入手可能。
ただしいずれも種族と職業を完全に限定しているため、パーティー編成によっては無用の長物である。
六魔王の宝箱に低確率で入っている他、B11や黄泉の雑魚敵もごく稀に持っている(つまり複数入手も可能)。ただしベイキングブレードはそれ自体を迷宮で入手することは出来ず、『錆び付きし刃』という呪われた武器を入手し、ある手順で加工する必要がある。