この記事では、先行する『戦闘の監獄』を含む「PC版Wizardry外伝」について記述する。
PC版Wizardry外伝
名作RPG『Wizardry』の公認和製タイトルは、1991年から2000年まで、GB・SFC・PSで『Wizardry外伝』五作品がASCIIから発売された。
その後、家庭用ゲーム機における和製wizの潮流はスターフィッシュ『エンパイア』シリーズ(1999年~2005年)、アトラス『BUSIN』シリーズ(2001年~2003年)、マイケルソフト『XTH』シリーズ(2005年~2006年)、そして『Wizardry Renaissance』(2009年~2017年?)へと続いていく。
これと並行して、ASCIIの『Wizardry外伝』に携わったスタッフによって、windows用ソフトとして開発された『戦闘の監獄』(2005年)と『五つの試練』(2006年)が「PC版Wizardry外伝」と呼ばれる。
戦闘の監獄
株式会社IRI-CTから発売されたwindows用ソフト。2006年にはPS2に移植された。
シナリオは徳永剛、モンスターデザイン&監修は末弥純。
本家初期シリーズへの回帰を強調し、五種族八職業・二系統の呪文というクラシックスタイルを再現。
ダンジョンは複数用意されており、全三層の「カラムの洞窟」全六層の「デュエルの洞窟」全十層の「リュードの迷宮」、公式サイトからダウンロードする全二十層の追加ダンジョン「テッドの迷宮」がある。
PS2版は追加ダンジョンのダウンロードはできず、キーボードとマウスで操作する前提のUIをそのまま移植した結果操作性に難がある等、批判されている部分も多い。
慈悲の不在
『戦闘の監獄』を購入したユーザーのための有料DLC(PS2非対応)。
追加モンスターのデザインは山宗。
ダンジョンは全九層の「聖母の谷」。なお『戦闘の監獄』で育てたキャラクターを転送することはできない。
五つの試練
株式会社IRI-CTから発売されたwindows用ソフト。
モンスターデザイン&監修は前作に続き末弥純。更に山宗、緑川美帆、Nottsuoがモンスターデザインとして参加している。
タイトルの通り五つのシナリオ「旅人の財産」「満月王の子供達」「欠けた大地」「ガルヴァンの酢漬け男」「灼熱の車輪」が収録されており、さらにオリジナルのシナリオを作成できるシナリオエディタを搭載。
城内の施設の名称やモンスター、アイテムなども自由に作成可能。
当初は各シナリオ間でキャラクターの転送はできなかったが、アップデートによって限定的に転送可能となった。