概説
地面に穴を掘って死者を埋め、肉体を大地へと返す。
土に埋めるため土葬ともいう。
キリスト教やイスラム教では火葬に対する忌避感が強い(特に後者)ため、埋葬が主流となっている。
古来から最も一般的な葬送の手法であり、東西を問わず埋葬したその場所に墓標を立てる。
古代だと貴人や統治者には墳墓などの大規模なものを形成し、生前の業績を称えることが多い。
基本的には棺桶に遺体を収め、それを墓所に埋める。
ただ西洋で市民層が個人ごとに埋葬出来るようになったのは近代になってからで、それまではたとえ生前にどれだけ功績をなしても集団墓地へ一絡げに遺体を放り込まれるのが常だった。
日本では仏教伝来後も土葬が一般的だったが、明治維新より後、さらに言えば太平洋戦争終戦以後から火葬が普及したため、現在では習慣的に埋葬をおこなわない限り火葬される。
また日本の埋葬は棺桶に入れっぱなしというわけでなく、まず埋めた棺桶の上に「土饅頭(どまんじゅう)」という盛り土を形成し、それが地面に陥没するのを確認して白骨化した遺体を掘り起こす。その後親族が遺骨に付いた腐肉や泥を丁寧に洗い落とし、改めて墓地に収めて完了となる。