概要
早すぎた埋葬(はやすぎたまいそう)は、『遊戯王』シリーズに登場する魔法カードである。
効果テキスト
装備魔法
(1):800LPを払い、自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する。このカードが破壊された時にそのモンスターは破壊される。
解説
ライフポイントと引き替えに、モンスターを蘇生する効果を持つ装備魔法。
同様に墓地からの蘇生効果を持ち、このカードより先に登場している死者蘇生と比較すると、
- 800のライフポイントを支払う→コストの必要性
- 自分の墓地からしかモンスターを選択できない→選択の自由度が低い
- 表側攻撃表示でしか召喚できない→表示形式の限定
- 装備したこのカードが破壊されると装備モンスターも破壊する→自壊デメリット
このように、一見デメリットだらけで死者蘇生の下位互換カードのように見えるカードである。
ノーコスト・相手の墓地からもカードを引っ張ってこられる死者蘇生がある手前、あまり価値がなかったかというとそうでもない。死者蘇生はその強力な効果から速攻で準制限から制限カードへと指定されていったのに対し、こちらは2年ほど無制限で使える状態だったために死者蘇生の代用カードとして、また「生還の宝札」によるドローブースト要員などとして使い倒されていた。
加えて、装備魔法であるという点にも大きなメリットがあり、ハリケーンなどの効果で戻すと復活したモンスターは完全蘇生+800LP払えば再び別のモンスターを蘇生させられるという、死者蘇生にはない大きなメリットがあった。リビングデッドの呼び声も同様にこのカードと一長一短の関係であり、ともに必須カードになっていた。
制限カードに指定されるが、アームズ・ホールでのサーチ・再利用が可能となり(早すぎた埋葬1枚を最大4回使用可能)、氷結界の龍ブリューナクの効果でも手札に戻せる裁定だったため、鬼のように使い回す戦法が流行し、それ以上の悪用を防ぐために2008年9月1日に禁止カード指定となった(ブリューナクのテキストも後にエラッタされている)。
「装備魔法カードを手札に戻せる」効果は多数登場している絡みなどからか緩和はされておらず、10年以上が経過した現在でも禁止カード指定されたまま。おそらく復帰することもないと思われる。
完全蘇生法
- 手札に戻すか、コストにするなど破壊以外の方法でフィールドからこのカードを取り除く。
- 破壊せずに無効化する。
- 装備モンスターを裏側守備表示にする。裏側守備表示のモンスターにはカードを装備できないため、このカードを破壊する。
- 装備モンスターを一時的に除外。対象が不在となったこのカードを破壊する。
名称の由来
エドガー・アラン・ポーの小説に、このカードの名称と同じタイトルの作品がある。
実際には死亡していない人間が死亡したと誤認されて埋葬されるという内容であり、現実にも検死技術がまだ発達していなかった時代には埋葬された人物が実際には死亡していなかったことがあったとされている。
一説には、そうした人間が棺の中でもがいた形跡があったり、棺から這い出したりしたことが後にゾンビなどの伝承に繋がったとも言われており、このカードの効果もそうした背景がモチーフになっていると思われる。
余談
遊戯王OCGでは墓地に関連する効果は「埋葬」「墓」などのワードが登場することが多く、同パックに収録されていたカードにも「浅すぎた墓穴」、逆に自身のカードを墓地へ送る「おろかな埋葬」が存在。
これをパロディする形で、「やりすぎた埋葬」「深すぎた墓穴」「のどかな埋葬」などのお墓ネタシリーズ、「早すぎた帰還」「早すぎた復活」などの早すぎた〇〇シリーズ、「遅すぎたオーク」「巻きすぎた発条」などの〇〇すぎたシリーズといった多数のカードが存在している。
関連タグ
ジャッジメント(グラブル):類似の復活効果を持つアーカルムシリーズ召喚石。こちらの場合は風属性限定、復活対象指定不可、復活しても3ターン後に戦闘不能の違いもある。