概要
遺体を特定の場所(洞窟や崖など)で風に曝すことで自然に風化させるという葬送である。
古代日本では、死人が出ると町や村はずれの一定の場所に集めてそのまま放置するのが一般的な葬送であった。日本のように湿度の高い土地では、遺体はすぐに腐乱し強烈な悪臭を放ち、見るに耐えない状態になるため、仏教僧の指導により埋葬するようになり、日本本土では風葬の風習は廃れた。
しかし、南西諸島では風葬した遺体が腐るのを待って墓におさめる「洗骨」の風習が残った。これは白骨化した肉親の遺体を洗う(親族の女性、特に長男の嫁がすべきとされた)という過酷な風習である上、衛生的に問題があるとして、保健所の指導で火葬が推奨され、昭和期までに姿を消した。
現代で風葬のようなことを行おうとすると「死体遺棄」とみなされ警察のお世話になるため、遺言などで風葬を希望されたとしても実行してはいけない。