ポイゾンジャイアント
どくきょじん
名作RPG『Wizardry』シリーズに登場するモンスターの一種。
毒々しい紫色の肌を持ち、体液・臓器、皮膚や筋組織・骨に至るまでが毒物で構成されている、巨人族の中でも異彩を放つ怪生物である。
一応パンツ(?)は穿いており、体色も赤味がかっているので、「ブルーベリーみたいな色をした全裸の巨人」とは違う。
和製wizの一部作品ではさらに強烈なデザインが為されていることも多い。
一般に、「毒」を意味する英単語 "poison" のカナ表記は「ポイズン」とすることが多いが、一部では「ポイゾン」が公式表記として採用されることもある。
『Wizardry』シナリオ#1『狂王の試練場』(1981年)のFC版移植(1987年)もそのうちの一つで、モンスター "POISON GIANT" の日本語表記が「ポイゾンジャイアント」とされた。
以降FC版Ⅲ、外伝Ⅱ、SFC版(ニンテンドウパワー)『ストーリーオブリルガミン』、GBC版Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの各作品で「ポイゾンジャイアント」表記が採用されている。
一方で、FC版以前のPC版を基にした『リルガミンサーガ』では日本語表記を「ポイズンジャイアント」とし、『DIMGUIL』、『エンパイア』シリーズ、『BUSIN』『BUSIN0』、『Renaissance』の各作品では「ポイズンジャイアント」表記を採用。
pixivでのタグ用例、作品タイトルやキャプションでの表記も二分された状態になっている。
初出のシナリオ#1では、迷宮深層に出現。B8とB9では遭遇率が低く、最深層のB10で戦うことが多い。
1グループの頭数は1体~4体、後続には50%の確率でウィルオーウィスプが随行し、マイルフィックの後続にはこのポイゾンジャイアントが100%ついてくる。
HPは81とかなり多めで固定、さらに呪文無効化率が95%と高く、攻撃魔法はほとんど効果が無い。
図体が大きい分攻撃力もそこそこ(期待値22)だが、モンスターレベルが1となっており、迷宮深層に挑むレベルの冒険者なら躱すことは容易い。
ポイゾンジャイアント4体に不意打ちでも食らった日には、問答無用でパーティーが壊滅しかねない。
ただしポイゾンジャイアントを撃破することで得られる経験値はかなり多く、宝箱から得られる戦利品にも希少なものが含まれる可能性があるので、危険を冒しても挑むだけのメリットはある。
魔術師系呪文第五位階のマカニト(MAKANITO)は「レベルが低いモンスターを即死させる」呪文だが、FC版では「呪文無効化能力の対象外」となっており、アースジャイアント、フロストジャイアント、ポイゾンジャイアントは「マカニト一発で確実に殲滅可能」となっている。
対してファイアージャイアントは呪文無効化能力は無いがモンスターレベルが11と高いためマカニトが効かず、獲得経験値も少ないため、巨人系モンスターの中では浮いた存在になっている。
なお、『リルガミンサーガ』ではマカニトも呪文無効化能力の対象となっているため、ポイゾンジャイアントを即死させるのはほぼ不可能となっている。
シナリオ#2『ダイヤモンドの騎士』ではポイゾンジャイアントに代わってジャイアントゾンビが登場しており、HPや毒ブレスといった能力面の共通点が多いことから、ポイゾンジャイアントの骸を死霊術でゾンビ化したものではないかと言われている。
このことから、(ポイゾンジャイアント以外の)巨人族の骸がアンデッド化したものとしてジャイアントゾンビがまず存在し、このゾンビを素体として何らかの妖術が施され、新たに生命を得た人工生物がポイゾンジャイアントではないかとする説も存在する。
更に上述の通り、シナリオ#1のマイルフィックはポイゾンジャイアントを伴って現れるが、FC版以降のマイルフィックのモデルである魔神パズズにはハンババという異母弟がおり、その容姿には諸説あるが、「猛毒の息を吐く異形の巨人」として描写されることが多いようである。
魔界の住人たちがマイルフィックの完全なる復活を実現させるとき、その片腕となるべき新たなハンババが、ポイゾンジャイアントたちの中から生まれ出る…とでも、いうのだろうか。