はっちゃん(ONEPIECE)
はっちゃん
「おれ様を魚人島で一人を除けばNo.1の剣豪”六刀流のハチ”と知っているのかァ!!!」
「貴様ら人間など 天地がひっくり返ってもこのオレには勝てねェんだぞォ!!!!」
概要
魚人街出身のタコの魚人で、吸盤のついた6本の腕とタコらしく突き出た口が特徴。
元は偉大なる航路で元探検家の海賊フィッシャー・タイガー(鯛の魚人)率いるタイヨウの海賊団に所属していたが、タイガーの死後船長を引き継いだジンベエとの確執により海賊団を離脱したアーロンに着いていき独立した。
この時の仲間であるクロオビ、チュウとは幼少期からの親友で、彼らからは「ハチ」と呼ばれるが、あくまで「はっちゃん」が本名。
独立後は東の海に活動拠点を移し、東の海に魚人帝国を建国するためにナミの故郷ココヤシ村を拠点に海賊活動をしていたが、ナミを救おうとアーロンパークになぐり込みをかけた麦わらの一味に敗北。
その後海軍に捕らえられたが脱走し、海賊からは足を洗って海上たこ焼き屋“タコヤキ8”を経営している。
なお作者はハチではなく「はっちゃん」という名前について「中国人名で『〇〇チャン』があるからこれでいい」と語っている。
性格
人間を強く忌み嫌うアーロンの仲間でありながら、比較的友好的(お人好し?)で天然。
アーロンパークに勝手に乗り込んできたゾロをネズミ一派の仲間と勝手に思い込んで歓迎してしまうなどこか抜けた一面がある。アーロン一味を非常に恨んでいるはずのナミにすら「害が無い」と言われる程である。
ただ、観光客に高値で消耗品を売ろうとする輩が絡んだ時その輩に忠告するなど、商い事に関しては抜け目のない一面も。ただ商いの手法は後述の一件などもあってか、アーロン一味よりは丸いほうである。
海賊時代は荒々しい発言も少なからずあったが、脱獄後はほとんど見られなくなっている。また、ナミに対しての罪悪感は今もなお引きずり続けており、ケイミー共々トビウオライダーズから救出された後は、罪滅ぼしも兼ねて一時的に麦わらの一味と共に行動を取る。
ルフィたちにシャボンディ諸島の裏側を教えたり、逆に魚人島では麦わらの一味を守るために口を閉ざすなど、可能な限り一味をサポートするが、それによってホーディ・ジョーンズやバンダー・デッケン九世に睨まれ、重傷を負ってしまった。
ホーディ「ハチさん……!!勘弁してくれませんか… もうアンタの意見は聞きたくねェんだ アンタはフヌケちまった……!! とてもおれの憧れた一味の幹部とは思えねェ 世代替えですよ」
デッケン「海賊の流儀を忘れちまったのかァ? 言いてェ事があるんなら "暴力"で解決しなきゃダメだぜ ──のハズだ!!」
能力
魚人なのでかなり腕っぷしが強く、巨大な蛸を素手で仕留める程の怪力に加え、タコの魚人特有の腕の多さと軟体を生かし6本の刀を使って戦う。その剣術の実力は本人曰く魚人島No.2であり、一本300㎏の剣を軽々と振り回す。
タコの魚人のため墨や吸盤などのトリッキーな戦法も得意である。
剣術に関しては腕の多さや腕力に頼っている部分も多いが、フェイントを兼ねた技で相手の防御を崩してから頭部で攻撃するなど、光るものもある。
もっとも、麦わら一行との戦闘以降は成り行きで自分より二回り以上実力の低いならず者に何度も時間をとられたため、剣術の腕が上達する機会に恵まれなかったというのもあるだろうが。
また海の生物との会話能力らしきものもあるようで、表紙連載ではこの能力で金魚姫などとやりとりをしていた。
ただ、このキャラの場合、真の能力はサンジをもうならせるほどのソースを宝の持ち腐れにすることなく活かす保存技術や、たこ焼きを始めとする料理の技能にあるともとれる。
技
たこはちブラック
口から多量のタコ墨を噴き出す。
ただのタコ墨なので攻撃力は皆無だが、まともに浴びてしまうと全身真っ黒に染め上げられ、同時に視界を完全に奪われる。その隙に岩塊や瓦礫などを持ち上げ、動きの鈍った敵の頭上から打ち下ろす『たこはちブラック オン・ザ ロック』という連携技もある。
麦わら一行との再会時には、人相を隠すための苦肉の策として、自分の体に浴びせた。
蛸・三・連・真・剣・白・刃・取り
三組の腕での白刃取り。
一刀流のゾロ相手に気合十分で挑んだが、盛大に失敗し、思いっきり額を斬られて流血した。
タコハチ吸盤(ナンバーナイン)
腕の吸盤で壁に張り付く。
技名は「吸盤」とナンバーナイン、つまりは「九番」のシャレ。技として繰り出す前にわざわざ合計九本の指を立てて見せている。
仰々しく繰り出した割に時間稼ぎ程度の効果しかなく、ゾロにツッコまれた。
タコ焼きパンチ
6本の腕で繰り出すパンチの連打。
石柱を粉砕するくらいのパワーがあり、常人がまともに喰らえば空の彼方まで吹っ飛ばされる。
水上戦でも有用らしく、格下相手とはいえ、3人相手を瞬時に撃退した描写もある。
蛸足奇剣
六刀流の剣技。6本の刀を続けざまに振り回し、敵を切り刻む乱舞技。
はっちゃんの腕はタコらしい軟体であり、人間のそれよりも多彩な角度から刃が襲い掛かってくるため回避は難しい。しかしゾロには通用せず、『刀狼流し』で全て受け流された上に逆に切り裂かれた。
もっとも、まったく使えない技ではなく、連携力に関しては侮れないデュバル一行の一人を倒す活躍も見せている。
タコツボの構え
六刀流の剣技。6本の剣の先を一点に集めるように構える。
後述の技へ繋げるための準備段階と言える技。
新・春・蛸・開げ体懐(しんしゅんたこあげたいかい)
タコツボの構えから繰り出される突進攻撃。あえて敵の武器などに突撃し、相手が受け止めた瞬間にこじ開けるようにその武器を弾き、がら空きになったボディに頭突きを叩き込む。
はっちゃん本人曰く「100%破れねェ」技。実際「防御」は困難な攻撃だが、ゾロは逆に真正面から「攻撃」をぶつけ、『タコツボの構え』そのものを剣ごと破壊することで強引に突破して見せた。
六刀の円舞曲(ろくとうのワルツ)
六刀流「奥義」。6本の刀を扇風機のように回旋させ、巻き込まれた相手を挽肉のように切り刻む。
活躍
最初の登場は東の海アーロン編で、ナミの真の仲間として登場。
しかし、それはナミの故郷を人質に取っただけにすぎず、同編終盤ではナミを取り返しに来た麦わらの一味と激突。最後は戦闘員のゾロに6本の刀を粉砕され、ヤケを起こし殴りかかったところを斬り倒された。
その後海軍に捕まっていたのだが、表紙連載「はっちゃんの海底散歩」にて再登場。海軍護送船から脱走し、海底に姿を隠しながら逃亡。なんやかんやあって人魚のケイミー、ヒトデのパッパグと出会う。かつてタイヨウの海賊団時代に枕を並べた「人攫い屋」マクロ一味と再会し、彼らから「昔の夢を叶えてやる」と言われたこ焼き屋を目指し、海賊を辞めた。
次の登場はシャボンディ諸島編で、前述のたこ焼き屋の店主として登場し、シャボンディ諸島の案内や、次の島である魚人島へ進むためのコーティング職人の斡旋を行った。また、ここで天竜人チャルロス聖から銃撃を受け重傷を負い、かつての友人であったシルバーズ・レイリーの元で療養を余儀なくされる。
第2部魚人島編では、麦わらの一味が戻るまでシャボンディ諸島で船番をしていたものの深傷を負ってしまい、魚人島に戻り療養をしていた。
魚人島を治める王国リュウグウ王国を転覆させようと企むホーディ・ジョーンズやバンダー・デッケン九世を止めるため説得に向かったが、逆にホーディの怒りを買って返り討ちに遭い矢襖にされてしまい、麦わらの一味に救助される。また、魚人島の過去編においてはタイヨウの海賊団時代の姿と東の海に向かうまでの動向が少し描かれている。
なお、ホーディからは先輩にあたるものの、「人間と仲良くしようとしている」という理由で忌み嫌われていた。
余談
本作では「オレ」とか「俺」ではなく「おれ」とひらがなで表記されるのだが、ミスなのか「オレ」表記になったことがある(他にもフランキーがフクロウをぶっ飛ばした時の「悪かったな さっきまでのオレの拳(パンチ)は 確かにヘナチョコだった」という例がある)。
また初期はメイプル・リードという名前の女性剣士でイカの魚人という設定だった。
- レイリーとの関係
はっちゃんは子供の頃、遭難したレイリーを助けたことがあり、以降親しくしている。
この事もあってか、「人間にも面白いやつはいる」という認識ながらも人間にはある程度心を開いていてそれなりに友好的。
オトヒメ王妃が説いた「子供達はこれから人間達と出会い、考える」という考えを証明する実例のひとつといえるのかもしれない。
- ヒョウゾウとはっちゃん
かつては同じ道場で剣術を学んだ二人だが、はっちゃんはヒョウゾウに一度も勝てなかったらしい(この点はくいなとゾロの関係に似ている)。
しかしくいなの「世界一強くなりたい」という遺志を受け継いだゾロに対してこちらは完全に平行線。格下だからと見下していたせいもあるだろうが、ヒョウゾウははっちゃんに「お前止まりの剣士しか連れていけなかったアーロンは気の毒だったなァ」と吐き捨てた程だった。
なおはっちゃんがヒョウゾウにリベンジを果たすことはなかったものの、そのヒョウゾウは過剰接種したエネルギーステロイドの反動で再起不能になってしまったため「魚人島一の剣士」の座ははっちゃんに繰り上がったと思われる。