ネズミ(ONEPIECE)
ねずみ
「チチチチ… 君は実に世渡りがうまい…」
「あんないたいけな小娘が自由を信じてコツコツコツコツ8年も バカみてェによく集めたもんだぜ!! チチチチチチチチ………!!」
「覚えてろこの腐れ海賊ども!! 忘れんな!! てめェらすごいことになるぞ!! おれを怒らせたんだ!!! 復讐してやる!!!」
名前の通りねずみ顔の男。
支部大佐=海軍本部大尉に相当する地位のはずなのだが、戦闘能力は皆無に等しい。
「平和の象徴」「最弱の海」といわれる東の海の脆弱さを象徴するとも言えよう。
海兵の面汚しと言える人物で、魚人の海賊アーロンから賄賂を貰い、その代わりにアーロン達の管轄内での横暴を黙殺。
さらに「1億ベリー持って来れば村と自分の身を解放する」とアーロンと契約をしていたナミの家に押しかけ、1億ベリー寸前まで来ていた彼女の貯金を根こそぎ没収するなど、あからさまに海賊のアーロンに協力をする事もあった。
もっとも、内心では魚人で海賊の彼らのことは毛嫌いしており、賄賂のための金づるとしか見ていない。
同じ支部大佐だったモーガンが自身の武力と地位を傘に着た圧政を敷いていたのに対し、ネズミは金のためなら手段を選ばない狡猾さが特徴。
後にも先にもこうした海賊と癒着した海兵というものはネズミだけである。大多数の海兵はもちろん先述のモーガンですら海賊を敵視しており、取引などあり得ない。
世界政府はともかく、海軍内でこうした汚職に手を染めた人物はネズミ以外には描かれていない。ちなみにアニメオリジナルの汚職海兵であるガバナーも海賊と取引していたが、彼の場合は資金集めのために武器商人に変装して海軍の武器を海賊に横流しするという不正であって癒着とは別物である。
アーロン編に登場し、己が持つ権力をフルに生かして賄賂を貰っていたアーロンをサポートし、管轄地域の住民を苦しめていた。
さらに1億ベリーを押収しようとした際、反抗してきたノジコに発砲(原作漫画や『エピソードオブ東の海』では部下達だが、初期アニメと『エピソードオブナミ』では自ら撃っている)して重傷を負わせた。
だが、後にアーロン一味と麦わらの一味が戦っている光景を一部始終見ており、アーロン一味が敗れた後、両一味を捕縛し手柄にしようとしたがルフィ達に返り討ちに遭いボコボコにされた。さらにナミにノジコを撃ったこととベルメールのみかん畑を荒らしたことで殴り飛ばされ、押収した1億ベリーの返却とアーロン一味の連行を命じられた。
その後、痛めつけられた事を逆恨みし、ルフィに懸賞金を懸けようと本部に連絡を取り、アーロン一味を打ち崩すほどの脅威を持つ凶悪な海賊と報告し、結果としてこれがルフィが賞金首になるきっかけとなった。なお、急だったため手配書用の写真は笑顔を浮かべた悪党らしくない写真しかなかった(その後もルフィの手配書はすべて笑顔を浮かべた写真になっている)。
元々、アーロンが暴れればジンベエはすぐにそれを抑えに行くつもりだったが、彼が原因で状況を把握していなかった。
(もっとも、ゴサ住民救出に派遣されたのがネズミより階級の高い支部准将かつ、誠実な精神の持ち主であったプリンプリンであったことから、海軍本部からは第16支部の管轄が何やらキナ臭いとは思われていた事が窺える)
アーロン一味逮捕後は一切登場していないが、2年後にはジンベエは海軍側の汚職による事態を把握していたため、ネズミの汚職もまた白日の下にさらされたと思われる。
時系列がアーロンパーク編の後にあたるゲーム作品『From TV animation ONEPIECE とびだせ海賊団!』で再登場している。
散り散りになった麦わら海賊団を捜索する為にファース島(『ONE PIECE FILM Z』に登場した島とは関係ないゲームオリジナルの島)近海の酒場で聞き込み調査をしていたが、そこで主人公達とつるんでいるウソップを目撃し「麦わらも近くにいるのでは!?」とビビって退散。その成り行きで奇しくもルフィ達と同様に(ゲームシステム上たったの一万ベリーとはいえ)「主人公が率いる海賊団を賞金首にする役割」を担った。
1億ベリーを没収するシーンでノジコからは「海軍が海賊の手下に成り下がるなんて!!」と非難されたが、皮肉にも物語が進むにつれて海軍そのものが(実質的に)海賊以上にタチが悪い世界貴族の手下である実情が明かされる事となった。