CV:千田義正
概要
他の妖怪と違って原典の存在しない、完全なオリジナル妖怪である。
青黒いゲル状の物質で出来た身体の持ち主であり、戦闘では浴びた相手を死に至らしめる程の猛毒のヘドロを打ち出したり、両腕を巨大化させての攻撃を繰り出して来る。
これだけなら一般怪人たる他の妖怪と大差無いが、其処は大魔王の分身。本当の恐ろしさはその能力に有る。ダラダラの真骨頂と言うべき能力、それは敵の能力の吸収である。
これによって相手の能力をそっくり自らの物と出来るが、この能力の本質は其処では無い。能力を吸収された相手はそれ以降、何とダラダラが受けたダメージを肩代わりさせられてしまうのだ。
つまり、1度能力を奪ってしまえば、ダラダラはその相手の力でパワーアップしてしまう上、それ以降の戦闘において幾らダラダラを攻撃しても、能力を奪われた相手だけが一方的に傷付いてダラダラ自身は無傷と言う圧倒的理不尽が敵対する者全てに降り掛かる訳である。
劇中ではこのふざけたチート能力によってニンジャマン、延いてはレッド以外のカクレンジャー4人から力を奪った挙句、自身のスケープゴートとする事によって捕縛。そしてサスケどころか三神将すら抵抗不可能と言う絶体絶命のピンチに叩き落した。
唯一の弱点はダラダラ自身が大魔王と繋がっている点で、大魔王がダメージを受ければ能力が解除されてしまう訳だが、裏を返せばそれを知らなければカクレンジャーも三神将も全滅していた可能性は極めて高く、何より登場から打倒まで実に3話ものエピソードを費やしている点がその脅威を如実に物語っている。
因みに能力を奪い取ると、外見的な変化として頭部に奪った対象の意匠が加わる仕様となっており、最終的にはレッド以外の4人のマスクが阿修羅の如く頭部に張り付き、胴体にも力を奪った5人のシンボルマークが刻まれると言う実に悍ましい姿へと変貌する。
活躍
42話「強奪忍者パワー」
1200歳の誕生日を迎えると共に、妖怪大魔王は分身妖怪を生み出す能力を獲得。それを受けて吐き出した卵から誕生したのがダラダラであった。
大魔王の意を受け、手始めにニンジャマンを狙うダラダラは花のくノ一組のサポートの下に誘き出されたニンジャマンに取り憑く。
何とか振り解こうとするニンジャマンだったが、ダラダラは全く離れる気配が無く、巨大化して振り解こうとすると一緒に巨大化する始末であった。
そのままダラダラはニンジャマンから力を吸い尽くし、やがて力尽きたニンジャマンを拉致して大魔王の人質としてしまう。
その後、ニンジャマンの要素を外見に反映した状態でダラダラは巨大化して街に出現。
隠大将軍で応戦するカクレンジャーに対し、ダラダラはニンジャマンが変形したサムライマンの必殺技である「激怒ボンバー」で応戦。
更に隠大将軍に攻撃された瞬間、ダメージを受けるニンジャマンの姿を見せ付ける事によってカクレンジャーに手出し出来なくさせる。
其処へ無敵将軍とツバサマルが救援に駆けつけるも、やはりニンジャマンを傷付けずに戦う術は見出せず、それを良い事にダラダラは三神将を一方的に攻撃。とうとうその場にノックダウンさせてしまった。
43話「三神将最期の日」
三神将のパワーも吸い取ろうと襲いかかるダラダラだったが、形勢不利と見た三神将はカクレンジャーと共々風雲幻城へ撤退。
その後、一頻り街で暴れて破壊活動を行うと、やがて大魔王と共に撤収する。
ダラダラを倒す為とは言え、みすみすニンジャマンを犠牲に出来ないサスケの様子を受け、無敵将軍は大魔王の軍師となっている白面郎に協力を求めてニンジャマンを救出するよう提案。
鶴姫の父である白面郎こと義輝は、大魔王を倒す為に軍師となって妖怪軍団に潜入しており、早速カクレンジャーは2匹の犬を連れた妖怪少年ブンを通じ、白面郎への接触を試みる。すると白面郎は周囲の目を警戒しつつも、接触に応じる気配を見せた。
だが、大魔王は白面郎の策どころか潜入の目的さえも最初から見破っており、カクレンジャーと白面郎が接触するその場にくノ一組とダラダラを連れて身を潜めていた。
カクレンジャーと白面郎が出揃った所へ姿を現した大魔王は、そのまま頼みの白面郎を何処かへ飛ばし、更にその場に仕掛けられていた結界で5人の変身を封じ込めた。
仕方無く忍び装束姿で戦う5人だったが、当然ながら変身せずに勝てる筈も無く、サスケ以外の4人は捕えられ、ダラダラにその力を奪われてしまった。
そして囚われた鶴姫達の力までを取り込んだダラダラは街に巨大化して再び出現。その姿も阿修羅の如く4人のマスクが張り付いており、胴体にもニンジャマンを入れた5人のシンボルマークが刻まれた悍ましい外見となっていた。
猛毒ヘドロを街中に散布し、直撃(壁や窓ガラス等の遮蔽物も透過・貫通)した一般市民達は苦しんでいく。其処へ人質がいる事は分かっていても、街を守るべく三神将が止む無く登場。
だが、如何に上位の存在に昇華したとは言え三神将とて元は人間。ダラダラへの攻撃に躊躇う中、鶴姫達が自分達はどうなっても良いからダラダラを倒せと訴え掛ける。
その頃、海に転落した事で運良く捕まらなかったサスケはボロボロになりながらも、必死に大魔王の追手から逃げるのだった……。
44話「傷だらけ大逆転」
三神将はカクレンジャーがダメージを受ける事は分かっていたが、捕まった五人の意志を汲み、街の人々を守るべくダラダラを攻撃する。
一方、花のくノ一組に追い詰められたサスケは、突如として現れた謎の忍者コンビに間一髪の所を救われていた。妖怪少年ブンと一緒にいたはずの2匹の犬が突如変身して、サスケを救ったのである。
2人の忍者の正体は太郎と次郎。
義輝の家来の遺児であり鶴姫の兄代わりであった彼らは10年前、封印の扉によって多くの妖怪が力を失った世の裏側で大魔王が虎視眈々と復活のために暗躍している事を察知し、義輝と共に大魔王の宮殿に忍び込んだ。然し潜入を大魔王に気付かれ、呪いを掛けられて犬の姿に変えられていた。義輝が大魔王の軍門に下る形で大魔王の弱点を探っていたのもこの為である。
2人に掛けられた呪いは「二度人間の姿に戻れば死ぬ」と言う物で、一度だけなら短い間のみ無条件で人間の姿に戻る事が出来た。
そのたった一度のチャンスを利用し、2人は義輝が暴いたダラダラの秘密をサスケに託すべく、サスケを救いに現れたのだった。
太郎と次郎から大魔王の居城の在り処とダラダラの弱点を教わったサスケは単身、大魔王の元に乗り込む危険な賭けに出る。
「やい大魔王……! 覚悟しやがれ!」
苦戦しながらも何とかサスケが大魔王に一太刀を浴びせると、大魔王の分身であるダラダラもダメージを受け、強奪した力も元の持ち主達に戻った。
直接自らに与えられるダメージを全て能力を奪った相手に押し付けるダラダラの唯一の弱点。それは大魔王が受けたダメージを共有してしまうと言う分身らしい物であった。
ダラダラの人質としての呪縛から解放され、変身可能になったカクレンジャーとニンジャマンは怒りの猛反撃を受け、大魔王は激怒しながら自ら巨大化。ダラダラと共にカクレンジャーに襲い掛かる。
だが、能力を喪失した事で攻撃を躊躇う必要が無くなり、ダメージの押し付け先が無くなったダラダラは、そのままサムライマンと無敵将軍からの怒濤の連続攻撃を叩き込まれ、何も出来ずに敢え無く爆散した。如何に大魔王の分身と言うべき存在で能力がチートでも、裏を返せばダラダラの強さはそれ頼みの物であり、ダメージを受け流す先がなければ所詮は並の妖怪に過ぎなかったのである。
更に大魔王もスーパー無敵将軍の「無敵キャノン一斉射撃」とスーパー隠大将軍の「鉄拳フライングフィニッシュ」による連続の総攻撃で手傷を受けて退却するのだった。
初代パワーレンジャー第3シーズン
マスターヴァイル(妖怪大魔王)の部下のエイリアンとして登場。
原作同様パワー吸収&ダメージ肩代わりの能力を持つが、この呪いを解除する方法が変更されており、原作のヤマンバとの巨大戦(無限供給)と同じく上空の暗雲を取り払うと解除されるようになっている。マスターヴァイルとのダメージ共有も持たない。
巨大戦でニンジャーを捕らえ、ショーグンメガゾード、ニンジャメガゾード、ファルコンゾードのエネルギーを吸収・機能停止させた上で石化、更に等身大戦でパワーレンジャー6人の強化変身「メタリックアーマー」の力を吸収され、トミー達は一旦撤退を余儀なくされる。
ちなみにこの時点でエイリアンレンジャー(カクレンジャー)は未登場で、(映像流用の都合上)カクレンジャー4人の顔はメタリックアーマーの力を吸収した事で浮き出ている。第3シーズンのトミー達とエイリアンレンジャーはどちらも忍者パワーコインを変身手段としており、外見変化については「同系統の力」と解釈すれば納得いくだろう。
ダメージ肩代わりの呪いはニンジャー(ニンジャマン)だけが受けており、トミー達は影響が無かった。
街に猛毒ヘドロを散布する場面は表現規制の都合で電撃ビーム乱射で破壊する場面に修正された。
トミー達がゾードンからエネルギーの仮供給で体勢を立て直している間、マスターヴァイル達は店を貸切で戦勝祝いのパーティーをやっていた。海外版の妖怪軍団はアットホームな組織なのだ。後の魔法世界の長との親子関係が影響しているのかもしれない。
余談
声を演じた千田氏は翌年の『超力戦隊オーレンジャー』にてバラマンモスの声を担当している。
関連タグ
バラキング、キラーゴースト、ダークバスター、ガニマ・ノシアガルダ、戦隊メギド:後のシリーズに登場する、戦隊を歪めたデザインの後輩達。