園咲琉兵衛
そのざきりゅうべえ
「ビルが溶け、人が死ぬ。この街では良くある事だ。ハハハ···ま、我々の仕事のせいだがね。」
演・寺田農
概要
園咲家の家長。
風都で知らない人はいないとされる名士で、風都博物館の館長を勤める。政財界や警察にも顔が利く大物。
その素顔はガイアメモリを風都中にばら撒く組織、ミュージアムの首領。
かつては考古学者として化石発掘などを行っており、その過程で地球意思との接触ポイント「ガイアゲート」を発見したが、そこで息子の来人を喪ってしまう。
それ以来冷酷非情な人物に成り果て、他者の犠牲は一切顧みなくなった。
その真意はガイアゲートを通じて、恐竜や数多の古代生物と同じようにこのままではやがて人類が滅びる未来を知った彼は、若菜を『巫女』として地球そのものと一体化させ、人々を彼女とガイアメモリを通じて地球の記憶と繋げることで全人類を地球が存在する限り滅びることのない種族に強制進化させるガイアインパクトを実行する事だった。この計画では強制進化に適応できない人間はそのまま死亡することになるが、彼は人類を守る為の犠牲として割り切っていた。
そのために娘・若菜を最初のガイアインパクトで完全な「地球の巫女」へと昇華させようと目論んでおり、その為に必要なエクストリームの力を完成させる為にシュラウドや仮面ライダー達をあえて泳がせていた。
ちなみに彼自身もテラーメモリの力でテラー・ドーパントとなり「恐怖の帝王」として絶大な力を持っている。また生身の人間の状態でも恐怖の力をある程度操ることが可能であり、風都探偵で言及されたハイドープの先駆け的な存在だった可能性が高い。
終盤では実は序盤の段階で翔太郎に恐怖を植え付けていたことが判明し(この為翔太郎は園咲家の裏の顔が中盤の頃に判明していたにもかかわらず、無自覚に踏み込むことを避けていた)、さらにフィリップ(かつての息子の来人)をクレイドールエクストリームとなった若菜も通じて手に入れて、照井にも重傷を負わせたことで完全に勝ちを確信して屋敷からミュージアムの関係者も無関係な従業員も全て追い払い、フィリップを彼が消滅することも構わず、ガイアゲートの制御プログラムにして若菜に地球の記憶の全てを降ろす儀式を進めていた。
しかし恐怖を降り切って現れた翔太郎と彼らの策によって儀式は中断させられてしまいWと怪我をおして戻ってきた照井のアクセルに逆に追い詰められて敗北する。
しかし地球の記憶を降ろす儀式は完了して若菜が地球の巫女となった事を悟って歓喜し、人類の運命は彼女に託されたとして、最期は在りし日の家族を回顧して踊りながら炎上する園咲邸と運命を共にした。
死後はかつてのよき父に戻り、家族と共に地球の記憶と一体化しており、エクストリームメモリ内のガイアスペースでフィリップとも再会・和解して家族と共に彼を激励し見送った。
琉兵衛の恐怖
作中では家族に対しても一貫して冷徹な人物であり、自らの地球と人類を守るという地球に選ばれた家族としての使命を果たす為に、あらゆるものを切り捨ててガイアインパクトの計画を進めていた。
しかし実際は家族を愛しており、来人の死以来、家族を失う恐怖、目的のために非情さを貫くあまりどんどん変貌していく自分自身に対する恐怖を常に内心に抱えていた。(これには使用者の恐怖心を薄めて非人間的にしていくというテラーメモリの副作用も逆に影響していたと思われる)
そのためにかつて家族の繋がりの証としたイービルテイルというハケを家族そのものとして大切に保管し、それを常にそばに置くことで自らの心を騙して現実の家族を犠牲にする作中の冷徹さを貫いていた。
そもそも彼の行動原理自体も「このままでは地球も人類もいつかは滅びてしまう」という恐怖が全ての原動力であり、恐怖の帝王と呼ばれた彼の本質とはただ大切なものを失う恐怖に怯え続ける老人である。
ガイアメモリはより性質や特性が近い人間とより強く引き合うため、恐怖のメモリと高い適合率を持っていた彼こそが誰よりも恐怖に怯える臆病な人間であるというのは考えてみれば当然の話だったと言える。
余談
琉兵衛の最期の場面である『火災の中で踊る』シーンは、CG合成ではなく、実際にオープンセットで撮影されたものであり、琉兵衛役の寺田氏は「前も後ろも炎に包まれ、現場は本当に熱かった」と後年のインタビューで語っている。
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外部リンク
- 『仮面ライダーW(ダブル)』デザイナー 寺田克也氏が語る ドーパントデザイン秘話!! <テラー・ドーパント編(ウェイバックマシン)
- 園咲琉兵衛が語る園咲家の真実!? 寺田農氏独占インタビュー(ウェイバックマシン)