概要
CV:花守ゆみり
かつてリュー・リオンが所属し、正義を掲げオラリオの治安維持を取り締まっていた【アストレア・ファミリア】の団長であるヒューマンの少女。16歳(故人)。
二つ名は【紅の正花(スカーレット・ハーネル)】。
5年前に敵対していた闇派閥(イヴィルス)の一派【ルドラ・ファミリア】の罠にかかり、リューを除く他の仲間達と共に死亡したとされている。
人物像
緑の瞳を持ち、滑らかな赤髪をしたポニーテールの少女。性格は非常に活発で底抜けに明るく、言動は良く言えば率直で素直、悪く言えば遠慮なしの考えなし。初対面でリューの名前を聞いた際、リューだと言いにくいからという理由でいきなりリオンと呼んだり、他の仲間達にからかわれている不愛想なリューを勝手に生理中と笑顔で決めつけたりなどとにかく遠慮がない。ファミリアの仲間達と正義について語り合おうと提案したと思ったら勝手に自分で話を打ち切り出すなど、適当でいい加減且つ無責任なところも多い。しかしその明るい性格や図々しいながら誰に対しても親しく接してくる優しさ、正義を掲げるファミリアの団長らしく『正義とは振りかざすものではなく秘めるもの』という真っ直ぐな信念を持っていた事から、仲間達には呆れられながらも人望と信頼を集めていた。
単純であまり悩まない性格のようにも見えるが、実際には賢く悩みがちな側面も併せ持つ二面性のある人物でもある。
幼い頃から周りより優れている事を自覚し子供達の中心に立っていたが、『正しさ』を求めるあまり力ずくで物事を解決してしまう事があり、ある時他の子供に大けがを負わせてしまった事で周りと溝が出来てしまい孤独になっていた過去を持つ。『正しさ』とは何かを知るために町を飛び出し放浪していたところをアストレアと出会い、彼女の最初の眷族となった。自身の悩みがちな部分を他人に見せることはないが、アストレアに対してはその一面をさらけ出し想いを打ち明け、アストレアはアリーゼのその両方の面を愛していたらしい。
リューを【アストレア・ファミリア】に誘った人物であり、リューが他種族でありながら手を触れる事の出来た最初の人物であり、恩人でもある。不器用なポンコツエルフとからかいながらもリューの事を常に導いていき、リューもそんなアリーゼを知己として尊敬していた。またエルフの習慣(認めた相手以外の肌の接触を嫌う)が染み着いた気難しい性格の彼女に対し、「もしあんたの手を握れる男がいたら、それが運命の相手だから絶対逃がしちゃだめよ」と忠告している。
ステイタスはLv.4と第二級冒険者クラスの実力者だったが、稀有なスキルを持っていたらしく、第二級冒険者でありながら第一級冒険者にも劣らない力を有していたという。更に強力な火属性の付与魔法を使い、その炎を纏い戦う姿から【紅の正花】という二つ名を神々から与えられていた。
また性格に反して妙なとこで勘が良く「アストレア・レコード」で当時11歳だったシル・フローヴァと出会った際に「貴方、本当に人間……?」と謎の問いかけをしていた。
ステイタス
Lv.4
スキル
- 正華紅咲(ルブルード・べギア)
詳細不明。レアスキルだった模様。
魔法
- アガリス・アルヴェシンス
彼女の二つ名の由来でもある火属性の付与魔法(エンチャント)。手や足、更には剣にまで炎が鎧のように纏われる。ブーツに収束された炎によって地面を爆砕するほどの加速が可能になるなど、白兵戦での戦闘能力が飛躍的に向上する。『炎華(アルヴェリア)』という爆散鍵(スペルキー)を唱える事で、強力な炎の爆発を起こす事も出来る。
「アストレア・レコード」では『燃え上がれ(アルガ)』を三回、最後に『全開炎力(アルヴァーナ)』と唱える事によって爆発を起こしていたが詳細は不明。
死の真相
以下ネタバレ
アリーゼ達【アストレア・ファミリア】が全滅した真相は、【ルドラ・ファミリア】がダンジョン内で引き起こした大爆破によって意図せず出現してしまったモンスター『ジャガーノート』の強襲を受けたというもの。圧倒的なスピードと力を持つ『ジャガーノート』に仲間は次々と殺され、自身も重傷を負い、最早『誰か一人を残す事しか出来ない』と悟った彼女は、リューならば正しい正義を貫き続ける事が出来ると信じ、彼女を生き残らせるために同じく重傷を負いながらも辛うじて生きていたゴジョウノ・輝夜とライラと共に特攻を決意。『ジャガーノート』の魔法反射の殻を自身の魔法を内側から打ち込む事で破る事に成功させ、リューの魔法でトドメを刺すよう指示するが、『ジャガーノート』は寸前のところでリューの魔法を回避しそのまま撤退してしまい、爆風により跡形もなく消し飛んでしまう。結果的に自らの手で知己を殺めてしまったこの出来事は、リューにとって大きなトラウマとなり、仲間を見殺しにした罪人としてリューの心の傷として長く残り続ける事となる。
それから5年後。再び出現した『ジャガーノート』に追い詰められ、全てを諦めかけたリューの夢の中で語り掛け、諦めてはいけないと仲間と共に激励を送り、「今のあんたの正義はなに?」とリューの想いを引き出し、決意を決めた彼女を見送った。
この一連の出来事が単なるリューの夢なのか、アリーゼたちの魂が本当に語り掛けたのかは不明だが、アリーゼを含め【アストレア・ファミリア】の仲間達がリューを責めている事は決して無いというだけは確かである。
余談
作者による『メモリア・フレーゼ』3周年イベントの解説によると、初期案では『ソード・オラトリア』に登場する怪人(クリーチャー)・レヴィスがアリーゼを乗っ取っていたという設定だったらしい。しかし外伝3巻執筆前に「都市の破壊者編」のストーリーラインを詳細に書き出して別人にしたとの事。
ちなみに読者の間でも「赤い髪」と「緑色の瞳」という共通点から同一人物なのではないかと考察されていた。
また同じく3周年解説でのQ&Aによると
Q.
ティオナとどっちが上?
A.
アリーゼさん。
らしい。いったい何が上なんでしょうね?
関連タグ
スカーレット・ピンパーネル・・・作者曰く技名や二つ名の元ネタとなった物
井沢静江・・・中の人が同じ、炎属性、故人繋がりな女性冒険者。そして死後に彼女に瓜二つな人物が登場する点も共通。
なお、その人物は(敢えて乱暴な表現を使うなら)彼女の肉体を喰らってその姿を得た存在なため、捉え方によっては乗っ取ったと言えなくもない(実際は井沢自ら頼んだのだが)。作者大森がストーリーの都合で断念した展開をこちらは180度違う形で実践していたのである。
八重樫雫・・・こちらも中の人が同じでポニテ繋がり。年齢もアリーゼとほぼ変わらない。しかし性格はアリーゼとは真逆の苦労人気質。リューとは仲良くなれるかもしれない。
なんの因果か、物語後半で彼女はリューとほぼ同じ恋路を歩むことになる。
三ノ輪銀・・・『中の人が同じ』、『故人』、『イメージカラーが赤』と、やはりこちらも共通点が多い。そして彼女もアリーゼ同様、仲間たちを守るために壮絶な最期を遂げた戦士である。