「ままならぬものにござるな」
「未来など、容易く変わる……」
概要
厄災の黙示録におけるイーガ団の筆頭幹部。コーガ様の側近であり、怠け者である彼に代わって団を取り仕切っている。語尾に「ござる」をつける。
外見は通常の幹部と似ており、長身に筋骨隆々の姿である。
違いとしては仮面は上向きにツノの生えたような形になっており、丁髷の先が二股に分かれている。また、仮面には向かって右上から左下にかけて、袈裟切りに傷が入っている。
「居合い」のような間がある二刀流スタイルが特徴。
主には忠実な武人であり、正々堂々とした勝負を好む一方で策を弄して敵を分断させたり、女子供も容赦なく手に掛けようとする冷静さ・冷酷さを持つ。
コーガ様の元、協力者アストルと共に厄災ガノンを復活させ、ハイラル王家への復讐を果たそうとする。
ただし、後述する理由から忠誠心はイーガ団そのものではなくコーガ様本人に捧げている。
専用のモデル・技モーションや戦闘BGMまで用意されているなど、イーガ団のメンバーの中では明らかに別格の強キャラ感を放っており、強敵としてリンクたちとは幾度も渡り合う。
活躍
リンクたちに追い詰められたコーガ様を救うべく颯爽と登場。リンクとウルボザでも受け止めきれないほどの斬撃で怯ませ、その間に撤退した。
その後、「イーガ団急襲」にて再登場。ハイラル宿場町を舞台にリンクたちと死闘を繰り広げる。嘘の情報を流してミファー、ダルケル、リーバル、ウルボザの4人を分断させゼルダの守りを手薄にさせる。そして本命であるゼルダを抹殺するべく自ら立ち塞がるが、先の戦いで軽んじていたのか最も警戒すべき相手であるリンクを無視していたため妨害されてしまう。自分と互角に渡り合うリンクを前にさすがのスッパも認識を改めた。そこで一度姿を消し、不意打ちでゼルダを仕留めようとしたがここでもリンクによって阻止され、これ以上の悪足掻きはせず退却していった。
4章「アッカレ砦奪還戦」で再びリンクたちと相まみえる。砦内を逃げながらリンクたちと戦いを繰り広げるも撃退された。最後の対決となる「イーガ団掃討戦」ではアジト内部にてリンクたちと激突する。一度倒されて撤退するが、最深部にいるコーガ様の危機に駆けつけ最後の戦いを繰り広げる。敗れはしたもののコーガ様と共に命からがら逃げ延びる。
なお、コーガ様を早期撃破した場合スッパは救援に現れない。
脱出した後、そこへ現れたアストルに掴み掛かり難詰する。彼は「イーガ団の勝利」を予言していたが、実際は逆の結果となってしまった。だがアストルは笑って相手にせず「自分と手を切ることは厄災ガノンを敵に回す」と脅しつける。納得いかないスッパだが仕方なく引き下がった。
しかしその後、生き残った団員たちはアストルによって命を奪われ厄災ガノンへの生贄に捧げられてしまう(イーガ団の戦力が弱まったため利用価値がなくなり厄災ガノンの強化に利用された)。ガノンにとって自分たちは使い捨ての駒に過ぎないと気づくも時既に遅く、スッパはコーガ様を守るべくアストル率いる4体のカースガノンに戦いを挑む…というシーンを最後に、消息不明となる。
その後
ただし、ある条件を満たすと解放される隠しエンディングでは彼らしき姿を確認できるため存命はしていると思われる。
またエンディング後にプレイできる高難易度バトルチャレンジ「決戦!ハテノ砦」では、ガーディアンの群れに苦戦するリンクたちを救うべくコーガ様と共に救援に駆けつける。スッパがフェードアウトしてからこのチャレンジが出て来るのはわりと場数を要するので驚いたプレイヤーも多いだろう。
「…ここは通さぬぞ。覚悟せよ!」
追憶の守護者
2021年10月29日配信のDLC第二弾にて、予告時は存在を伏せられていた隠しプレイアブルキャラとして登場。
記憶チャレンジ「Exイーガ団撤退戦」で団員たちを一人も死なせずクリアすれば使用可能になる。ただし、ここでは道中で団員が敵を足止めすべくその場に残るという展開があるので、特定の箇所で引き返して漏れなく救出する必要がある。
裏切ったアストルから命からがら逃れたスッパたちだが、団員の多くは厄災ガノンへの贄にされてしまっていた。ふと、スッパはコーガ様との出会いを思い出す。
飢えに苦しみ、食べ物を求めて当てもなく彷徨う子供。
彼はある時、イーガ団のアジトに迷い込み倒れてしまう。団員たちは突然の闖入者に敵意を向けるが、ただ一人コーガ様だけは理由も聞かずツルギバナナを食べさせてくれた。
「この恩はいつか返してもらうぜ?」――かつてコーガ様に言われた言葉は、子供が大人になった後にも記憶に残り続けていた。
そこまで思い返した直後、スッパたちは追っ手として現れた4体のカースガノンに囲まれ窮地に陥る。スッパは残る力を振り絞ってカースガノンたちの動きを封じ、その間にコーガ様だけ逃げるように告げる。必死の説得に折れたコーガ様はその場を後にし、スッパはただ一人でカースガノンたちに立ち向かう。
「御恩……返せたでござるか……?」
なお、この回想では幼少期のスッパの手元だけが映るが、ハイリア人、またはシーカー族であることがわかる。
仮にコーガ様が100年前とブレスオブザワイルド本編で同一人物であった場合、インパやプルア・ロベリーの様子も含めるとシーカー族およびイーガ団は長命な種族であるといえ、コーガ様より若いスッパが登場していないのは早くに寿命が尽きたからと考えることもできる。
また、イーガ団の面々が子供でありながら敵意を見せていたことから、イーガ団と容姿が変わらないと思われるシーカー族ではない(一目でイーガ団関係者ではないとわかるような容姿)可能性がある。
ただしスッパの存在自体が後付けであること、「コーガ様」の名前が襲名制の可能性がある(※いくら長命といっても、インパたちの様子を見るに100年間全く姿が変わらず機敏な動きが出来るとは考えにくい)ことから、一概に「本編に出ていない=早くに寿命が尽きたから=長生きなシーカー族ではない」とすることはできない。さらに、イーガ団は仮面にスーツ姿で過ごしており、変装術を使う都合上「中身」の外見はあまり関係ないとも言えるため、いずれも根拠としては弱い。
「カカリコ村救援戦」では、先の戦いで本拠地を失ったためカカリコ村へと侵攻し新たな拠点にしようとする。それを見とがめたダルケル、ユン坊らに阻まれ交戦。ダルケルが動かすヴァ・ルーダニアの援護もあって劣勢を余儀なくされる。そこでダルケルを仕留めるべくヴァ・ルーダニアに乗り込んで死闘を繰り広げるが撃退された。その後にアストルの裏切りと撤退戦へとつながっていくと考えられる。
余談
姫川明の著作「神々のトライフォース」には盗賊少女ガンティなるオリジナルキャラクターが登場する。
盗賊仲間と共に馬車を襲うのだが、ここにはリンクが隠れており、アグニムの追っ手であるハイラル兵士(の姿をした魔物)たちに包囲されて窮地に陥っていた。ガンティの横槍でリンクは窮地を脱するが、ガンティの方は馬車をリンクに持って行かれてしまったので怒っていた。
リンクを追いかけたものの飢えてフラフラになってしまったガンティは、カカリコ村の酒場に入るなり倒れてしまう。誰もが『盗賊の女』と見て助けるのを渋る中、リンクだけは恩もあって「助けてあげてほしい」と言う。ガンティは御馳走を振る舞われた後、先の襲撃でケガをしていたことも判明したのでリンクから回復のリンゴを渡される。
これらの恩からガンティはリンクに同行するのだが、疲れたらすぐにおんぶをねだるなど苦労はしたくないという態度だった(撤退戦でコーガ様から「(疲れたなら)俺様が担いでやるぞ」と言われても断ったスッパとは真逆である)。
これに限らず姫川ゼルダの設定はイーガ団との類似点が多い(特にこれとか)。
ちなみに「すっぱ(素っ破/透っ波)」とは実際に忍者が活躍していた時代における忍びの別称であり、「すっぱ抜き」(秘密が明るみに出ること)など現代にも言葉としては残っている。
関連タグ
ガンティ:上記にある通りオマージュ元と思われるキャラクター。
ヴァルガ(ゼルダ無双):似たような立ち位置のキャラクター。
ディーゴ:屈強な体格の忍者と言うコンセプトのキャラクター。協力者に使い捨ての道具として利用されるというのも同じ。ただしスッパとは違い、こちらは恩人を裏切っている。