曖昧さ回避
ここでは1. について記述する。
概要
霊王とは、BLEACHに登場するキャラクター。名目上は尸魂界を支配する王であり、作中に登場する死神の頂点に立つ存在とされている。
名前が出たのは破面篇の初期だが、実際に登場したのは千年血戦篇とかなり遅い上に、後述の理由から、殆ど活躍しなかった。
王とは言うものの、尸魂界を実際に統治しているのは、『中央四十六室』と言う司法機関であり、作中に登場するキャラクターの中で実際に霊王に謁見した者の数は少なく、護廷十三隊の隊長格ですらその全貌を知る者は少ない。
零番隊のメンバーを除き、ほとんどの者が存在だけは知っているという状態にとどまっている。
その姿。
実際には、四肢を捥がれて水晶のような結晶の中に閉じ込められた、王と言う名目の生贄。
世界を現世、地獄、尸魂界の三つに分けるために全身をバラバラにされた存在で、浦原が藍染との決着時に言った「霊王とは世界の楔」とは、文字通りの意味のことで、体をバラバラにされた末に楔にされた。という事であった。
本編では、霊王宮へと侵攻を進めたユーハバッハの手によって結晶ごと剣で刺し貫かれた後、滅却師の血を通じてユーハバッハの意思に操られる形で黒崎一護が彼の身体を真っ二つにしたことで、一度世界が崩壊しかける。
それでも、浮竹の奥の手によって辛うじて世界の崩壊が食い止められたが、ユーハバッハがその力を完全に引き継いだことで、霊王の本体は消滅した。
その後。
死神と滅却師との戦いが決着したのちには、ユーハバッハの亡骸を霊王の代わりとすることで、世界は再び安定を取り戻した。
零番隊の兵主部一兵衛の本来の予定では、ユーハバッハに敗れた一護を霊王に仕立て上げるつもりだったようだが、一護への悪意があったわけでもなく、ユーハバッハが敗北した上にユーハバッハの方が霊王にしたてあげるのに申し分がなかったのでそちらにシフトした形となる。
本編中では、その姿が露わになるのみで、彼がこのような姿になる経緯までは語られなかったが、後に成田良悟による小説版BLEACH Can't Fear Your Own Worldにおいて、綱彌代時灘との最終決戦の最中、綱彌代時灘の口から詳しく明かされることになった。
霊王の真実
霊王の正体、それは世界が三界に分かれる以前に生と死の境がなかった時代に、虚が人間を喰らい始めたのをキッカケとするように誕生した人・死神・滅却師・完現術者の全ての能力を持ち合わせ、人間を護るために虚に立ちはだかった神の如き存在。
元々は虚を滅却して世界の循環に戻していたが、生と死が同じであるが故に進化もなく世界が緩やかに滅びへと向かうことは止めることは出来ず、後の世で五大貴族と呼ばれることとなる者達の祖先達の思惑が「世界を生と死に分離させる」ことで一致し、それを可能とする霊王の力を借りるために志波家の祖先が説得に向かった。
だが、綱彌代家の祖先がその隙を狙い水晶に封じ、更に無抵抗だった霊王を疑い、前進を司る左腕と停止を司る右腕を斬り落とし、生も死もない状態に陥れた上で、臓腑を抉り取り力を削ぎ落として彼らにとって都合のよい、一切の反抗もせずに世界を留め続けるための人柱にされた。
つまり尸魂界と死神の歴史そのものが、かつて世界を救っていた英雄を貶め拘束し続けるという罪の上で成り立っており、かつて尸魂界に反旗を翻した藍染も必ずしも絶対的な悪とは言い切ることのできるものではなかったのである。ただし、そのために(霊王が守りたかった多数の命を虐殺し)残虐な行いを行ってきたのは事実であり、支配欲を持って行動してきたのは悪であり擁護できるものではない。
また、一兵衛によると、意思表示こそ不可能なものの霊王の意思は大局を動かす緩やかな流れとして存在しており、一護が霊王宮に訪れたことや、ミミハギ様とペルニダが霊王宮に帰還したこともその影響らしい。
実際、原作でも現状の世界を維持したがっている零番隊の面々は霊王の意思を汲んでいるような様子が少しだけ描かれていることと、霊王も未来を見通す力を持っていたとのことから、力の奔流が死神にのみ向かっていった件から憎しみがないわけではなさそうである。
それらの事から、霊王自身が本当にどう思っているかは謎だが、その上でも世界を滅ぼしたいほどには現状の世界を憎んではいなかったとも推測される。
また、小説版で明かされた更なる設定として、完現術者は霊王の欠片が宿った者である。
本編で説明された「妊娠中の母親が虚に襲われたことで力が宿った」は誤りで、実際は「力を持っていたため虚を引き寄せていた」。
霊王と関連のあるキャラクター
霊王の真実を知り、尸魂界に反旗を翻した大罪人。
霊王を殺して自らが尸魂界を支配すると言ったが、上記の様に彼がその行為に走ったことは霊王の真実を知ったことがきっかけであった為、実際には尸魂界を支配する意欲が合ったのかは謎。
真意を殆ど口にしないキャラクターである為、本心は不明だが、彼はその圧倒的すぎる力から作中でも最も孤独なキャラクターと言っても過言ではなく、実力的に彼と対等、もしくはそれに近い存在と言うのはごく限られた人数しかいない。
霊王はまさしくその一人には入るであろう存在である為、もしかしたら、実際には霊王を解放することで本来の力を取り戻させた後、その配下として尸魂界を含む全ての世界を支配しようとした可能性もある。
劇中で初めて霊王を言及した人物。
霊王の御所である霊王宮へ行くために必要な王鍵の在処を護廷十三隊の中で唯一知っている存在。
霊王に対してどこまで情報を有しているのかは不明だが、少なくとも霊王宮の護衛に関わる程度には事情を知っている。
藍染に言及された通り、霊王が「世界の楔」であるという事を知っていた人物。
しかし、後述するミミハギ様についての事は知らなかったことから、あくまでも通り一遍の事を知っている。ぐらいに留まるらしい。
霊王の右腕であるミミハギ様の依り代となっていた人物。
過去に霊王の爪を保有していたらしく、幼少期にそれを藍染に狙われ、結果としてそれが黒崎一護の誕生に関わることになった。
完現術の使い手である完現術者の集まり。
霊王宮の守護を担当する死神たち。
当然、霊王についてもその詳細を把握しているが、彼らが霊王をどのようにとらえているのかは不明。
零番隊に所属している一人である麒麟寺天示郎は、一応霊王に対して忠誠を尽くしているかのような言動をしているため、思うところが無いわけではない様でもある。
また、彼らが藍染を悪と断じるのは、霊王への反旗を翻したことよりも、王鍵(おうけん)と言う霊王宮への道を開くために必要な道具を作り出だそうとしたことの方が重いような言動をとっている。
と言うのも、霊王宮に行くためには先述した通り王鍵を手に入れる必要があるが、この王鍵とは霊王によって選ばれた死神の体内の骨が、霊王の力によって変質したものである。
霊王に選ばれる以外で王鍵を手に入れる為には、重霊地と呼ばれる土地と十万人単位の人間の魂を材料にする必要があるため、藍染はこれを手に入れる為に空座町へ侵攻を行った。
それはつまり、自らの手で命を作り出し、そのために多数の命を犠牲にするという事であり、これを指して零番隊のメンバーは藍染を『大悪』と断じた。
穿った見方をすれば、零番隊自身も、霊王は解放するべきであると考えているともとれる発言だが、上述の通りに霊王の意思を感じ取ることはできる様である為、彼らが感じる霊王の意思に殉じた結果が、霊王宮の守護であるとも考えるので、結局のところ彼ら自身が霊王にどういう心境を持っているかは不明。
二度尸魂界に侵攻を行った滅却師の頭目。
滅却師の父であり、その力の源泉であるが、上述のように元々滅却師の力も霊王とは深く関わりがあり、詳細は不明だが霊王を自分の父と称している。
霊王にとって、死神とは憎むべき存在であると言う考えに沿って動いているようであり、霊王の力の一部が彼に加担していることからも、彼の考える「世界から死が無くなった世界」は、霊王の一つの理想であるとも見れる。
ユーハバッハの直轄部隊という事もあって、霊王に関わりの深い人物が在籍している。
霊王の爪を回収したりし、産絹彦禰を製作した。
関連タグ
天元(呪術廻戦)…霊王の設定を参考にしたと思われるキャラクター。表舞台や政治に参加しないが下っ端でも知ってる、強大な力を持つなどに通っている点が多い。
創世王(BLACKSUN)…境遇が似ている