「お前ぇらは何だ?〝護廷〟十三隊だろうが おォ!?」
「王属特務(おれら)の仕事は王宮の守護 護廷十三隊(おめえら)の仕事は瀞霊廷の守護」
「〝護廷〟の名前を背負った連中が 護れねえから助けてくださいじゃア 護廷の二字の名が泣くぜ」
プロフィール
二つ名 | 泉湯鬼(せんとうき) |
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所属 | 零番隊第一官・東方神将 |
身長 | 193cm |
誕生日 | 5月31日 |
CV | 志村知幸(初出はゲーム『Brave Souls』) |
概要
リーゼント頭でキセルを咥えたチンピラ風の男で、見た目に違わず粗暴な振舞いが多い。公式のQ&Aによれば、天示郎の腹巻は射場鉄左衛門の物とは異なり、修多羅千手丸のお手製だとされている。
だが、同時に面倒見の良さや思慮の深さなどを感じる時もある。治療の世界における草分けでもある事から、見た目だけで性格などを把握することは難しい。霊王に認められたクリエーションと経歴も同様である。
黒崎一護にボケをかましたり、しょっちゅう仲間にどつかれていたり、ノリツッコミを待っていたりしたがスルーした事に残念がっていたりとコミカルな一面をみせている。
部下に数男(CV:山本祥太)、数比呂(CV:丹沢晃之)がおり、彼のサポートにまわる。
選抜理由
零番隊に加入した「何かを作り出した」とされる功績は、原作では厳密には判明しなかったが、『Brave Souls』では、治療用の鬼道「回道」を作ったのが麒麟寺であるとされる。
なお、卯ノ花烈に回道を教えた人物でもあるのだが、彼女の事を嫌っているのかは不明だが手厳しい部分がある(彼女が初代「剣八」だからだろうか)。ただし、師として道をしっかり示すなどはしている。しかも、おそらくは麒麟寺自身が好かないはずの「剣八」としての道を。
- 卯ノ花の性格もあるのだろうが、零番隊が尸魂界に到着した際には、他の面々のやり取りとは異なり、卯ノ花は麒麟寺に対して敬語を使い、彼の指示に素直に従っているなど、明確に麒麟寺を「師」として見ており、両者の間に上下関係があることがうかがえる。
- これはつまり、「暴力や戦闘欲の化身」とも言える性格の卯ノ花を力で屈服させ、自分が師事するに値する存在だと納得させた、または、師事せざるを得ない状況に追い込んだ過去がある可能性を示唆している。
零番離殿「麒麟殿」
「黙って浸かってろ て前ェぐらいの傷なら 一晩もありゃ元の倍ほども元気にしてやる!」
麒麟寺が管轄してる場所で、二種類の温泉があり、巨大なししおどしが付いている。巨大なため鳴る音も非常に大きく、一護にツッコまれていた。
浦原喜助の修行部屋にある「浸かるだけで回復する温泉」は、これを真似て作ったものである。
- 白骨地獄
物騒な名前の白色の湯。
身体から血と霊圧を絞り出す能力を持っている。凄まじい回復力を有しており、常人ならば超霊糸で編んだ防護湯衣を纏っていないと『過回復』によって体がグズグズに腐って破裂してしまう。
この湯衣を以ってしても過回復を完全に遮断できるわけではなく、数男らが脱いだ時には火傷のような傷ができていた。全裸で浸かって平気だった一護や恋次は例外中の例外らしい。
「過回復」という特性を利用し、ユーハバッハの軍が攻め込んできた時には攻撃にも使用している。
- 血の池地獄
またまた物騒な名前の赤色の湯。
血と霊圧を補充する能力を持っている。白骨地獄と違って不気味な泡と湯気がたっており、さながら溶岩のようである。
二枚屋王悦に使用して傷んだ血を入れ替えて回復するといった事もした。
湯治の際は、患者に白骨地獄と血の池地獄を交互に使用させる。その効果は絶大であり、尸魂界で治療不可能だった重篤者も完治させる事が可能。
また、これらの湯を戦闘時に召喚する事も可能。
戦闘能力
他の零番隊のメンバーと同様に、全力で戦うと三界のすべてに多大な影響を及ぼすとされており、護廷十三隊に所属する大多数の死神とは一線を画す戦闘力を持つことがうかがえる。
かつては「雷迅の天示郎」と呼ばれた人物で、砕蜂が反応できないほどのスピードで動くことが出来る瞬歩の達人。
麒麟殿の湯にもまったく影響を受けない強靭な肉体と霊力を持ち、戦闘の最中に麒麟殿の各種類の湯を召喚し、自在に操る能力も持っている。
斬魄刀
- 始解【金毘迦(きんぴか)】
解放前は湯かき棒のような形状をしており、鞘には平仮名で「きりんじ」と書かれている。
解号は【天照一閃(てんしょういっせん)『金毘迦』】。
本誌掲載時は「煌け」だったが、どこぞの騒々しいオカマ破面の解号と同じだったためか、単行本で修正された。
解放すると薙刀のような形状に変化し、同時に刃が光り輝く描写があるが、詳しい能力は不明。アニメでは、戦闘時には常に激しく発光し、ユーグラム・ハッシュヴァルトと激しく斬り合っていた描写から、直接攻撃系と思われる。
この激しい発光と、雷迅と呼ばれる程の歩法を組み合わせたシンプルながら隙のない戦闘が可能。
漢字表記は、修験道や仏教の神(神獣)である金毘羅と似ている。金毘羅は「水」に関連する神(神獣)であり、また、「薬師十二神将」の「筆頭神」でもあるため、「零番隊・第一官・東方神将」という麒麟寺の肩書や湯を操る能力とも類似性がある。
劇中の動向
他の面々と共に見えざる帝国の第一次侵攻後に登場。
瀞霊廷の壊滅的な被害が出たにも拘わらず、降りて来なかった零番隊に対して「呆けていた連中」と感情任せに激昂していた砕蜂に得意の瞬歩で彼女を関節技で動きを封じたりと一触即発の事態になっていた。直後に和尚に叩かれて撃沈したが。
一護らを麒麟殿に連れていき、彼らに湯治による治療を行い、全快させた。なお、白哉は重篤だったので他3人より治療時間がかかった。
第二次侵攻の中盤に霊王宮に侵入したユーハバッハの前に立ちふさがり、斬魄刀を解放して挑む。
しかし、ニャンゾルによる能力で攻撃が一切当たらずに苦戦を強いられていたので、修多羅千手丸と戦闘を交代。
神赦親衛隊の1人、アスキンの能力で死にかけの王悦に血の池の湯で血液を総入れ替えさせてアスキンの能力から解放させる。
親衛隊を全滅させたが、ユーハバッハが聖別で彼らを蘇生させてしまい、強化された親衛隊に敗北。
原作ではここで麒麟寺らの出番は終わり、生死不明だったが、後日談となる小説『Can't Fear Your Own World』で一兵衛によって蘇生した。
アニメでの星十字騎士団戦
漫画版とは異なり、ニャンゾル戦では出番がカットされ、命の檻発動後に本格的に戦闘を開始した。
主にハッシュヴァルトとの戦闘シーンが追加されている。
湯の召喚能力と高速戦闘で圧倒し、彼が所持していた身代わりの盾(フロイントシルト)を弾き飛ばして能力を発動させることなく無傷で撃破するなど、漫画版では過小評価されがちだった零番隊としての格を見せつけた。
しかし、聖別で親衛隊とハッシュヴァルトが復活してしまい、今度はアスキンと交戦。同様の戦法でアスキンを追い詰めるも、「D」の能力によって毒化された湯で逆に体を蝕まれ弱体化してしまい、その際に神聖滅矢を急所に撃ち込まれて敗北した。
その後は、千手丸の卍解を発動させる為に王悦、桐生と共に自刃した。
余談
- 初代護廷十三隊に似たようなシルエットを持つ死神がいたが、彼なのかは不明。しかし、以下の点からその可能性は低いと思われる。
- ユーハバッハをして「殺伐とした戦闘集団」だったとされた当時の護廷十三隊に、治癒の業界の功労者である麒麟寺が同調していたのかは疑問である(戦闘集団をサポートするために治癒の道を開発したとも言えなくもないが)。
- 麒麟寺が治癒の世界における草分けであったことや、零番隊の麒麟寺が回道を学ぶために尸魂界にわざわざ降りてくる可能性が低いこと、卯ノ花が初代護廷十三隊の時代にはすでに回道を習得していたこと、歴史が古い回道を麒麟寺が作った事、などを考えると、麒麟寺が卯ノ花に回道を教えたのは初代護廷十三隊の結成よりも昔だったこともあり得る。
- 仮に麒麟寺と卯ノ花がかつて同門だった場合は、後の師弟関係になるとも考えられないので、護廷十三隊の発足時には麒麟寺はすでに零番隊に近い立場(霊王に仕え、護廷十三隊よりも格上の立場)にあった可能性がある。
- もし彼が零番隊に昇進したのが初代護廷十三隊結成以降だったすると、麒麟寺が在籍していた頃に卯ノ花が十一番隊から四番隊へ転向した可能性がある。彼女の経歴や知名度を考えると、当時の卯ノ花が近寄り難い存在だったことは想像に難くない。そんな彼女にあくまでも師として接し、誰からも慕われる四番隊隊長へ育て上げた麒麟寺には、卯ノ花は頭が上がらないのかもしれない。