「マスター、私のことは“良(リャン)”とでもお呼びくださいね。その方が言いやすいでしょう?」
プロフィール
真名 | 秦良玉 |
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クラス | ランサー |
性別 | 女性 |
身長 | 166cm |
体重 | 46kg |
出典 | 明史 |
地域 | 中国 |
属性 | 秩序・善・人 |
好きなもの | 平和、農業(通常時)、マスターの笑顔(絆5) |
嫌いなもの | 盗賊 |
設定担当 | 東出祐一郎 |
ILLUST | しまどりる |
CV | 下屋則子 |
身長は186cm、という説もある。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するランサークラスのサーヴァント。レアリティは☆4。
初登場は第2部3章『人智統合真国 シン』。
カルデア側に対抗するために冷凍睡眠から起こされ、以後は前線指揮官として主人公たちに立ちはだかる。ちなみにサーヴァントではなく生身の英雄としてである。
真名
中国明王朝の武将、『秦良玉』。
中国の正統な歴史書である『二十四史』の一つである『明史』の列伝において唯一女性の武将として名を残している。
元々、少数民族の出であった良玉は忠州という土地を治めていた馬千乗という男の妻となり、夫と共にある叛乱の鎮圧に従軍した。
その後、民事訴訟などで獄死してしまった夫の後を継いで、将軍となった彼女は盗賊を幾度も退けた。彼女が率いる部下たちはトネリコの槍を持ち、白杆兵(はっかんへい)と呼ばれ、恐れられたという。
人物
一人称は「私(わたし)」。
温厚で朗らかな性格で、難事に対して柔軟に対応する優れた機知を備えた才女。
虚飾を好まず、平和と農業を愛する、下からも上からも信頼されるタイプ。
機転は利くがおっちょこちょいなところがあり、「やります!」と気合を込めた直後に槍とかけたダジャレだと自分で思い込んで赤面したりしている。かわいい。
世話好きな一面もあり、マスターに対しては固く忠誠を誓う一方、やや過保護ぎみに世話を焼いてくる。いわゆるブーディカさん系(未亡人の女性武将という点では共通点も多い)。
絆Lvが高くなると忠誠心が振り切れて結構恥ずかしいことを言ってくる。
男の浪漫に関しては理解しかねるらしく、多多益善号に喝采を上げる男性陣に対し「そうかなぁ」と目を逸らし、多多益善号部隊を任された際は「白杆の槍だけじゃ駄目ですか?」と相当な難色を示している。
実はパンダが大好きなのだが、カルデアではなぜかパンダのVRデータが破損して復旧できなくなっており、何故かへシアン・ロボに置換される(パンダは人類史では比較的最近に発見された動物とされているが、中国国内では古来から伝承に存在が確認されている動物だったりするので、彼女がパンダ好きなのは特におかしい話ではない)。
他にもアムールトラやアフリカライオン、エゾヒグマがキメラやソウルイーターのデータに置換されるなどの不具合が起こっているが、不可解な事にジャイアントパンダやロボの種族と思われるネブラスカオオカミを含めたこれらの動物は現在、絶滅危惧種として扱われている哺乳類ばかりである。わざわざパンダが人間に復讐心を持つへシアンに置換されたのは何か意味があるのだろうか?
余談だが、これらのバグは、ロマニ・アーキマンが酒呑童子の幕間でヒグマのデータの代用にソウルイーターのデータを使用するという操作をした事が原因だと思われる。
嫌いなものは盗賊。生涯を通じて悩まされたため、思い出すだけでも地団駄を踏むくらい嫌い。
異聞帯の秦良玉
楊応龍の乱での功績を讃えられ、凍結英雄(いわゆるコールドスリープ状態にされた武臣たち)に任命される。本来彼女は武器を取って戦うよりも飾り気のない農業が好きであり、凍結英雄としての復帰も望んでいた訳ではなかった。
それでも秦帝国の平和を心から願っており、その平和を築いた始皇帝の命令とあらば槍をとることは元より騙し討ちや内ゲバも辞さない。
かつて故郷で民衆が知恵をつけたばかりに反乱が起きたため、故郷を始皇帝に滅ぼされているが、その原因は始皇帝ではなく文化やそれを説く儒と考え、心から憎んでいる。
咸陽での最後の戦いでは、最終防衛線を担って激戦を繰り広げるが、敗北する。
多くの人々の犠牲の上にようやく手に入れた平和への思いを叫び、争いの絶えない汎人類史に呪詛を吐きながら斃れるという、必要であったが貧乏くじともいえる役回りとなった。
虚淵玄がシナリオやってるストーリーでランサーという時点で、彼女の運命は決まっていたのかもしれない…
汎人類史の彼女は詩人としても知られた存在であり、また宝具も詩であるが、異聞帯の彼女は詩を反乱の兆しとして始皇帝に報告する皮肉な立ち位置である。
戦闘中にも宝具を使用しない。異聞帯での経歴や生身である点を考えると、後述の『崇禎帝四詩歌』については存在すらしていない可能性が高い。
能力
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | C | B | A | D | A | B |
保有スキル
対魔力(C) | ランサーのクラス特性。魔術に対する抵抗力。Cランクでは、第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。 |
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白杆槍(B) | はっかんそう。後述するように本来は宝具。 |
忠士の相(B) | マスターに忠誠を誓い、同時にマスターからも信頼を寄せられやすくなる。無実の罪で夫が投獄されたにも拘らず、彼女は明に生涯に渡って忠義を尽くし、当時の皇帝である祟禎帝も彼女に絶大な信を置いたという逸話に由来するスキル。 |
盗賊打破(B) | 城主として、数々の盗賊を打ち破った逸話が昇華したスキル。反英霊、特に海賊や盗賊の経歴があるサーヴァントに対して、有利な戦闘ボーナスを獲得する。 |
戦闘続行(C) | 往生際の悪さにして、戦闘を続行する能力。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってもなお戦闘続行が可能。彼女の場合は、一度一度の戦闘ではなく、籠城戦などの長期化した戦いにおいて士気向上などの優位性を保つ。 |
悪漢打破(A) | 「戦闘続行(C)」が変化したスキル。詳細不明。 |
宝具
崇禎帝四詩歌(むよくにしてちゅうぎのうた)
- ランク:B
- 種別:対人宝具(自身)
- レンジ:0
- 最大補足:1人
「行きますよ!」
「卑小非才の身なれど、この信頼には、すべてを捧げましょう。『祟禎帝四詩歌(むよくにしてちゅうぎのうた)』──此処に……ハッ!参ります!!」
秦良玉に対し、時の皇帝崇禎帝が送った四つの詩歌。
都に召喚された良玉は、盗賊征伐の失敗の責任を取るものと考え、部下に私財を与えて覚悟を決めたが、彼女に贈られたのは恩賞と皇帝自らが作ったという彼女を讃える四つの詩歌であった。
ゲーム中の効果は自身単体へ以下のバフが発生する。
- 「通常攻撃時、敵単体に防御力ダウン(3ターン)付与」状態(3回・5ターン)
- 「クリティカル発生時、敵単体の強化解除」状態(3回・5ターン)
- 「被ダメージ時、敵単体にクリティカル威力ダウン(3ターン)付与」状態(3回・5ターン)
- 「被クリティカルダメージ時、味方全体のHPを回復(オーバーチャージで効果アップ・HPが0の対象は回復不能)」状態(3回・5ターン)
- 宝具レベルに応じて攻撃力を大アップ(3ターン)
性能どうこうより、5つもの効果を『FGO』宝具の効果説明文書式に落とし込んでいる関係でものすごい文章量になっており、文字が小さすぎて読めない!と訴えるユーザーが続出している。
また、宝具名も直感的な読み方ではなく常用漢字ではないものが使われているため、アップデートで誤記されたが誰も気がつけなかった、などというエピソードもある(崇→祟になっていた)。
白杆槍(はっかんそう)
- ランク:D
- 種別:対人宝具
- レンジ:2〜5
- 最大捕捉:1人
彼女が部下と共に愛用したと伝えられるトネリコの槍。槍そのものに逸話があるわけではないが、反英雄のサーヴァントをやや畏怖させる効果がある。『FGO』ではスキルとして再現されている。
宝具としてのランクはDだが、スキルとしてのランクはB。
ゲーム上での性能
カード配分は《Quick:2/Arts:2/Buster:1》のライダー型。
- スキル①「白杆槍(B)」(CT7〜5)
- Arts・Quick・クリティカルの性能強化(3ターン)
- スキル②「忠士の装(B)」(CT7〜5)
- 自身にスター集中(1ターン)&弱体無効(3回・3ターン)
- 強化解除耐性アップ(3回・3ターン)付与
- スキル③「盗賊打破(B)」(CT10〜8)
- 自身にガッツ(2回・3ターン)付与
- NP獲得(10〜20%)
槍坊主同様、スター集中からのクリティカルで宝具を開放し、5種類ものバフを畳み掛けていく自己強化型。細部は異なるが同じArts宝具等、共通点も多く似た運用ができる。
自前でアーツブレイブチェインが組めるため、概念礼装や自他のスキル等によるサポートも含めれば、宝具連射も不可能ではない。
また、宝具抜きでも単純に☆4の高い基礎性能はある程度育成すればガッチリ成果を上げてくれる。
スキル③のNPチャージと抱き合わせな二回ものガッツ効果は、土壇場の粘りに加えクリティカル抜きでは低いNP効率を自力である程度補える。
弱点は多彩で特殊故にクセが多い宝具バフ発動条件。
攻撃力アップ以外の四つは特定条件下でのみ機能する回数制限付きのトリガータイプで、2つずつの攻撃型と被弾型、そのどちらにも一つずつクリティカルがないと発動しない縛りがある等、そのままでは効果の大半が運任せで非常に安定性に欠ける。
一応、スキル②でスターを集めれば「強化解除」は比較的発動を狙いやすい。尤も「強化解除耐性」持ちや回数制の「強化解除無効」が相手でもなければ効果の無駄遣いになりかねないし、そもそもバフがない相手だと意味が無い。
クリティカル被弾時の「味方全体回復」は高めの回復量がオーバーチャージで更に増す等、一見優秀だが、「自己改造」などで跳ね上がった威力を下手に喰らえばHPが0になって自分自身が回復できず、折角のバフ諸共撃沈してしまう。この点はスキル③二重ガッツで凌げなくも無いが、取得条件である第三再臨までの育成が課題となる。
通常被弾時の「クリティカルダウン」も下手に狙い過ぎると素の火力でそのままねじ伏せられる危険性があり、逆に全く攻撃されなければ持ち腐れになる。
確かにいずれも優秀な効果だが、単独では十全には活かせない。
礼装の備えや他のサーヴァントとの団結があって、初めて真価を見せるタイプと言えるだろう。
再臨素材は稀少性こそそこそこ高いが、第一部中盤までで手に入るものしか要求しないので、最終再臨まで持っていくのはそこまで大変ではない。しかし、強化素材では第二部から追加された素材もいくらか要求されるので注意が必要。
関連人物
生前
馬千乗
生前の夫。すぐに死別してしまった上、マイルームなどでも特に言及が無いため夫婦仲などは不明。史実では彼の一族と轡を並べてよく戦っている。
崇禎帝
当時の彼女の属する明の皇帝。失敗の咎で処刑されると思っていたら褒め称えられた。
史実の崇禎帝は無能ではないが猜疑心が強すぎて有能な部下を次々処刑し、明を滅亡させてしまった人物である。その上良玉は無実の罪で夫が獄死するという、憎しみを抱えてもおかしくない背景を抱えている。
しかし、このことが逆説的に崇禎帝を信じさせた良玉の忠誠心の揺るぎなさを示している。
異聞帯
異聞帯における主君。彼女の故郷を滅ぼした張本人ではあるが、平和のためやむを得ないと思い恨んでおらず、絶対の忠誠を向けている。忠義は本物だが、本心では二度と戦のために冷凍睡眠から起こしてほしくなかったと考えていた。一方の始皇帝は良玉が敗れた際、衛士長や韓信が健在であったにもかかわらず「臣下にできることは秦良玉が全て果たした」と評し、その奮戦をたたえた。
自分と同じように驪山で眠っていた凍結英雄の一人で、同僚。新たな戦術の着想で興奮する性癖を持つ戦争狂であるが、国士無双の異名をとるその才気を素直に尊敬している。一方、始皇帝が制作した「多多益善号」に男のロマンを感じて興奮することには困惑していた。
大西王
自分の故郷の民を扇動して秦への反乱を起こした人物。どれだけ秦へ反抗する民衆が殺戮されようとも、平然と新たな兵を募るべく各地で扇動していたことから、異聞帯の良玉は民衆に知識を与えて反乱を起こす存在を嫌悪し憎悪している。
汎人類史においては、農民反乱軍を率いて「大西王」を名乗った張献忠であると考えられる。
史実では良玉に敗れて一時は降伏したが、後に現在の四川省に逃げ込み、そこで人類史でもトップクラスの大虐殺を敢行。虐殺により四川省の人口は100分の1以下になった。
本編で良玉が告発した所業とはまた違った路線の問題人物である。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
心の正しく、優しい彼/彼女に対し非常に強い忠誠を誓っている。
ただ、若干過保護気味かつ、愛おしさのあまり言動がバグることも。
彼女より1100年ほど前の武将。飛将軍の名声は彼女にも届いているようで、轡を並べられることに大変緊張していた。
なんとなく意気投合した人。「女傑」「未亡人」と属性がかぶっている。
マスターの安眠を妨害するものとして警戒態勢をとっている。
静謐ちゃん以外はバーサーカーで後天性ドラゴン娘と神仏の生まれ変わりという怪物なので、相対時の相性はあまり良くない。
バレンタインイベントの仕掛け人(?)。
こちらも何か色々な事を吹き込んでいたようで、告白を頑張るよう陰から応援していた。
だが、最終的に気恥ずかしさで逃げだした良玉を捕まえて、「てっきり押し倒すくらいのことはするかと思った」とすごく不服そうに告げていた。
余談
やっぱりというかなんというか、全身タイツでボディラインがはっきり出る衣装が股間に来る人が多かったらしく、早々にそっち方面の画像も多数投稿されている。
特に衣装の股間周りが殊更薄いのもそれに拍車をかけてしまっている。誰が呼んだかおっぱいタイツ武将。そんな服着てるのが悪い。
2019年1月25日放送分の『カルデア・ラジオ局』にボイス担当の下屋氏がゲスト出演時に語ったところによると『FGO』最初期にもうボイスを収録しており、登場をまだかまだかと待っていたことを語った(時間が経ち収録し直したことも語った)。
なお、桜シリーズ以外ではじめて登場したCV下屋則子サーヴァントである。
独特な全身タイツについても、「ランサーといえば全身タイツが定番意匠」という、FGO以前の感覚でデザインされたためらしい(タイツはクー・フーリンやスカサハなど、本来はケルト系のデザインで、裸身にタトゥー等の文様を描いていたとされる伝説を現代風に表現したもの)。