「おれの計画は 絶対に狂わないっ!!!」
概要
元クロネコ海賊団船長で、東の海でも有数の強豪として知られた海賊の一人。腕っぷしでゴリ押すのではなく計略を練って事を進める頭脳派の海賊で、それ故「百計のクロ」の異名を持っている。
数年前にモーガンにより逮捕され死んだとされていたが、実は影武者を捕まえさせただけで本人は逃げ延びていた。海軍や賞金稼ぎに追われる日々に嫌気が差したとして海賊を廃業していたが改心したわけではなく、偽名を遣って資産家の家に転がり込み、3年も掛けて信頼を得て財産を奪い取ろうとしていた。
なおこの一件は麦わらの一味の狙撃手・ウソップが同一味に入団&一味の初代母船であるゴーイングメリー号を入手するきっかけになった。
プロフィール
本名 | クロ |
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偽名 | クラハドール |
異名 | 百計のクロ |
年齢 | 33歳→35歳 |
身長 | 207cm |
懸賞金 | 1600万ベリー |
所属 | クロネコ海賊団船長→カヤの家の執事(アニメ版では後に船長に復帰) |
所属船 | ベザン・ブラック号 |
武器 | 猫の手 |
武術 | 抜き足 |
出身地 | 東の海 |
誕生日 | 4月22日(執事の日) |
血液型 | X型 |
好物 | バナナ |
CV | 橋本晃一 |
性格
世界政府に追われることなく大金を手にしたい平和主義者を自称している。
しかし実際は緻密な計略のもとに略奪などの犯罪を行う知能犯。船員とは忠実な船長の“コマ”と考えており、不要と感じればたとえ長年共に戦ってきた部下でも容赦なく切り捨てられる冷酷さを併せ持つ。
作中でも、ジャンゴを含めた部下たちを生きて島から出すつもりはなかったことを語っている(自身の生存に関しての口封じのため)。
なお、先述の通り彼は海軍や賞金稼ぎに追われることに嫌気がさして海賊を廃業したのだが、ルフィからは『自分の名が売れていくのが怖いだけ』と評されている。
ある理由から、ズレた眼鏡を指ではなく手首や手のひらで持ち上げて直すという癖を持っている。
戦闘能力
基礎戦闘力
「アクビが出るぜ…」
SBSによると100mを4秒台で走り切るという驚くべき俊足の持ち主。そのスピードはCP9の「剃」に匹敵するという(但し、このSBSの情報を詳しく解析していくと、各使用者を一切考慮していないことが分かる以上、そのまま鵜吞みにしてしまうと、作中の描写が問題だらけになってしまうため、信憑性に欠ける部分が存在していることに注意(※下記の『補足』でも説明))。つまり、速力だけなら偉大なる航路でもある程度は通用するレベルと言える。
あまりのスピードに人間の目で走り抜けるクロの姿を捉えることは極めて困難。
そしてその速度に加えて一切の音を立てずに移動できる「抜き足」という移動術を扱う。無音且つ高速で移動するクロにかかれば、ジャンゴ曰くたとえ腕利きの暗殺者を50人揃えたとしても気配を悟られる間もなく全滅に追い込まれるという。
ただし、全速力の場合はあまりに速すぎてクロ自身も動体視力が追い付かないという欠点がある。しかしクロ本人はそれを然したる欠点とは思っていないらしい。
武器として手袋の指に刀のような長い刃が付いた『猫の手』という独特な得物を用い、前述の「抜き足」によって敵の傍を通過しつつ引き裂く攻撃を得意とする。
「抜き足」の速度によって切れ味を増した斬撃は岩壁をも引き裂く威力を持つが、ルフィとの戦いではその突進力と切れ味が仇となり、突きを繰り出した瞬間にルフィが地面から引きずり出した岩塊で防御され、そのまま片手の刃5本をまとめて折られてしまった。
ちなみにクロの独特な眼鏡のズレの直し方は、この『猫の手』を装着したままでは普通に眼鏡を直すことができないためについたもの。海賊業から3年もの間離れていても癖は全く抜けず、その様子は「戦い方を忘れていない証拠」としてジャンゴやクロネコ海賊団の面々を戦慄させた(本人は体にナマリを感じるとのこと)。
- 補足
SBSの情報から、「クロの“杓死”の速さは必ずCP9のメンバー全員の“剃”と互角」「“杓死”は元々速さを制御できない技」と主張する読者が多くなってしまったが、これらの主張については、
- 六式の“剃”はCP9のメンバーを始め、体得者が多いにも関わらず、“剃”の体得者全員がクロの“杓死”とほぼ互角のスピードとするのは、あまりにも不自然である
- 六式の“剃”の体得者を詳しく解析していくと、使用者の実力によって速度が変化している描写が見受けられる
- 作中で“杓死”を体得している者はクロのみで、他の体得者が登場していない
- “杓死”を制御できない理由は、あくまでもクロ本人の動体視力が追い付いていないからに過ぎない
等の問題が生じることから、誤りである。
「SBSで言及された“剃”の速さは、不確実性の高い内容である」ということの詳細な理由については、『六式』の記事を参照。
※このような主張が拡大してしまった大きな要因は、SBSなどの公式情報をそのまま鵜吞みして、根拠もなく信じ込んでしまう読者が非常に多かったことである(多くの読者は所謂『権威バイアス』にかかってしまったのだ)。つまり、「作者の発言だから」「公式情報だから」という理由だけで、権威のある人の発言や情報をそのまま鵜吞みにすると、もしそれが作中の描写と矛盾するような誤情報や曖昧な情報であった場合、読者は知らぬ間に『権威バイアス』にかかってしまうため、何も疑問を抱くことなく、そのまま誤情報や曖昧な情報を拡大させてしまう原因になる。このようなことからも『権威バイアス』が如何に恐ろしい心理現象であるかが分かる。
対策法としては、作者の発言や公式情報もそのまま鵜吞みにするのではなく、作中の描写と照らし合わせて問題が発生しないか確認してから理解し、描写や情報を理解するときには誰でも『認知バイアス』に陥る可能性があるということを認識することである。
技
- 杓死(しゃくし)
全速力で辺りを駆け回り、四方八方から『猫の手』による斬撃を繰り出す。
「抜き足」と『猫の手」の特性を最大限に活用したクロの必殺技。
そのスピードからクロの姿が見えないためにいつどこから攻撃が来るのかが目視では判断できず、傍目からは訳も分からないまま突然人が切り裂かれて倒れるという恐ろしい光景が繰り広げられる。
しかし、前述のように全力での「抜き足」はクロ本人の動体視力が追い付かないため、この技が発動している最中はクロ本人も何を斬っているのかほとんど分かっていない。敵も味方も、壁や床さえも関係なく、とにかく手当たり次第に斬りまくる無差別攻撃であるため、過去に何十人もの船員を巻き込んでいるというとんでもない技である(しかもクロは仲間を斬殺することさえまったく意に介さない)。
クロ本人が疲れて自然に止まるか、攻撃を受けてでも彼を捕らえて強制的に引き倒すまで無慈悲な攻撃は続けられる。
しかし発動前には準備動作として「だらりと両腕を垂らし、ふらふらと揺らめくような構え(溜め)」が入るため、この間は唯一決定的な隙となっている。もちろん発動前に組み付かれると不発に終わる。
活躍
当初は麦わらの一味の狙撃手ウソップの住むシロップ村に家を構える資産家の少女カヤの執事「クラハドール」として登場した。
しかし南の海岸で部下のジャンゴにカヤ暗殺とシロップ村襲撃を企てていることを話しているのをウソップやルフィに聞かれたことでその化けの皮が徐々に暴かれ、ついに凶悪な海賊であった事が発覚。
三日月の夜にカヤから記念日祝いとして貰った新品の眼鏡を踏み砕き、本性を知った同僚のメリーを口封じのため斬り捨てて重傷を負わせる。
その後、カヤを守るべく立ち上がったウソップや麦わらの一味と激闘を繰り広げるも「ゴムゴムの鐘」でKOされ敗北した。
この戦いがきっかけで、ウソップは麦わらの一味に入る事になる。
敗北し村から追い出された後の行方は分かっていないが、アニメ版ではクロネコ海賊団の船長に返り咲いており、初頭手配されたルフィの手配書を部下から受け取っている。
海賊を辞めたがっていた(実質廃業していた)のにその海賊人生に逆戻りとはなんとも皮肉だが、クロ自身は他に行き場所が無かった事や、部下からしてみれば自分たちを口封じに殺そうとした元船長を頼るのは心底嫌だったとしても他に頼る先が無い事もあり、お互い仕方なく元の鞘に収まらざるを得なかったのもかもしれない。
余談だが、彼が欲していたものの一つである平穏に関しては、執事生活の中で既に手に入ったも同然であり、大金に関してもわざわざカヤを暗殺せずとも上手く立ち回ってカヤを籠絡するなどすれば手に入らない事も無かった筈である。
それでもカヤ暗殺を企てたのは彼の「小娘に頭を下げ続ける事に我慢ならない」という無駄なプライドが原因であり、彼の本質が略奪者=自身が忌み嫌う海賊である事を物語っている。
ゲーム作品での登場
『ONE PIECE グランドバトル!』シリーズにもいくつかの作品でプレイヤーキャラとして参戦しており『1』、『2』、『RUSH』に登場(2では隠しキャラ扱い、3のみリストラされている)。火力と防御は低いが原作同様素早さがウソップやシャンクスと並んでAに設定されているので火力が低い分手数と素早さでカバーする必要がある。『1』と『2』共通の必殺技はジャンゴorニャーバンブラザーズを呼び出す助っ人召喚と杓死。
GBC用ソフト『夢のルフィ海賊団誕生!』ではある条件を満たすとなんと仲間になる。
仲間入りすると移動力の高さと燃費の良い必殺技「猫の手」、攻撃後に移動できる「抜き足」、広範囲攻撃であえる「杓死」などの優秀な技で即戦力となってくれる。
ただし杓死は原作同様完全に敵味方判別不能の無差別攻撃なのでうっかりルフィを巻き込まないように注意。
PS4、PSvitaソフトの『海賊無双3』ではボスキャラクターの一人してゲーム作品に久々に登場。『アンリミテッドクルーズSP』でも登場している。
関連イラスト
関連タグ
ONEPIECE 海賊(ONEPIECE) カヤ(ONEPIECE)
ジャンゴ(ONEPIECE) シャム(ONEPIECE) ブチ
モーガン(ONEPIECE):クロを捕まえて処刑したという事で昇格する。ただしそのクロは本物のクロが用意した偽物。ジャンゴの催眠術にかけられたことで、自分が本物のクロを捕まえたと錯覚している。また、彼ものちに海賊となった。
サー・クロコダイル:名前にクロが入る、綿密な計画の元国家転覆を企むなどスケールは異なれど働こうとした悪事は少々似ている。