概要
映画『シン・仮面ライダー』及びスピンオフ作品『真の安らぎはこの世になく』に登場する謎の技術。
SHOCKERの改造人間である人外合成型オーグメントや、仮面ライダー第1号及び仮面ライダー第2号に搭載されているエネルギー源である。
『真の安らぎはこの世になく』では、「緑川弘博士が研究している生命工学技術」とケイが緑川イチローに説明している。
既存の生命工学技術とは全く異なる新しい生命工学技術であり、プラーナの研究が完成して本格的に実用化されれば今まで治療不可能とされてきた病気を治療できるほか、イチローのように死が免れない大怪我を負った人間の蘇生、果ては不老不死も視野に入れられるかもしれないとの事。
また、人間以外の生物にも転用する事で食糧問題も解決できるかもしれないらしいが、当然リスクも存在する模様。
イチローはプラーナを移植された事で「自分の体に何か別の生き物がいる感じがする」と苦悩を口にしており、プラーナ技術とは人体と別の生命体を融合させる側面があるのではないかと推察される。
実態
『シン・仮面ライダー』本編にてプラーナの真相が明かされており、その正体は生き物の体に宿る「生命エネルギー」そのもので、「魂」「霊魂」とも言えるもの。
人外合成型オーグメントは人間の肉体に他の生物から取り出したプラーナを融合させて生み出される為、上述のイチローの発言もあながち間違いではない。
オーグメントは肉体の維持や能力の行使にプラーナを用いるが、その補給は大気中に存在する圧縮されたプラーナを吸収したり、他の生物から直接奪い取ったりする事で行う。
睡眠や食事を必要としないオーグメントだが、他の生き物の命を食らって生きているという点では、人間を含む多くの生物と同じである(つまり、緑川博士が考えていたような、不老不死や食糧問題の解決ができるようなものではない。作中でも緑川ルリ子が「仮に全人類がオーグメントのような体になっても、結局はプラーナの奪い合いになる」と説明している)。
上述の通り生命エネルギーのようなものである為、プラーナを全て取られるとその生き物は死んでしまうが、その肉体には外傷などは一切発生しない(劇中ではチョウオーグにプラーナを奪われた者が安らかな笑顔のままで死亡している)。
なお、基本的に一度取られたプラーナは元の肉体に戻ることはないが、プラーナを維持できる適切な場所に移す事で、肉体がなくなってもプラーナ=魂だけの状態でも生きる事が可能。
最終的に本郷猛と緑川ルリ子はSHOCKERとの戦いで命を落として肉体を失うが、そのプラーナを仮面ライダー第1号のマスクに移した事で魂として存在し続けている。
余談
プラーナとは、古代インドの言葉であるサンスクリット語で「呼吸」「息吹」を意味し、道教における気に類似する概念であり、インド哲学においては人間の存在の構成要素の一つである「風」の元素を意味している。
また、小説・マンガなどでも「プラーナ」という言葉を「生気」「生命エネルギー」「魔法・超能力などの超常の能力・技能の源となる魔力・霊力に類する力」の意味で使っている作品は少なくない。
関連タグ
仮面ライダーキバ:平成仮面ライダー第一期第9作目。敵であるファンガイアはライフエナジーと呼ばれる人間の生命エネルギーを常食とする生命体。
また、今作において魔族と呼ばれる種族(人間含む)は全て、他の生物のライフエナジーを吸収して生きているとされる。
BLEACH:霊魂を構成する『霊子』と呼ばれる素粒子の概念が存在し、更に作中にはライダーと同様に大気中の霊子を集めて力にする術師たちがいる。
鬼滅の刃:作中で使用される「全集中の呼吸」は、特殊な呼吸法で空気を大量に吸い込み血の流れを速めて身体能力を上げる技術だが、風を受けて大気中のエネルギーを吸収するライダーと類似する。