概要
主に以下の意味で使われる。
きんせい
- 太陽系第2惑星
- かつて三菱重工業が製造していた航空機用エンジンの海軍呼称。
- かつて走行してした国鉄の寝台特急。最後は583系使用で名古屋-博多を結んでいたが、1982年に廃止。
- 『美少女戦士セーラームーン』の登場人物の1人で、その前日譚である『コードネームはセーラーV』の主人公愛野美奈子の通称。→セーラーヴィーナスを参照
2.以下は全て1.に由来してつけられたもの。
きんぼし
相撲で平幕(三役未満)の力士が横綱を負かしたときの勝ち星で、給金に上乗せされる。平幕○大関●の場合は慣例的に「銀星」。
相撲以外の競技でも格下が上位に勝った時に「大金星を挙げる」などと使われることが多い(この場合の類義語としてはジャイアントキリング、下剋上など)。また、いい女の隠語でもある。
歴代横綱で最も金星を配給したのは第55代北の湖(横綱在位63場所、53個)、金星獲得が多いのは主に1990年代に活躍した元関脇安芸乃島(16個)。
なお、ほぼ同じ意味で使われる「番狂わせ」の番とは、相撲の番付の事を指す。
太陽系第2惑星「金星」
基礎データ
太陽からの距離 | 1億820万km(地球の0.723倍) |
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直径 | 12104km(地球の0.95倍) |
表面積 | 4億6000万km² |
質量 | 48垓6900京t(地球の0.815倍) |
重力 | 0.91(地球を1とする) |
公転周期 | 225日 |
自転周期 | 243日 |
表面温度 | 464〜500℃ |
分類 | 岩石惑星(地球型) |
太陽系第2惑星の天体。地球より太陽に近く、水星より太陽から遠い。全天で太陽、月についで明るく見える星である。明け方と夕方にひときわ明るく輝き、明けの明星、宵の明星として馴染み深い。肉眼では、金星がいくら明るい星とはいっても点にしか見えないが、望遠鏡を使えば、満ち欠けも確認できる(口径8センチメートル程度の入門機で十分である)。過去には発見したとの報告もあったが、現在のところ、衛星は確認されていない。
西洋では「Venus」と呼ばれ、美の女神の化身とされる。その名の通り硫酸によって形成された雲に覆われた姿は非常に美しいといえよう。
日本や中国における金星という名は五行に由来している。太白とも呼ばれる。
高圧力ガスによって構成される木星、土星、厚い氷によって構成される天王星、海王星とちがって、岩石と大気によって構成される岩石惑星。水星、火星より大きいが地球より少し小さい、質量もほぼ同じ大きさであるがその環境は地球とは似て非なる。灼熱の地表と二酸化炭素によって形成された高温高圧(気温:約400~500℃、気圧:約90気圧)の大気、美しくも見える外側を覆う二酸化硫黄の雲によって、外部からの侵入を拒んでいる。
太陽に近いため地球が太陽から受けている潮汐力の2.6倍の潮汐力を太陽から受けており、水星ほどでないにしても自転運動は太陽からの潮汐力による影響が大きい。自転速度は異様に遅く、しかも逆向き(すなわち自転軸が倒立)である。
実は倒立した自転軸・自転周期以外は地球も誕生直後はほぼこの姿であったと推測されている。但し太陽公転軌道の位置の違いのせいで金星では水が存在せず(最終的に分解された水素が全て宇宙へ拡散)、生命が生まれることもなかった。
金星の水がどのような歴史を経たのかは2つの説が存在する。
#水は最初から最後まで水蒸気の状態に留まり続け、液体になることは一度もなかった。
#地球と同様に、大気の冷却の過程で「最初の雨」が降り、一旦海が形成されたが、その後太陽の光度上昇により海の蒸発が始まり、暴走温室効果により大気が高温となり海もすべて水蒸気となった
どちらの説にしても、水蒸気は太陽紫外線による光分解に対して不安定なため金星大気に留まり続けることはできない。水蒸気は酸素と水素に分解され
- 酸素は反応性が高いため他の大気成分や地表岩石との化学反応で消費し尽くされ、
- 水素は分子量が小さいため容易に宇宙空間に散逸して、
水蒸気は構成原子レベルで惑星大気中から不可逆的に失われることになる。いずれのルートでも現在の金星の状態を説明できるのだが、特に「一時的にせよ金星に海が存在していたかもしれない」という可能性は宇宙生物学上の興味を集めている
太陽の光度は太陽の寿命を通じてほぼ上昇を続け、60億年後の主系列星段階の末期には現在の2倍以上の光度になり、その後の準巨星・巨星段階になると現在の太陽の数百倍の光度に達するので、地球も金星と同様に海洋が蒸発するルートに入ることは不可避と考えられている。
この高温・高圧の大気のため、旧ソ連のベネラ計画では探査機の着陸カプセルがその大気に耐え切れず壊れてしまい、何度も地表の観測に失敗した。また、観測に成功した着陸カプセルもその過酷な環境ゆえ他の探査機に比べ稼動寿命は短くならざるを得なかった。(設計寿命は着陸後30分以上、実際の稼動寿命は約1時間) 基本的に放熱という概念自体成り立たないな環境なので(放熱しようとすれば逆に熱が流れ込んできて自爆になる)、ソ連の金星探査機は魔法瓶のような熱伝導を絶つ保温構造になっており、金星突入前に内部を冷却し、着陸後は排熱を一切あきらめて、外部からの熱伝導や内部機器の発熱で内部温度を上昇するに任せた。温度上昇で探査機が破壊される前に可能な限り観測を行いそのデータを即時に伝送するという方法がとられた。探査機の寿命=熱で破壊されるまでの時間は数十分に過ぎなかった。しかも耐圧・断熱構造に重量を割く必要があったため搭載可能な観測装置の重量は限られていた。
このように困難が伴った一方で、極めて濃厚な大気のため減速・着陸は容易であった。
べネラ着陸機はパラシュートや減速ロケットのようなものは装備しておらず、
探査機上方にあるシルクハットのつばのような部分がパラシュートの役割を果たした。
この部分の直径は2.2メートルしかないが、それでも減速には十分だったのだ。
幾度もの挑戦の末着陸に成功したカプセルから送られた電送写真により、それまで厚い雲により暗いであろうと考えられていた金星の地表が実際は明るいことが判明した。(そのためベネラ計画探査機の着陸カプセルには地表撮影のために照明が取り付けられていた)
また、アメリカのNASAも、ほぼ同時期にマリナー計画を実施し、さらに1990年代には探査機マゼランを打ち上げ、金星の厚い大気を透過する強力なレーダーにより表面の90%以上を明らかにした。
現在、JAXA(宇宙航空研究開発機構)によって打ち上げられた金星探査衛星PLANET-C「あかつき」が金星を観測している。2010年12月、金星の軌道投入を試行したが失敗、軌道・速度を調節し、次回金星に接近する2015年に到着した。
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